レビュー

Xiaomi Mi6総合レビュー:各種ベンチマーク、電池持ち、発熱(Part3)

  • 2017-06-16
  • 2018-04-01
8/10
  • Qualcomm Snapdragon 835搭載でスマホトップクラスの性能
  • Snapdragon 835搭載機としては現状最安!コスパの良さが光る
  • 画面は5.15とやや小ぶりで片手でも持ちやすいボディ
  • Wi-Fiは2x2 MIMO対応、Bluetoothは5.0
  • 速くて正確な指紋認証センサー
  • イヤホンジャックの廃止
  • 標準の状態では日本語表示できない
  • Mi5sよりも重量が増している
  • Micro SDカード非対応
  1. 基本仕様と付属品、外観チェック
  2. 旧型Mi5sとの比較
  3. 各種ベンチマーク、電池持ち、発熱
  4. MIUI(ソフトウェア)
  5. カメラ・対応周波数帯
  6. 総評、販売状況、後日談

※この記事は3ページ目です。初めてご訪問された方は、1ページ目からお読み頂いたほうが分かりやすいかと思います。

Xiaomi Mi6 6GB RAM + 64GB ROM ブラックモデル

Android最高峰のスペック

Xiaomi Mi6最大の注目ポイントである「スペック」をチェックしていきます。

Android最高峰の性能を持つ「Snapdrgaon 835」を搭載

Xiaomi Mi6 CPU-Z

大目玉はやはりSnapdragon 835で、これはQualcommが開発した最新のSoC。

CPUは8つのKryo 280コアから構成され、その内訳は高性能な2.45GHzと効率重視の1.9GHzそれぞれ4コアずつ。4コアのSnapdragon 820に比べ、20%の高速化を実現しています。GPU(グラフィックチップ)としてはAdreno 540を採用し、こちらは前世代よりも25%もの性能アップを果たしています。

820/821は14nm FinFETプロセスで作られていましたが、835ではそれを更に10nmまで精細化。これにより、性能アップしつつも電力消費を25%抑えたとのこと。

試しにAntutuベンチマークを走らせてみると、スコアは178,455点を記録しました。A10 Fusionを載せるiPhone 7と総合スコアはほぼ同じで、UX/CPU/RAMでは若干引けを取るものの、3Dは1.5倍ほどのスコアを叩き出しています。「フラッグシップ」の名は伊達じゃないですね。

Xiaomi Mi6 Antutu

6GBの実行用メモリ

実行用メモリとしては6GBを搭載しており、規格はLPDDR4x 1866MHz。

以前のMi5sでは、下位版が3GB・上位版が4GBとモデルによってメモリの積載量が異なりましたが、今回は下位版でさえも6GBを積みます。Androidスマホなら正直4GBもあれば十分かと思いますが、ことごとく抜かり無いです。

手にした実機にはUFS 2.1ストレージが載ってた

Huaweiが自社のスマホの製品ページで「UFS 2.1搭載」と誇らしげに書きつつも、実はeMMC 5.1とUFSの2.0、2.1を混在させていた…という事件はごく最近の話。あれ以降、各メーカーともストレージに対してはシビアになったと思われますが、Xiaomi Mi6の仕様ページにはしっかりと「UFS」の記載があります。

ただ、バージョンの記載まではされていないので、2.0か2.1どちらかという解釈で良いのでしょうか。

気になったので、調べてみました。筆者の手にした実機には「KLUCG4J1ED-B0C1」というストレージが内蔵されており、ググって出てきたサムスンのサイトのスペック欄には、確かに「Version 2.1」と書かれていました。つまり、UFS 2.1が載っていました。

Xiaomi Mi6 UFS2.1

ただし、Xiaomiの公式サイトでは「UFS搭載」との表記に留まっているため、UFS 2.1と2.0が混在している可能性は十分ありえます。いずれにせよ、UFSはeMMCの倍以上の転送速度で、パソコンに積まれているSATA接続のSSDに匹敵します。

Wi-Fiは2×2 MIMOに、Bluetoothは5.0をサポート

ワイヤレス面でも性能が強化されており、Wi-Fiは2×2 MIMOに、Bluetoothはバージョン5.0をサポートしています。

MU-MIMOのMi5sとWi-Fiの通信速度を比べてみると、下のような結果になりました。もちろん同じ時間帯での測定結果ですが、Mi6では上り下り共にMi5sの2倍以上の速度が出ていますね。

Xiaomi Mi6とMi5s Wi-Fi速度の比較

各種ベンチマークスコア

各種ベンチマークアプリのスコアを見ていきます。

今回は、処理性能を測る3種のベンチマークテストに加え、ストレージの速度測定も実施。また、時々のバラツキを補正するため、3回連続で測定してみました。

Antutu Benchmark

初めは、毎回お馴染みのAntutu Benchmarkで、バージョンは最新の6.2.7です。

初回のスコアは178,455点を記録しましたが、その後2回はそれよりも1万点以上スコアが落ち込み、平均値は168,015点となりました。スコアの大部分を支えるのが3Dの処理能力で、3Dスコアは7万点前後を記録、これはiPhone 7よりも3〜4割ほど高いスコアです。

Geekbench 4

プロセッサ周りの性能を測るGeekbench 4のスコアもなかなかのもので、3回の平均値はシングルコアスコアが1,927点、マルチコアスコアが6,299点となりました。

3D Mark

グラフィック能力を測る3D Markも実施し、Sling Shot Extremeを3回連続して走らせた平均スコアは2,799点。過去レビューしたSnapdragon 821搭載機(OnePlus 3TやMi5s、Mi Note 2など)はいずれも2,000点前半をマークしていたので、大幅に向上しています。

ストレージの速度を「AndroBench」で計測

前のページでもご紹介したとおり、Mi6ではデータを保管するストレージとして「UFS」という規格を採用しています。今ある大方のスマートフォンはeMMCですが、UFSはその倍近い転送速度で、パソコンに搭載されるSSDにも匹敵するほど。

「AndroBench」という、スマホの内蔵ストレージの転送速度を測れるアプリがあるので、それを用いて調べてみました。シーケンシャル読み込みでは700MB/s手前を記録したほか、ランダムアクセスにおいてもSSD並の速度を叩き出しています。

駆動時間は約10時間。Mi5sよりも伸びている

処理性能と同じくらい重要な電池の持ち具合ですが、バッテリーベンチマークを実施したところ、旧世代Mi5sよりも2時間ほど駆動時間が伸びていることが分かりました。

測定に用いたのは、ベンチマークアプリ「PCMark」に備わる「Work 2.0 battery life」という機能。Webブラウジングや写真編集などの作業がひたすら自動で繰り返され、日常的な用途で使ったときの駆動時間を正確に調べられます。

結果、残量100%から20%に至るまで10時間22分持ち、Mi5sと比べると2時間近く伸びています。従来よりもバッテリー容量が僅かに増えたことだけでなく、SoCであるSnapdragon 835の省電力化が目に見えるかたちで現れていますね。

Huawei Mate 9やXiaomi Mi Note 2は約9時間、OnePlus 3Tは7時間ほどだったので、スマホ全体の中でも割りかし長持ちな部類ですね。

【解決済み】スリープ時の電池消耗が激しい問題

使い始めて間もないころ、「スリープ時(画面消灯)にも関わらず勢い良く電池が消耗され続ける」という奇妙なトラブルに出くわし、数日間かけてなんとか解決しました。

他のブロガーさんたちによるレビュー記事も一通り読みましたが、この現象に関する情報は見当たらず。筆者だけ?と思いきや、つい先日同様の悩みを抱えた読者さんよりコメントを頂きましたので、その時のやり取りを引用します。

頂いたコメント↓

私も数日ほど前からMi6を使い始めたのですが、液晶消灯時の電池消耗が速くて、普通に使っているときとほぼ同じくらいのペースで無くなってしまいます。他の方の記事も読んでみましたが、有力な情報が見つかりません。管理人さんはいかがでしょう?

↑に対する筆者の返信↓

様々な設定をいじったので、コレと言って確かな解決策は見出だせていません。
ただ、以下の3点を行ったところ、スリープ時の消耗はピタリと止まりましたので、ぜひ試してみて下さい。
1. Googleアカウントの同期をGmailのみに(効果薄)
2. 設定アプリからAdditional settings→Location Mode→Privacy→Locationと進み、「Location Mode」の項目を「Device Only」へ変更
3. Wi-Fi設定を一度リセットし、アクセスポイントを5GHzから2.4GHzへ変更

上記の中でも、特に効果が大きかったのは2番目の位置情報絡みの設定と、3つ目のWi-Fi設定です。もし同様のトラブルに悩まれている方がおられましたら、一度試してみてください。

Mi5sとのスコア比較

ここまでご紹介したベンチマーク結果をMi5sと比較し、以下のグラフにまとめてみました。その全てにおいて、パフォーマンスが底上げされており、後継機としては順当進化と言えそうです。

発熱は大きくなっている

パフォーマンス面では文句なしのMi6ですが、3DゲームやYouTubeの360度動画などCPU・GPUに大きな負荷の掛かる場面では、本体背面デュアルカメラ付近の発熱がやや気になります。

CPUの温度を測れる「CPU Temp」というアプリを用いて、Antutu Benchmark動作中の温度をチェック。いずれもケースを外した状態で同時に測ったため、条件の差はほぼありません。

結果、Mi5sでは最大37度に留まっているのに対し、Mi6では11度も高い48度に達していたので、新たに施された防滴処理が少なからず影響していると見られます。

とはいっても、熱くて触れなくなったり、処理落ちが目立つなどの不具合は無いため、今のところ大きな減点対象にはしていません。

発熱といえば…最近、筆者のiPhone 7がふとした時にやたら熱くなる(背面カメラの下あたり)ので、改善策を模索中です…。

Xiaomi Mi6 6GB RAM + 64GB ROM ブラックモデル

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  • Tukkiy より:

    こんばんわ。以前もパソ充さんの記事にコメントさせて頂いたTukkiyですが、覚えていらっしゃいますか?笑

    安くなってきたので、そろそろ買おうかと迷っていたところ、ちょうどレビューがアップされていたので、なんだか後押しされた気分です(^^)
    先ほど、無事ギアべストにて購入できたので、首を長くして到着を待ちます。

    イヤホンジャック無しは気に入らないですが……性能には魅力感じますね〜

    • pasoju より:

      コメントありがとうございます。はい!以前も同じくMi6の記事にコメント下さりましたよね。

      発表直後は割高でしたが、最近はGearBestのセールで値引きされ、随分とお手頃な価格にまで落ち着きましたね。手にしたばかりなので詳しいレビューは出来ていませんが、購入前の参考材料の一つとして少しでもお役に立てれば幸いです。

  • となりの佐久間さん より:

    初の中国スマホなのであまり詳しくないため、一つお聞きしたいことがあります
    MI6ってMI5や5Sと同じ大きさだと思うのですが、それらに対応した保護フィルムは使えますか?

    当方、指紋を防ぐタイプのものを探していますが、まだMI6用があまり出回ってないので。。。

    • pasoju より:

      コメント、ありがとうございます。
      ご質問いただいた件ですが、以前のMiシリーズのケースやフィルムは、基本的に使いまわし出来ないものとお考え下さい。前面においてはMi5sの作りと大差ないようにも思えますが、カメラや近接センサーの位置が異なるため、Mi5s用フィルムを貼ると位置ズレを起こします。
      実は、私も同じく防指紋・低反射のフィルムをamazon.co.jpなどで探していますが、選択肢が少ないのが現状ですよね…。

  • 山田太郎 より:

    電池持ちはどんな感じです?
    5sを持っていますが、持ちがあまり良くないので

    • pasoju より:

      コメント、ありがとうございます。

      私もMI5sを半年ほど使ってきましたが、確かに別段電池持ちが良いと感じたことはありませんね。可もなく不可もなくでしょうか。

      ではMi6はどうなのかといえば、劇的な改善は見られないものの、Mi5sよりかは若干伸びたかな?といった印象です。
      バッテリーに関しては後日詳しく検証する予定ですので、その時にMi5sとの比較も行いたいと思います。

  • 高田 より:

    突然のコメント、失礼します。

    私も数日ほど前からMi6を使い始めたのですが、液晶消灯時の電池消耗が速くて、普通に使っているときとほぼ同じくらいのペースで無くなってしまいます。

    他の方の記事も読んでみましたが、有力な情報が見つかりません。管理人さんはいかがでしょう?

    • pasoju より:

      コメントありがとうございます。
      まさか、私と同じような悩みを抱えている方がおられるとは…。

      このレビューを書いてから数日間、電池持ちは極めて良好でした。しかし、後に「寝る前に充電したのに…無い!?」といった現象に度々出くわすようになったので、数日間ほど掛けて様々な検証を行い、一昨日になってやっと解消できました。

      様々な設定をいじったので、コレと言って確かな解決策は見出だせていません。
      ただ、以下の3点を行ったところ、スリープ時の消耗はピタリと止まりましたので、ぜひ試してみて下さい。
      1. Googleアカウントの同期をGmailのみに(効果薄)
      2. 設定アプリからAdditional settings→Location Mode→Privacy→Locationと進み、「Location Mode」の項目を「Device Only」へ変更
      3. Wi-Fi設定を一度リセットし、アクセスポイントを5GHzから2.4GHzへ変更

      • 高田 より:

        早速のお返事、ありがとうございます。
        初期不良を疑ったので、この症状が私だけでなくて少し安心しました(スイマセン)
        挙げて頂いた3点、家に帰ったら試してみます!

  • ZZ2 より:

    突然な質問申し訳ありません。
    当方もMi6を購入し、こちらの記事を参考にuqモバイルのVoLTEシムを使う予定で本日到着しました。
    apnの設定を済ましたところKDDI 4Gとつかみはするのですが、すぐにNo Serviceとなってしまいます。
    海外の端末はそこまで詳しくないため何か設定等、別のものがありましたら教えていただけませんでしょうか?

    • pasoju より:

      初期設定時、私も同じく「4Gの表示は出るものの、間もなく圏外表示となってしまう」といった現象に出くわしまして、その時はVoLTEの設定を見直すことで解決できました。
      以下の手順を試してみて下さい。

      === VoLTEの有効化 ===
      1. 設定より「SIM card & mobile networks」を開く
      2. 「VoLTE enabled」を有効化
      3. 一旦機内モードへ切り替え→解除

      機内モードのオンオフを行っても掴まない場合は、VoLTEを有効にしたまま一度SIMを取り外し、再度同一のスロットに装着してみて下さい。
      少しでもお力添えできれば幸いです。

      • ZZ2 より:

        返信ありがとうございます。
        こちらではなぜかSim Card&mobile networksの中にVoLTE enabledの欄が無く、設定ができない状態です。
        何処かから表示させることは出来るのでしょうか?
        Simフリー化したSC-02Hでims等の設定をしないと掴まなかったので間違いなくuqモバイルVoLTEシムのはずなのですが…相変わらず先が見えません…

  • WANGKAI より:

    これからmi6を購入するつもりですが、持っている楽天モバイルのSIMカードを入れて4Gできますか?今悩んでいる、この前買った同じ会社で製造されたxiaomi noteはモバイルのSIMカードを入れて3Gしか使えませんでした。

    • pasoju より:

      ドコモ回線のMVNOである楽天モバイル、mineoのDプラン、LINEモバイルの3社で検証済みですが、いずれも通話・通信共に正常です。使い始める前のAPN設定が少々面倒くさいですが、各業者が公開している方法に則って設定すれば、問題なく使えるかと思います。

      ただ、国内販売を視野に入れていない海外製のスマホですので、山間部等の一部地域や大きな建物の中では繋がりにくくなる可能性もあります。
      念のため、ドコモの公式ページにあるサービスエリアマップ(下のアドレス)より、WANGKAI様のお住いの地域が「LTEエリア」にあてはまるか、ご確認願います。範囲内であれば問題ありません。(LTEエリア800MHzやFOMAプラスエリアには非対応です)

      https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/