レビュー

Xiaomi Mi MIX 2S実機レビュー SDM845や2眼カメラの実力は如何ほど?

  • 2018-06-07
  • 2018-08-19
9/10
  • 美しいセラミックボディ
  • Android最高峰の性能が5~6万円で手に入る
  • 飛躍的に進化したデュアルカメラ
  • グローバル版はGoogleサービスも日本語ロケールも標準装備
  • 幅広い対応バンドで、日本でも(技術的には)問題なく通信できる
  • スピーカーの音質がイマイチ

Xiaomiが二ヶ月ほど前リリースしたベゼルレススマホ「Mi MIX 2S」を、通販サイトGearBest.com様よりレビュー用としてご提供頂いたので、おおまかではありますが初回レビューを執り行います。

外観は旧作と殆ど変わりありませんが、ハイエンドなSDM845チップ、念願の光学手ブレ補正対応デュアルカメラ、ワイヤレス充電などなど、新要素がギッシリ詰まった一台です。グローバル版なら対応バンドも豊富で、技適問題さえ目を瞑れば日本国内でも極めて快適に通信できますよ。

Xiaomi Mi MIX 2S グローバルモデル

今回レビュー用として「Xiaomi Mi MIX 2S」の実機をGearBest様より提供頂いたため、タイアップ記事となっています。決してステルスマーケティングではありませんし、中立なレビューをお約束致します。

パッケージと同梱物

では早速開封の様子からお届け。

真っ黒なパッケージで、天面には金色に光り輝くMiロゴが!開封前から気分を高めてくれます。輸送中の衝撃を受けてか、端が少し凹んでしまったのは残念…。

Xiaomi Mi MIX 2S パッケージ

箱を開けると、同社のCEO雷軍(Lei Jun / レイ・ジュン)氏のサインとメッセージカードが。

Xiaomi Mi MIX 2S パッケージ

本体は台紙にガッチリ保護されていました。外装が傷んでいたので心配しましたが、中身の梱包状態は完璧。

Xiaomi Mi MIX 2S 梱包状態

Mi MIX 2S本体と背面保護ケース、USB充電器、USB-A to USB-Cケーブル、USB-Cをイヤホンジャックへ変えるアダプタ、SIMスロット取り出しピン、そして簡単な説明書きが入っていました。

今回提供頂いたのはグローバル版のため、USB充電器は欧州仕様(Cタイププラグ)でした。日本のコンセントには直に挿せず、変換器を噛ませねばならないので、Ankerの充電器をポチったほうが早いですね。

Xiaomi Mi MIX 2S 同梱物

Mi MIX 2SはQuickCharge 3.0による急速充電をサポートしており、付属の充電器も同規格に対応しています。最大出力は18W。

Xiaomi Mi MIX 2S 充電器

背面ケースを装着してみた様子↓ おまけとは思えないほど良質で、カメラの段差を無くしてくれるのもグッド。ただ、旧作MIX 2のケースよりもゴムっぽさが失われていて、油断していると手から滑り落ちそうな肌触りです。

Xiaomi Mi MIX 2S ケース

美しいボディ

縦長ディスプレイとノッチの無い3辺狭額縁

Mi MIXシリーズは、M字ハゲなんて度々揶揄されるノッチ(iPhone Xスタイル)を設けること無く、直線的な3辺ベゼルレスデザインを貫き通しており、3代目となるMIX 2Sも同じです。

Xiaomi Mi MIX 2S ベゼルレスデザイン

リリース前は「画面右上にノッチを設けてカメラを埋め込むかも?」なんて噂されましたが、結局Mi MIX 2(2代目)と変わらぬ顔つきに仕上がっています。

Xiaomi Mi MIX 2SとMi MIX 2

ディスプレイは一般的なフルHD(16:9)よりも縦に長い2,160 x 1,080ピクセルで、縦横比は18:9(2:1)。対角6インチ(正確には5.99インチ)でスマホとしては大画面な部類ですが、ベゼルが狭まっているお蔭でボディそのものは5.5インチ級スマホ(MiA1やiPhone 8 Plusなど)と同等のサイズ感に収めています。

ノッチレスな狭額縁スタイルを実現するにあたって、受話口は極限まで小型化されており、前面上部にある小さな溝がそれ。こんなに小さくても十分な音量を確保していて、底面のスピーカーと合わさってステレオスピーカーとしても機能する優れもの。肝心の音質は至って平凡かそれ以下で、iPhone Xのほうが開放的な音を鳴らしてくれる印象です。(筆者個人の感想)

Xiaomi Mi MIX 2S 画面上部の受話口

ディスプレイユニットはジャパンディスプレイ(JDI)の「フルアクティブ」を採用しており、これもまたMi MIX 2Sのベゼルレス化に大きく寄与しています。有機ELではないものの、1500:1の高いコントラスト比でDCI-P3色域に規格しており、発色は良好。

色温度はiPhone Xよりも若干暖色寄りで、この辺は好み分かれるところかと思いますが、もし気に入らなければ設定からコントラストや色を微調整すればOK。

Xiaomi Mi MIX 2S ディスプレイカラー

セラミック + メタルフレームの美しいボディ

背面はMi MIX 2同様セラミック製で、ガラスとはまた一味違う無機質な光沢感が持ち味。下の写真を見て頂ければ分かるとおり、周囲の景色がモロに映り込みます。長時間手に持っていると、どうしても指紋で汚れてしまいますが、それを覚悟してでもケースを付けず使いたくなる美しさです。

Xiaomi Mi MIX 2S セラミックボディ

前作では特別モデルとしてラインナップされていたホワイトセラミックモデルですが、2Sではブラックと同列のため、同価格でどちらか好きなほうを選べるようになりました。黒版は宝飾感あふれる一方で指紋は目立ちやすく、あっさりとした白版のほうが汚れにくいはず。筆者は断然黒が好きですね。

MIX 2とiPhone Xの間の子的な見た目です↓ サイズ感はXを一回り大きくしたような感じ。

Mi MIX 2とMi MIX 2SとiPhone X

下がMIX 2で、上がMIX 2S↓ カメラとフラッシュは移動したものの、指紋認証センサーはそのまま。

Xiaomi Mi MIX 2とMi MIX 2Sのカメラ周りの比較

接続端子・ボタン類

底面には充電とデータ転送を兼ねるUSB Type-Cポートが備わっており、その右側にはスピーカー、左側には小さなマイクの穴があります。また、写真だと分かりづらいかもしれませんが、前面右下には自撮りカメラが設けられています。この辺の設計は従来と何ら変わらず。

Xiaomi Mi MIX 2S 底面

ボタン配置も変わらず、音量調節ボタンと電源ボタンは本体右側面に集約されています。

Xiaomi Mi MIX 2S 物理ボタン

Snapdragon 845の実力は?

Mi MIX 2SはXiaomi初となるSnapdragon 845チップ搭載機。SDM845はQualcomm製モバイル向けチップの最高峰で、現存のAndroidチップでコイツ右に出るものは居ません。Galaxy S9やXperia XZ2、HTC U12+といった名だたるフラッグシップ機と同等性能を5~6万円に収めた、それだけでも大いに評価に値します。

旧型Mi MIX 2に載っている「Snapdragon 835」とスペックを比べてみると、こんな感じ↓

SDM835 SDM845
プロセスルール 10nm LPE 10nm LPP
CPUコア数 8コア(4 + 4)
big側 2.45GHz(A73) 2.8GHz(A75)
LITTLE側 1.9GHz(A53) 1.8GHz(A55)
GPU Adreno 540 Adreno 630

では毎回お馴染みのベンチマークテストを。実施したのはAntutu v7(最新バージョン)、Antutu v6(旧バージョン)、Geekbench 4の3種で、結果は下の画像のとおり↓

Xiaomi Mi MIX 2S ベンチマーク

他のスマホとAntutu v7スコアを比較↓

  • CPUスコア
  • GPUスコア
  • UXスコア
  • MEMスコア
  • Xiaomi Mi MIX 2S (6GB RAM)Snapdragon 845
    270138
  • OnePlus 5T (8GB RAM)Snapdragon 835
    214590
  • Xiaomi Mi MIX 2 (6GB RAM)Snapdragon 835
    207256
  • Huawei P20 ProHiSilicon Kirin 970
    206033
  • Apple iPhone XApple A11 Bionic
    202949
  • Huawei Mate 9HiSilicon Kirin 960
    156852
  • Elephone U ProSnapdragon 660
    141339
  • Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 625
    76427

Snapdragon 845は835よりも発熱が増しているとの情報が散見されたので、3Dのリズムゲーム「ミリシタ」3D高画質モード(最も高負荷)で3回MVを再生してみて、その直後のCPU温度を「Cpu Monitor」というアプリで測ってみました。下画像左から、SDM845搭載Mi MIX 2S、SDM835搭載のMi MIX 2、そして同じく835搭載のOnePlus 5T↓

SDM835搭載のMIX 2とOnePlus 5Tは36℃と発熱控えめなのに対し、SDM845搭載のMIX 2Sは2機種よりも10℃高い46℃を記録。835よりも発熱が増したという話は、どうやら本当のようです。

とはいえ、端末背面を触り比べてみなければ分からない程の違いなので、ゲームプレイにおいてネックとなることは考えづらいかなと思います。30分ほど負荷が掛かり続ける「PUBG Mobile」も試してみましたが、終盤に差し掛かってもフレーム落ち等なく極めて安定していました。

【2018年6月19日】Mi MIX 2Sの性能やゲーミング性、バッテリー駆動時間や充電時間などなど、パフォーマンス面に特化したレビュー記事「Mi MIX 2Sの性能レビュー:ゲーミング/発熱/電池持ち/充電時間など」を新たに書き起こしました。

QC3.0急速充電とQiワイヤレス充電時間の二刀流

SDM845はQualcommの急速充電規格「QuickCharge 4.0+」をサポートするものの、Mi MIX 2S本体側が受け付けないようで、QC3.0止まりとなっています。1時間半あればフル充電できてしまうので、全く不満は感じていませんが。

加え、Xiaomiスマホとしては初となるワイヤレス充電にも対応しており、Qi規格の充電器を用意すれば置くだけ充電が可能。

Xiaomi Mi MIX 2S Qiワイヤレス充電

最大10W出力のQi充電器とUSBワットチェッカーを繋ぎ、充電中の消費電力を調べてみたところ、Xiaomiの規定どおり最大7.5W(5V 1.5A)出力を確認できました。その状態では、約3時間でフルチャージされたので、急速充電のちょうど倍掛かる計算になりますね。

MIX 2S最大の進化はずばり「カメラ」だ!

MIX初のデュアルカメラ

エントリー機からハイエンド機にまで搭載され、今やすっかりスマホの標準装備と化してしまった「デュアルレンズカメラ」。Mi MIX 2Sも遂にMIXシリーズ初となるデュアルカメラを搭載。

Mi6やMi8同様、メインカメラ + 望遠カメラの組み合わせで、標準画角↔光学2倍望遠のステップズームが可能。メインカメラにおいては、ZenFone 5Zと同じソニーIMX363センサーを採用することで、全ての画素において位相差フォーカスが働く「デュアルピクセルAF」に対応したほか、1.4μmという大きな画素のおかげで受光量をアップさせています。簡単にいえば、暗所にも望遠にも強くなったということ。

また、Huaweiのカメラスマホみたく、AIによるシーン認識も実装。カメラアプリの「AI」アイコンをタップするとAIが起動し、被写体が何なのかをリアルタイムで把握して、印象的な写真へ仕上げるためのチューニングが施されます。“晴天”と“曇り空”と“海”、同じ青系統でもそれぞれ正しく認識してくれました。

Xiaomi Mi MIX 2S AIカメラ

Mi MIX 2S vs MIX 2 撮り比べてみた

2眼化、センサーの一新、AIの実装などなど…諸々の改善によって、旧型MIX 2の弱点を見事克服。Xiaomiスマホとしてはこれまでにないほど綺麗な写真が撮れます。

百聞は一見に如かずという訳で、見比べていただきましょう。左側が2Sに対し右側が2で、2Sは常にAIモードオンで、両機種ともオートモードで撮影しています↓ (それぞれの画像をクリックすると原寸大表示できますが、データ量が大きいため、携帯回線で閲覧される際はご注意ください。)

2倍ズーム

2倍の光学ステップズームもお試し。メインレンズF/1.8からサブレンズF/2.4へ切り替わるため、全体的に暗くなってしまいますが、悪くない出来です。

背景をぼかす「ポートレートモード」

デュアルカメラの醍醐味である背景ぼかし撮影も有り。「ポートレート」ということで、基本的には人物等の輪郭のくっきりした被写体に向いていますが、アングル次第では植物もくっきり際立ちます。



グローバル版なら日本語化完璧!Googleサービスもプリイン

MiA1除く全てのXiaomiのスマホには、AndroidベースのMIUIというカスタムOSが導入されており、同社独自の機能やUIが実装されています。

中国国内のネット事情にあわせて、Googleサービスを抜いたAndroid。それが当初のMIUIでしたが、最近はデバイスのグローバル展開にも力を入れており、中国国外へ出荷するモデルに関してはグローバル版のMIUIが入っています。

今回提供頂いた実機はグローバル版で、バージョンはAndroid 8.0 OreoベースのMIUI Global 9.5.4.0でした。Googleサービスはもちろんのこと、日本語ロケールも標準装備されていて、以前よりも自然な翻訳がなされていてびっくり。初期セットアップの段階で「日本語」を選ぶだけで、国内SIMフリースマホ同然の感覚で使えてしまいました。

技適マークは無いが、UQmobileでのVoLTE接続に成功

Mi MIX 2Sは日本未発売の中華スマホですので、「技適マーク」が付いておらず、ソフトウェア上での表示も出来ません。つまり、これを日本国内で使うと漏れなく電波法に違反することになりますので、購入および使用は100%自己責任のもとでお願いします。(一応断っておくのがルールなので…)

技術的には、国内でも何ら問題なく通信できます。中国版では64GB・128GBの標準版と256GBの尊享版で対応周波数帯が異なっていて、標準版は一部しかカバーしていませんでしたが、グローバル版の場合は容量問わず尊享版と同じバンド構成となっています。

  • GSM:850MHz, 900MHz, 1,800MHz, 1,900MHz
  • CDMA1X, EVDO:BC0, BC1, BC6, BC10
  • WCDMA:B1, B2, B3, B4, B5, B6, B8, B9, B19
  • TD-SCDMA:B34, B39
  • FDD-LTE:B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B12, B13, B17, B18, B19, B20, B25, B26, B27, B28, B29, B30
  • TD-LTE:B34, B38, B39, B40, B41

ドコモは、W-CDMA B6(FOMAプラスエリア)と、プラチナバンドのB19とB28をカバー。auはLTE B18とB26とB28をカバーするうえ、UQのB41にも対応。ソフトバンクのB8にも対応しています。技適問題はさておいて、技術的には3キャリアどこでも不自由無く通信できます。

筆者は、回線速度に定評のある「UQmobile」のVoLTE SIMで運用することにしました。がしかし、肝となる「VoLTE有効」が設定画面に現れない!

ググってみたところ、VoLTE β機能を使うことで解決するとの情報を得まして、無事開通しました。方法は至って簡単で、電話アプリを起動して「*#*#86583#*#*」と打ち込めば、「Volte carrir check was disabled.」のメッセージと共にVoLTEが有効になります。通信も通話も問題ありません。

そして安定の爆速っぷり↓

Xiaomi Mi MIX 2SをUQmobileで運用

Xiaomi Mi MIX 2Sの仕様表

最後に、Mi MIX 2Sの主な仕様をまとめておきます。

OSAndroid 8.0 / MIUI 9
プロセッサーQualcomm Snapdragon 845
ストレージ標準版:64GB、128GB、尊享版:256GB
メモリ標準版:6GB、尊享版:8GB
ディスプレイ5.99インチIPSディスプレイ 2,160 x 1,080ピクセル アスペクト比18:9 ピクセル密度403ppi
内側カメラ500万画素
外側カメラメインカメラ:1,200万画素 f/1.8 光学式手ぶれ補正対応
サブカメラ:1,200万画素 f/2.4
バッテリー容量3,400mAh QuickCharge 3.0とQiワイヤレス充電に対応
拡張USB Type-C x1
SDカード非対応
センサーGPS、電子コンパス、加速度、環境光、超音波による近接センサー、ジャイロ、ホール、気圧、指紋、NFC
SIMカードNano-SIM x2
幅 x 厚さ x 高さ74.9 x 8.1 x 150.86mm
本体重量189g
カラーブラック、ホワイト

GearBestにて販売中

Xiaomi Mi MIX 2Sは、深センの通販サイトGearBest.comにて販売中で、いま最も在庫が豊富なのは今回紹介した128GBのブラックモデル。価格は549.99ドルですが、随時クーポンが配布されているので、ご購入される前は当ブログのクーポン検索ページを要チェック!

利用にあたっては多少の英語力を要すものの、中学レベルの英語さえ怪しい筆者でも幾度となくお買い物できていますから、構える必要なんてありません。初めての方は、GearBestの利用ガイドPayPal口座の作り方などの別記事も併せてチェックして頂ければと思います。

Xiaomi Mi MIX 2S グローバルモデル

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