HelioX25搭載Vernee Apolloの性能チェック。弱点はバッテリーか
- 2017-03-28
- 2017-10-25
Vernee Apollo実機レビューの後編となります。前回の記事にて、本体のデザインや主要な機能などを一通りチェックしまして、あれからしばらく使い込んでみました。Apolloは3万円程度で買える格安なスマートフォンですが、細部に至るまで作り込みがしっかりしていて、安っぽさを一切感じない良質な筐体でした。
今回は各種ベンチマークアプリでの測定や、バッテリーの持ち具合を検証、それらをまとめました。より実用面に迫ったレビューとなっていますので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
なお、前回の記事は「Vernee Apolloレビュー:10コアCPUに2K液晶搭載の超コスパスマホ」となりますので、まだお読みでない方はそちらもどうぞ。
Vernee Apollo
目次
Vernee Apolloの詳細スペック
OS | Android 6.0 |
---|---|
プロセッサー | MediaTek Helio X25 10コア 2.5GHzx2 + 2.0GHzx4 + 1.55GHzx4 |
ストレージ | 64GB eMMC |
メモリ | 4GB LDDR3 |
ディスプレイ | 5.5インチ 2,560 x 1,440ピクセル 538ppi |
内側カメラ | 800万画素 |
外側カメラ | 2,100万画素 ソニー製IMX230センサー |
バッテリー容量 | 3,180 mAh |
拡張 | USB Type-Cx1、オーディオ端子x1 |
SDカード | Micro SDカードスロットx1 最大128GBまで対応 |
センサー | GPS、環境光、近接、重力、ジャイロ、加速度、ホール |
SIMカード | Micro SIMx1、Nano SIMx1 |
幅 x 厚さ x 高さ | 152 x 9.3 x 75.6mm |
本体重量 | 188g |
カラー | グレー(レビューしている実機)、ゴールド |
ベンチマーク測定結果
Vernee Apolloのパフォーマンス面での実力を知るため、各種ベンチマークアプリを走らせてみましたので、その結果を一挙に公開します。
使用したのは毎回おなじみの「Antutu」「Geekbench」「3DMark」の3つで、それぞれ誤差を補正するために3回連続で測定しました。
Antutu Benchmark
まずは著名なAntutu Benchmark、バージョンは6.2.7です。スコアの平均値は91214点で、スコアの内訳は以下のとおり。
- 3Dスコア:19086
- UXスコア:36456
- CPUスコア:29033
- RAMスコア:7039
他のスマホと比較してみます。Apolloに積まれているSoC「Helio X25」はX20の強化版ということで、FREETELのSAMURAI KIWAMI2と同じくらいのスコアを記録し、性能も殆ど変わりません。
Huawei P9やApple iPhone 6と同じくらいのスコアですので、ハイエンドには届かぬもののスマホとしては高い水準です。十分に実用的なパフォーマンスを備えていると言えますね。
Geekbench 4
次にCPUやメモリ周りの性能を調べるGeekbench 4。スコアの平均値は、シングルコアが1719点、マルチコアが4288点となりました。
3DMark
次にグラフィックの処理性能を測る3DMarkのスコアで、平均は1032点となりました。Snapdragon 821搭載のAndroid機やiPhone 7などのハイエンド2,000後半〜3,000を記録するので、比べると明らかに引けを取ります。
筆者はグラフィックを駆使するようなヘビーな作業を行わないため、詳しく言及できませんが、360度のVR映像や3Dのカーレースゲームでは確かに力不足を感じました。
Helio X20(Elephone S7)との性能差
次に、Apolloに搭載されているHelio X25と、その下位版X20の性能差はどれほどか。今ちょうど手元にX20搭載のスマホ「Elephone S7」がありますので、各種ベンチマークの測定結果を比較してみました。
メモリの容量はApolloの方が1GB多かったりディスプレイ解像度が異なったりと、平等な条件に揃えることは出来ませんでしたが、おおよその参考にはなるかと思います。
結果、全てにおいてX25はX20の10〜20%ほど高いスコアとなりました。X25はあくまでもX20のプチ強化版と捉えていましたが、比べてみるとそれなりに開きがある事が分かりますね。
最大の弱点はバッテリーか
処理性能に関しては一通りチェックしましたので、最後にVernee Apolloのバッテリー持ちについて。
以前の記事でもちらっと書きましたが、この機種の最大の弱点を挙げるとすれば、電池の持ちの悪さでしょうか。負荷のかかる作業をしなくても電池の減りが速くて、画面を消灯しているスリープ時でも徐々に残量が無くなっていきます。
正確な駆動時間を知りたかったので、PCMarkのWork 2.0 battery lifeで計測してみました。その結果、100%から20%に減るまで保った時間は4時間21分で、これはかなり残念。
他のデバイスと比較してみると、Apolloの電池持ちの悪さが特に際立ちます。せめて6〜7時間くらいは動いて欲しいものです。
Apolloの内蔵バッテリーは3,180 mAh。スマホとしてはごく一般的な容量なので、使われているパーツに原因が潜んでいると思います。これはあくまでも筆者の憶測ですが、フルHD超えのWQHD解像度を持つ液晶ディスプレイを採用しているために、通常のスマホよりも電力消費が激しくなっているのかと。
GPSや通知の項目など、システムの設定を見直すことで若干改善されましたが、それでも消耗は明らかに他のスマホよりも電池持ちが悪いです。
せっかく品質とコストパフォーマンスの面では優れている機種ですが、バッテリーが足を引っ張っているので、次期モデルでの改善に期待したいところ。
販売価格と購入方法
Vernee Apolloは、中国深センの通販サイト「GearBest」(ギアベスト)にて249.99ドル = 日本円で28,550円で販売中です。ただし、これはあくまでも記事を執筆している2017年3月28日現在の情報で、今後実施されるキャンペーンや為替相場の影響で変動する可能性があります。ご購入される際は必ず価格を見直して下さいね。
本社ではなく香港支社の倉庫に保管されているためか、発送までには少々時間が掛かるようです。有料の高速便「DHL」での配送を選んだものの、手元に届くまで2週間ほど掛かりましたので、DHL遠隔地の方にとっては割に合わない送料かもしれません。しかしFlat Rate Shipping=送料無料は遅い上に信頼性も危ういので、避けたほうが良いでしょう。
また、GearBestは海外向けのサイトなので、基本的に英語オンリーです。不慣れな方にとっては敷居高く感じられるかもしれませんが、中学で習う程度の英語力があれば問題無くやり取り出来ます。いざとなれば、Google翻訳が力強い見方になってくれますよ。

Vernee Apollo