Mi Notebook AirはMacBookの対抗馬!?性能・価格を比較

  • 2016-08-06
  • 2017-10-26

中国のデジタル機器メーカーXiaomi(シャオミ)は、先月7月の末頃に行われた新製品発表会で「Mi Notebook Air」を発表しました。今までスマホやタブレットなどのモバイル製品、イヤホン、アクションカメラなどの開発をしてきたXiaomiですが、Mi Notebook Airは記念すべきノートパソコン第一号となりました。12.5インチと13.3インチの2機種をラインナップしていて、Intel Skylake世代の最新プロセッサーを搭載しています。

AppleのMacBookシリーズを意識させるような名前とスペック、製品として競合要素も多いです。Xiaomiも対MacBookの戦に臨む構えで、開発していることでしょう。

今回はMi Notebook AirとMacBookシリーズ、両者を性能価格の面から徹底比較してみようと思います。

Mi Notebook Air 12.5インチモデルのスペック

OSWindows 10 Home
プロセッサーIntel Core m3-6Y30(Skylake世代) 0.9GHz 2コア/4スレッド
ストレージ128GB SSD
メモリ4GB LPDDR3 1866MHz
ディスプレイ12.5インチ 1,920 x 1,080ピクセル
グラフィックチップIntel HD Graphics 515
光学ドライブなし
バッテリー駆動時間公称11.5時間駆動、バッテリー容量は不明
接続端子USB-C、USB 3.0、HDMI、ヘッドホン端子
サイズ292 x 12.9 x 202mm
本体重量1.07kg

GearBest – Mi NoteBook Air 12.5インチモデル

Mi Notebook Air 13.3インチモデルのスペック

OSWindows 10 Home
プロセッサーIntel Core i5-6200U(Skylake世代) 2.3GHz 2コア/4スレッド
ストレージ256GB PCIe × 4 NVMe SSD
メモリ8GB DDR4 2133MHz
ディスプレイ13.3インチ 1,920 x 1,080ピクセル
グラフィックチップNVIDIA GeForce 940MX
光学ドライブなし
バッテリー駆動時間公称9.5時間駆動、バッテリー容量は不明
接続端子USB-C、USB 3.0 x2、HDMI、ヘッドホン端子
サイズ309.6 x 14.8 x 202mm
本体重量1.28kg

GearBest – Mi NoteBook Air 13.3インチモデル

Xiaomi Mi Notebook AirとApple MacBookシリーズを徹底比較

XiaomiのMi Notebook AirとAppleのMacBookシリーズ(12インチ、Air、Pro)を、以下の7つの観点から比較してみます。比較対象とするMacBookは、どれも標準の最小構成のものです。

また、WindowsとMacでは当然OSが違います。よって、スペックの数値と実際の使い心地が必ずしも合致するとは限りませんので、その点だけご注意ください。

  1. プロセッサー性能
  2. メモリ容量
  3. ストレージ容量
  4. ディスプレイとグラフィック性能
  5. 拡張性
  6. モバイル性
  7. 販売価格

プロセッサー性能の比較

Mi Notebook Airに採用されてるプロセッサーの型番は、12.5インチモデルがIntel Core m3-6Y3013.3インチモデルがIntel Core i5-6200Uで、どちらもIntelの第6世代(コードネーム:Skylake)の2コア4スレッドCPUです。両者とも性能よりかは省電力性を重視しているため、モバイル向けプロセッサーに分類されます。

Mi Notebook Air 12.5インチとMacBookの搭載CPUは同じ

Mi Notebook Air 12.5インチに採用されたm3-6Y30、実はファンレスのMacBook 2016年モデルと全く同じものを搭載しています。両者とも消費電力の極めて少ないCPUを採用することで、発熱を抑えてバッテリー持ちを追求しています。

Mi Notebook Air 13.3インチの性能はProとAirの真ん中

13.3インチのCPUには、他社製品にも搭載されている事が多いCore i5-6200Uを採用、ラップトップ向けのCPUとしてはミドルクラスの性能です。

MacBook AirのCore i5-5250Uと、MacBook Pro 13インチのCore i5-6200Uの真ん中程度の性能となり、Pro > Mi Notebook Air > Airといった感じです。

CPUのベンチマークをcpubenchmark.net様より引用、Mi Notebook AirとMacBookシリーズのCPUベンチマークの比較表を作ってみました。

MacBook XIaomi Mi Notebook AIr CPU性能 比較

メモリ容量の比較

Mi Notebook Airのメモリはカスタム不可

Mi Notebook Airの搭載メモリは、12.5インチモデルが4GB、13.3インチモデルが8GBです。今のところ、購入時のカスタマイズは出来ず、オンボード仕様のためユーザーによる入手後のカスタムも出来ません。

メモリに関しては、MacBookシリーズにちょっとだけ軍配が上がるかもしれません。その理由は、すべての現行MacBookシリーズの標準構成がメモリ8GBであること、MacBook ProではAppleストアにて最大で16GBにアップグレード出来ることです。

Mac OSのメモリバカ食い問題

最近のmacOSはメモリの消費量が多くなっています。Mac OS X 10.11 El CapitanとWindows 10、どちらも現行の最新OSですが、圧倒的にMacの方がメモリを食います。

今年の4月、MacBook Airの標準搭載メモリが8GBにマイナーチェンジされ、Mac miniを除くモデルは8GB以上のメモリを搭載しています。Mac OSを快適に動作させるためには8GB以上のメモリが必要との事でしょう。

13インチMacBook Air、価格据置きでRAMが標準8GBにアップグレード。Retinaディスプレイは不採用 – Engadget Japanese

それに比べ、Windows 10のメモリ消費量は少ないです。ネットブラウジングや文書作成などの軽い作業であれば4GBのメモリでも十分です。高度な動画編集でもしない限り大容量のメモリは必要ありませんし、モバイル性重視のノートパソコンでするべき作業とも思えません。

メモリ4GBを搭載したMi Notebook Air 12.5インチモデルでも、ライトユーザー層には十分受け入れられる製品と言えるでしょう。ましてや、8GBの13.3インチモデルであれば、メモリ不足で悩むことはほぼ考えられません。

ストレージ容量の比較

Mi Notebook Air 13.3インチはデュアルSSD、ユーザー自身でのアップグレードも可能か

公式ページにてMi Notebook Airの内部基盤画像が公開されていますが、デュアルSSDであることが分かります。PCIeスロットが2つ用意されていて、購入時は片方のスロットにSSDが装着されている状態のようです。

XIaomi Mi Notebook AIr SSD

今のところXiaomiオンラインストアの販売ページを見ても、購入時のSSDカスタマイズ等のオプションが見当たりません。おそらく、下のような汎用品でのストレージ拡張が可能なものと思われます。

Samsung SSD 256GB 950 PRO M.2ベーシックキット

13.3インチモデルであれば、MacBook Pro並のストレージ容量も実現可能

デュアルSSD構成の13.3インチモデルであれば、MacBook Pro並のストレージ容量を手に入れることも可能です。

Apple製品の場合、購入時のオプション以外でのユーザー自身でのSSDアップグレードは困難です。オプションの価格があまり割に合うものではなく、仕方なく割高な純正品を搭載するしかありません。また、独自規格を取り入れる傾向が非常に強く、専用SSDの生産数は少ないため高価です。

公式で発表はしていませんが、Mi Notebook Airの13.3インチモデルに採用されたSSDは、M.2タイプのものと思われます。M.2のSSDであれば、比較的手軽に購入出来ますし、他の用途で使い回しも出来るでしょう。

ディスプレイとグラフィック性能の比較

ディスプレイ画質はMacのRetinaディスプレイが圧勝

ディスプレイの解像度を比べると、Mi Notebook Airは少々残念に感じます。

12.5インチ、13.3インチ両方とも1,920 x 1,080のフルHD画質です。MacBook Airには勝るものの、MacBookとMacBook Proに搭載されているRetinaディスプレイと比較すると、ドットの粗さが目立ってしまいます。

ディスプレイ解像度の高い順に並べると…

  1. MacBook Pro 15インチ(Retina):2,800 x 1,800ピクセル 220ppi
  2. MacBook Pro 13インチ(Retina):2,560 x 1,600ピクセル 227ppi
  3. MacBook(Retina):2,304 x 1,440ピクセル 226ppi
  4. Mi Notebook Air 13.3インチ:1,920 x 1,080ピクセル 166ppi
  5. Mi Notebook Air 12.5インチ:1,920 x 1,080ピクセル 176ppi
  6. MacBook Air 13インチ:1,440 x 900ピクセル 127ppi
  7. MacBook Air 11インチ:1,366 x 768ピクセル 135ppi

となり、1インチあたりのピクセル数を表すppi(ピクセルパーインチ)の数値を見てみると、Retina搭載のMacとの差は開いてしまっています。

xiaomi-mi-notebook-air-fight-macbook-display

13.3インチモデルでは、独立GPUとしてGeForce 940MXを搭載

両機種の仕様を見ても分かるように、13.3インチは上位モデルとして12.5インチとの差別化を図っているようで、その差はグラフィック性能にも現れています。

13.3インチモデルのみ、独立したグラフィックチップとして「NVIDIA GeForce 940MX」を搭載、ミドルクラスのGPUではあるものの外部モニターへの出力時には力を発揮しそうです。

MacBookシリーズで唯一独立GPUが搭載されている機種は、MacBook Pro 15インチモデル、それもアップグレードされた上位機種のみです。

拡張性の比較

薄型化も大事だが、拡張性を忘れてはいけない

今人気を博している薄型ラップトップ、モバイル性に優れる一方で拡張性は貧弱になりがちです。実用性を求めて、がさばる拡張ハブを繋いでしまっては、もはや薄型の意味をなしません。無線デバイスが普及してきたとはいえ、まだまだ接続ポートは必須の時代です。

最近の実例では、12インチのMacBookが挙げられます。MacBookの拡張ポートは、イヤホンジャックとUSB-Cがそれぞれ1つずつ。ブロガーやライトユーザー層にとって、さほど不便な仕様ではありませんが、ビジネス用途で使うにはオススメできません。

Mi Notebook Airは、薄型でありながら拡張性も確保

Mi Notebook Airの厚みは12.5インチモデルが12.9mm、13.3インチモデルが14.8mmと、他社の同等サイズの機種とも十分健闘しています。それに加え、拡張端子は充実しており、十分実用的に使える機種といえるでしょう。

12.5インチモデルの拡張端子

USB-C x1、USB 3.0 x1、HDMI x1、ヘッドホン端子 x1

13.3インチモデルの拡張端子

USB-C x1、USB 3.0 x2、HDMI x1、ヘッドホン端子 x1

xiaomi-mi-notebook-air-fight-macbook-12-5inch-port

xiaomi-mi-notebook-air-fight-macbook-13-3inch-port-2

SDカードスロットが無い事は残念

MacBook ProとMacBook Air 13インチモデルには、SDカードスロットが備わっています。カメラで撮影した写真を取り込む時や、手軽に本体のストレージを拡張したい時に役立ちます。

しかし、Mi Notebook AirにSDカードスロットはありませんので、もし必要な場合はUSBとSDカードの変換アダプタが必要になります。この点は個人的には残念に思います。

モバイル性の比較

持ち運べるということがノートパソコンの存在理由で、モバイル性こそが1番重要な要素だと思うのです。Mi Notebook Airは両モデルともかなり軽量設計です。12.5インチモデルは1.07kg13.3インチモデルは1.28kg、持ち運びにストレスを感じることは無さそうです。

なにせ筆者のMacBook Pro 15インチは2kgですので、その半分程度の重量に収まっています。

モバイル性に関してはMacBook Airと同等

Mi Notebook Airの本体重量を画面インチ換算すると、ちょうどMacBook Airと同じくらいです。12インチMacBookの重量920gには流石に敵いませんが、MacBook Proと比べると軽量です。

本体重量の軽い順に並べると…

  • MacBook Pro 15インチ:2.04kg
  • MacBook Pro 13インチ:1.58kg
  • MacBook Air 13インチ:1.35kg
  • Mi Notebook Air 13.3インチ:1.28kg
  • MacBook Air 11インチ:1.08kg
  • Mi Notebook Air 12.5インチ:1.07kg
  • MacBook:0.92kg

販売価格の比較

販売価格に関してはMacBookシリーズより、Mi Notebook Airの方が圧倒的に安価です。コストパフォマンスも極めて高く、この製品の1番の魅力は価格設定にあると言っても良いでしょう。

12.5インチモデルが3,499人民元(約53,000円)、13.3インチモデルは4,999人民元(約76,000円)です。先月、中国に本社を置くHuaweiが「MateBook」を発売、低価格っぷりが話題になっていましたが、さらに安い価格設定です。

MacBook/Air/Proの最安モデルを、Appleオンラインストアで買うと以下の通りになります。

  • MacBook Pro 13インチ:148,800円
  • MacBook Air 13インチ:112,800円
  • MacBook Air 11インチ:102,800円
  • MacBook:148,800円

Apple MacBook Pro Retina Display 13.3インチ MF839J/A

Apple MacBook Intel CoreM 1.1GHz MK4M2J/A

MacBookシリーズの2分の1から3分の1程度の値段で、同等スペックのノートパソコンが買えるということは、OSが違えど十分魅力的であります。スマホではMiシリーズやRedmiシリーズなど、低価格で高いパフォーマンスを実現した製品でスマホ市場に殴りこみをかけたXiaomi、今後はパソコン分野での活躍も期待できそうです。

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