Xiaomi Black Shark実機レビュー:ゲームパッドと液冷の威力を実感
- 2018-09-27
- 2018-09-28
前々から気になっていたゲーミングスマートフォン“黒鮫”こと「Black Shark」。
ガジェット通販サイトGearBest.com様よりレビュー用として端末をご提供頂き、かれこれ2週間近くゲーム機として使ってみたので、ゲームの動作検証や各種ベンチマーク結果など交えた詳しいレビューをお届けします。
Xiaomi Black Shark Global Version
- 64GB版
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- 128GB版
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今回レビュー用として「Black Shark」の実機をGearBest様より提供頂いたため、タイアップ記事となっています。決してステルスマーケティングではありませんし、中立なレビューをお約束致します。
目次
そもそも「Black Shark」って何者!?
「Black Shark」という名前は聞いたことあるけど、コレは一体なんなのか?並のスマホと何が違うのか?よくご存知でない方も居られるでしょう。詳しいレビューへ入る前に、本機の特徴を紹介させてください。
ひとことで説明すると、ずばり「ゲームに特化したスマートフォン」です。
まずなによりも性能と安定性を極めていて、Androidスマホにおいて現状トップの処理性能を誇るSnapdragon 845チップを搭載し、そこから発せられる熱を効率よく逃がすための液冷ユニットが埋め込まれています。
ソフトウェアもゲームに適した作りで、ゲーム特化モード「SHARK SPACE」をオンにすると、余計な通知を防いでバックグラウンドのタスクを最適化してくれます。
そして最大の目玉は、Bluetooth接続の専用コントローラー。TPS・FPSゲームをジョイスティックと2つの物理ボタンで操作できるようになり、2本指スタイルとは比べ物にならぬほど操作性があがるので、自ずと勝率もあがるはず。それこそ、PUBG Mobileにはもってこいのアイテムですね。
そうそう、本記事のタイトルではわかりやすさ考慮して「Xiaomi Black Shark」と表記しているものの、厳密にいえばピュアなXiaomi製スマホではなく、Xiaomi傘下の黒鲨科技(Black Shark Technology)が開発元になります。とはいえ、ハード的にもソフト的にもXiaomiクオリティを保っているので、同社のスマホに慣れている方にとっては手を出しやすい端末でしょう。
パッケージング・同梱物について
では早速開封の儀!パッケージからして、いかにもゲーミングスマホ。Sharkの「S」ロゴが描かれています。
四方八方フィルムに包まれた本体のお出まし。
付属品を並べてみました↓ USB充電器とType-Cケーブルのほかにも、USB-C端子をイヤホンジャックへ変換するアダプタ、保護フレームと専用のBluetoothコントローラー、保護フィルム、SIMスロットの排出ピンなどなど、盛りだくさんです。
今回提供頂いたグローバルモデルには、欧州向けの充電器が付いてきました。プラグの形状を見れば一目瞭然、日本のコンセントにはささらないため、アダプタが必要です。
Qualcommの急速充電テクノロジー「QuickCharge 3.0」に対応していて、5V / 2.5Aまたは9V / 2Aまたは12V / 1.5Aで出力されます。
外観チェック
肝心の本体を見ていきましょう。
まずは前面。Mi MIX 2Sと同じ対角5.99インチ・縦2,160 x 横1,080ピクセルの液晶ディスプレイが搭載されていて、5.5インチ・フルHDのiPhone 8 Plusの画面を縦に広げたようなサイズ感。
画面の下にはホームボタン兼ねた指紋認証センサーがあり、その両脇にはAndroidおなじみの「戻る」と「タスク」のタッチボタンが埋め込まれています。上部にはセルフィーカメラと受話口があり、ディスプレイはノッチのない長方形。今どきのベゼルレスデザインをまるきり無視して、オーソドックスなパーツ配置を貫いていますね。
一方、背面の作りはかなり特徴的です。無骨なメタリックブラックとグリーンの配色がゲーミング感を強調していて、見た目からして強そう…。オンラインゲームをより安定してプレイできるよう、内部にはX状の大きなアンテナが設けられています。
画面側からみて右側面には、電源ボタンと音量調節ボタンが。本家Xiaomiスマホと全く同じ配置です。
反対側の左側面には、本機種を語る上で欠かせない「SHARKスイッチ」が設けられていて、スイッチひとつでゲームモード「SHARK SPACE」が立ち上がるのです。隣にはNano-SIM x2カードスロットが隠れてます。
おまけとして付いてくる保護フレーム、実はかなり重要なパーツで、コントローラーをドッキングさせるためには、まずこいつをBlack Shark本体にはめ込む必要があります。これが無いとブカブカで使い物にならないため、フレーム装着した状態が基本形。
コントローラーを取り付けてみました↓
操作子はジョイスティック1つとボタン2つ。アプリごとタップ位置を調節できます。
スマホ同様、コントローラーもUSB-C端子で充電します。別々に充電しなければならないのがネックですが、コントローラー側は数日に1回充電する程度なので、苦にはなりません。
フレームを付けていないスマホ本体は約199gで、フレームとコントローラー装着時は約248gでした。もはやスマホではなくゲーム機ですから、妥当な重量でしょう。

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パフォーマンス・ベンチマーク結果
ゲーミングスマホ謳う上で欠かせないのが処理性能。いくら操作系統やディスプレイが優れていても、処理性能が低くては話になりません。
その点Black Sharkは死角なし。現行のAndroidスマホでは最高スペックを誇るチップ「Snapdragon 845」を搭載するうえ、6GBまたは8GBの大容量メモリに超高速なUFS 2.1ストレージを搭載していて、ハイエンド以外の何ものでもありません。
ただし、iPhone XSとXS Maxには及びません。7nmプロセスを採用したA12 Bionicチップはかつてないほど強力で、残念ながらベンチマークでも実際のレスポンスでも完敗です。
Antutu Benchmark v7 (総合ベンチマーク)
スマホ向けベンチマークとしては最もポピュラーな「Antutu Benchmark v7」を走らせてみました。ばらつき具合をみるため3回連続でテストしたところ、1回目は29万点ちょうどをマーク、以降も28万点後半というハイスコアで、当ブログで扱ってきたAndroidスマホとしては最高の結果です。
しかし、その遥か上をゆくのがiPhone XS Max。Android機が未だかつて達していない30万点超えを果たし、Black Sharkよりも6万点以上高い35万点半ばを叩き出しています。
- CPUスコア
- GPUスコア
- UXスコア
- MEMスコア
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Apple iPhone XS MaxApple A12 Bionic356332
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Xiaomi Black SharkSnapdragon 845290000
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OnePlus 6 (8GB RAM)Snapdragon 845289018
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Samsung Galaxy Note9Snapdragon 845284811
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Xiaomi Mi MIX 2S (6GB RAM)Snapdragon 845270138
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Samsung Galaxy Note9Samsung Exynos 9810240622
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Xiaomi Mi MIX 2 (6GB RAM)Snapdragon 835207256
-
Huawei P20 ProHiSilicon Kirin 970206033
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Apple iPhone XApple A11 Bionic202949
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Elephone U ProSnapdragon 660141339
-
Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 65988782
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Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 62576427
Geekbench 4 (CPU能力)
次に、CPUの処理能力を測る「Geekbench 4」。なぜか一般的なSDM845搭載機よりも1,000~2,000点劣るマルチコアスコアで、シングルコアが2,400点ちょい、シングルコアは約7,200点となりました。
- マルチコアスコア
- シングルコアスコア
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Apple iPhone XS MaxApple A12 Bionic11316 4815
-
Apple iPhone XApple A11 Bionic10167 4193
-
OnePlus 6 (8GB RAM)Snapdragon 8459090 2476
-
Xiaomi Mi MIX 2SSnapdragon 8458894 2425
-
Samsung Galaxy Note9Samsung Exynos 98108814 3657
-
Samsung Galaxy Note9Snapdragon 8458714 2428
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OPPO Find XSnapdragon 8457968 2292
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Xiaomi Black SharkSnapdragon 8457203 2430
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Huawei P20 ProHiSilicon Kirin 9706781 1891
-
Xiaomi Mi MIX 2Snapdragon 8356674 1938
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Apple iPhone 7Apple A10 Fusion5960 3522
-
Elephone U ProSnapdragon 6605831 1630
-
Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 6254282 867
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Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 6593747 940
AndroBench (ストレージ速度)
続いて、「AndroBench」でストレージの転送速度をチェック。シーケンシャル読み込み727MB/s・書き込み197MB/sで、UFS 2.1はやはり爆速です。
PCMark Work 2.0 battery life (電池持ち測定)
パワーだけでなくスタミナも大切。というわけで、「PCMark」のバッテリーテスト「Work 2.0 battery life」を用いて、バッテリー残量が100%から20%に達するまでの所要時間を図ってみました。
結果は8時間30分。
4,000mAhの大容量バッテリー積んでいるわりには消耗が速く、3,000mAh台のMi MIX 2SやOnePlus 6と同等で、4,000mAh積むHuawei P20 Proよりも1時間半短いという結果に。
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Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 625 / 4000mAh12:16
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Xiaomi Mi8Snapdragon 845 / 3400mAh10:12
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Huawei P20 ProHiSilicon Kirin 970 / 4000mAh10:00
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Xiaomi Mi MIX 2SSnapdragon 845 / 3400mAh9:48
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Huawei Mate 9HiSilicon Kirin 960 / 4000mAh9:05
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Xiaomi Mi MIX 2Snapdragon 835 / 3400mAh9:03
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OnePlus 6Snapdragon 845 / 3300mAh8:45
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Xiaomi Black SharkSnapdragon 845 / 4000mAh8:30
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Elephone U ProSnapdragon 660 / 3550mAh8:28
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OPPO Find XSnapdragon 845 / 3730mAh7:39
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Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 659 / 3000mAh6:50
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Vernee ApolloMediaTek Helio X25 / 3180mAh4:21
「JOY UI」とゲームモード「SHARK SPACE」について
今回入手したグローバル版は、最初からGoogle Playストアや日本語ロケールが導入されていました。一応「JOY UI」なるカスタムROMが入っているのですが、グローバル版の場合、見た目も構造も限りなくAOSP ROMに近いつくりとなっています。
独自のゲームモード「SHARK SPACE」に関しては、中国版ROMに備わっているオリジナルがそのまま移植されているため、英語表記(一部は中国語)のまま。
Black Shark本体の左側面にあるSHARKスイッチを入れると、すぐさまSHARK SPACEが起動し、このような↓タイトルの選択画面が現れます。
SHARK SPACEに表示するタイトルは選択可能。
SHARK SPACE起動中にホームボタンをスワイプすることで、独自のコントロールパネルを呼び出せます。
「NoNotif」でアプリの通知を完全に遮断して「NoIncall」で通話の通知を遮断、さらに「NoKeypad」でタッチボタンとホームボタンを封じることで、ゲームプレイを阻害する要素は一切なくなります。CPUとGPUの稼働率がひと目で分かるものありがたい。
コントローラーの各種設定や電池残量のチェックも、SHARK SPACEから行います。
アプリごとコントローラーのタップ位置を調節可能。下の画像はPUBG Mobileで、ジョイコンに移動スティック、LBボタンに射撃ボタン、LTボタンにスコープボタンを割り当ててみました。
各種ゲームの動作検証
では本命の動作検証いってみましょう。
PUBG Mobile:コントローラーと液冷の両方が活きる!
Black Shark手にして真っ先に試したのが「PUBG Mobile」。やはり物理コントローラーの威力は凄まじく、ど下手くそな筆者でも安定して5キル~10キル取れるようになってきて、ドン勝も何度か。
SDM845と液冷システムの相性も抜群。HDR画質 + ウルトラfps + アンチエイリアスという非常に負荷のかかる設定でも、終盤まで目立ったフレーム落ちなく快適に遊べますし、涼しくなってきたこの季節なら端末本体の発熱もさほど気になりません。背面上部がほんのり熱くなりますが、左手は常にコントローラー握っているため、肌に伝わりにくいのです。
実際にプレイしてみた様子↓ 使い始めて間もない頃に撮ったので、スコープボタンがまるで活きていません(笑)
Black Shark、Xiaomi Mi8、OnePlus 6で発熱具合を比べてみました。いずれもPUBGを最高設定でプレイし、CPU温度とバッテリー温度を1分刻みで記録。CPUの発熱は明らかに抑えられていますね↓
デレステ:3Dリッチでも極めて安定。残念ながらARモードには非対応
アイドルたちのライブシーンが醍醐味の「デレステ」でも、SDM845と液冷のパワーを惜しみなく活かせます。最も負荷のかかる「3Dリッチ」で難易度Masterの「Shine!!」をプレイしてみましたが、モーションはヌルヌルでノーツ漏れも全く無く、この上なく快適でした。
当初16:9のみ対応していた3Dライブシーンですが、先日実施されたアップデートにより縦長画面にも対応し、Black Sharkの18:9ディスプレイでもフルスクリーンプレイが可能です。
ミリシタ:13人ライブもヌルヌルサクサク
「ミリシタ」も極めて快適で、圧巻の13人ライブもコマ落ちやノーツ漏れなくヌルヌルサクサクです。
Minecraft
Minecraftもジョイコンがあると捗るゲームの一つ。ジョイコンで方向キーを操作してLBボタン2回押しでダッシュ、LTボタンをインベントリボタンに割り当てています。

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結構よく撮れるデュアルカメラ
ゲーミングスマホで写真撮る人が果たしているのか、はなはだ疑問ではありますが、カメラもチェックしてみました。
背面は1,200万画素広角 + 2,000万画素望遠のデュアルレンズカメラで、1倍↔2倍のステップ光学ズームが可能。両カメラともf/1.75のそこそこ明るいレンズを用いているため、夜間でも思いのほかよく撮れます。ただし光学手ブレ補正は付いていません。
カメラアプリはXiaomi MIUIのものを使い回しているようで、UIも操作方法も全く同じ。AIシーン認識や背景をぼかす「ポートレートモード」も、そのまま引き継がれています。
残念なポイント
ゲーミングスマホなのにイヤホンジャックが無い
「ゲーミングスマホ」と名乗っているのにイヤホンジャックが無いとは、如何なものでしょう。必須装備だと思うのですが…。
Bluetooth使えば良いじゃん?と思いきや、そうは問屋が卸しません。現行のコーデックではどうしても遅延が生まれてしまうため、シビアなタイミングが求められるシューティングには向きませんし、音ゲーなんてもってのほか。
USB-Cを3.5mmジャックへ換えるアダプタを噛ませれば、従来のイヤホンを繋ぐことができますが、それだと充電しながらプレイできなくなります。「今いいところなのにバッテリーがピンチ!」なんてアクシデント、無いとも限りませんよね?
Micro SDカードを挿せないので、ゲームたくさん入れるなら64GBはキツイかも
Micro SDカードもささりません。重量級タイトルをいくつも並行してやり込むヘビーゲーマーにとって、64GBのストレージは物足りないかもしれないので、場合によっては128GBも検討すべきでしょう。
ディスプレイが120Hzではなく60Hz
ライバル機種のRazer Phoneは120Hzのディスプレイを搭載していますが、Black Sharkはごく一般的な60Hzです。そもそもアプリ側が120Hzに対応していなければ意味がありませんし、フレームレートを高めれば高めるほど負荷も増えるため、120Hzがそこまで尊いとは思えませんが。
Black Sharkのスペック表・対応周波数帯
Black Sharkの主なスペックは下の表のとおりです↓
OS | Android 8.0 / JOY UI |
---|---|
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon 845 |
ストレージ | 64GB、128GB |
メモリ | 6GB、8GB |
ディスプレイ | 5.99インチ 2,160 x 1,800ピクセル 液晶ディスプレイ |
内側カメラ | 2,000万画素 f/2.2 |
外側カメラ | メインカメラ:1,200万画素 f/1.75 サブカメラ:2,000万画素 f/1.75 望遠 |
バッテリー容量 | 4,000 mAh QuickCharge 3.0対応 |
拡張 | USB Type-C x1 |
SDカード | 非対応 |
センサー | GPS、加速度、ジャイロ、環境光、近接、電子コンパス、指紋認証センサー |
SIMカード | Nano-SIM x2 |
幅 x 厚さ x 高さ | 75.4 x 9.25 x 161.62mm |
本体重量 | 190g |
カラー | ブラック+グリーン、グレー+グリーン |
対応周波数帯は以下のとおり↓ (中国版とグローバル版共通)
- FDD-LTE:B1, B3, B4, B5, B7, B8, B12
- TDD-LTE:B34, B38, B39, B40, B41
- TD-SCDMA:B34, B39
- WCDMA:B1, B2, B5, B8
- GSM:850MHz, 900MHz, 1800MHz, 1900MHz
- CDMA/EVDO:BC0

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