急速充電対決!MiMIX2(QC3.0) vs OnePlus5T(Dash) vs iPhone X(PD)
- 2018-04-06
- 2018-04-06
日頃のレビューの合間に、前々からやりたかった「急速充電対決」を決行!
Quick Charge 3.0対応のMi MIX 2、Dash Charge対応のOnePlus 5T、USB-PD対応のiPhone X、この3機種の充電時間を比較してみました。
急速充電規格それぞれの特徴・周辺機器について
Android端末によく見られる「Quick Charge 3.0」は対応機器が多い
最もメジャーなのは、Qualcomm社が制定する「Quick Charge」です。最新版は「Quick Charge 4.0+」になりますが、現状最も浸透しているのは「Quick Charge 3.0」で、最大5V/3A or 9V/2A or 12V/1.5Aのいずれかで充電されます。
採用例を挙げだすとキリがありませんが、日本で知られている機種でいえば、Galaxy S8/S8+やHTC U11、Xperia XZ1など。中華スマホでは、Xiaomi Mi MIX 2やMi6、ZTE nubia Z17、LeEco Le Pro 3 Elite、Elephone U Proなどなど。
同規格に対応している急速充電器やモバイルバッテリーなどが多数出回っているので、対応機器を入手しやすいのもQCのメリットです。
Anker PowerPort Speed 2 (QC3.0搭載2ポート 39.5W USB急速充電器)
RAVPower 10000mAh モバイルバッテリー (Quick Charge 3.0入力・出力、2.4A急速充電) RP-PB077
今回は、「Xiaomi Mi MIX 2」を用いて実験。
中華スマホOnePlus独自の「Dash Charge」
中国のスマホメーカーOnePlusは、Qualcommチップを採用していながら「Quick Charge」をあえて無効化しており、代わりに独自規格「Dash Charge」を組み込んでいます。おそらくマーケティング上の理由でしょう。
QC 3.0(5V/3A)よりも高出力な最大20W(5V/4A)で充電が可能です。しかし、それを発揮するためには専用の充電器とケーブルが必須となるため、対応機器が入手しづらい(個人輸入せねばならない)のが最大のデメリット。
Original OnePlus Charger Adapter - CHINESE PLUG WHITE
Original OnePlus Dash Type-C USB Data Sync Charging Cable - RED
今回は、「OnePlus 5T」を用いて実験。
最大100W送電が可能な「USB-PD」
「USB-PD」(USB Power Delivery)もメジャーな急速充電規格の一つですが、こちらは規格上、最大で100W(20V/5A)という桁違いの送電が可能です。また、送電と通信をそれぞれ独立させたUSB Type-Cが求められるため、データ転送をしながら高出力送電できるというのもPDの強み。
スマホよりもノートパソコンに適した規格といえますが、Googleが開発するNexus 5X/6PやPixelスマホをはじめとするスマホにも採用されており、その並は広がりつつあります。
iPhone X/8/8 PlusやiPad Pro(全モデル)、MacBookと2016年以降のMacBook Proが対応しているのは有名な話ですが、実はXiaomi Mi MIX 2、Mi6やHuawei Mate 10 Pro辺りも隠れ機能としてPDをサポートしています。
基本的に、USB-PD対応なおかつデバイス側が求める出力に達しているUSB-C充電器と、対応する両端USB-Cのケーブルがあれば、PDで充電することができます。
AUKEY USB Type-C Power Delivery 3.0 + 5V/2.1A 46W充電器
ただし、iPhoneとiPadに関しては、片方がUSB-Cでもう片方がLightningのケーブルが必須となります。
Apple USB-C to Lightningケーブル
今回は、「iPhone X」を用いて実験。
その他にも数多くの充電規格が乱立
その他にも多くの急速充電規格が乱立しているので、そろそろ統一されて欲しいものです…。
- MediaTek Pump Express(Vernee Apollo LiteやFREETEL SAMURAIなど)
- Huaweiスーパーチャージ(Mate 9、Mate 10 Pro、P10、P10 Plusなど)
- ASUS BoostMaster(ZenFone 2)
などなど…
充電時間を比較してみた
前置きが長くなってしまった、というか記事の大半が規格の解説になってしまいましたが、ここからは本題の「充電時間」について。
今回比較するのは、Quick Charge 3.0に対応する「Xiaomi Mi MIX 2」、Dash Chargeに対応する「OnePlus 5T」、そしてUSB-PDに対応する「iPhone X」の3機種。いずれも電池切れ寸前の状態で充電を開始し、フル充電に至るまでの過程を5分毎に記録していくという、極めてシンプルな実験です。
ちなみにバッテリーの容量は、Mi MIX 2が3,400mAh、OnePlus 5Tが3,300mAh、iPhone Xは2,716mAh。
気になる結果は以下のグラフのとおり↓
やはりDash Chargeの威力は凄まじく、充電開始からたったの30分で60%、1時間後には90%へ達し、その後30分掛けてフル充電されました。所要時間は1時間半。
次いで、QC 3.0対応のMi MIX 2。30分で40%、1時間で70%充電され、フル充電されるまで1時間47分掛かりました。以前の検証よりも10分ほど遅くなっていますが、うーむ何でだろう…。
USB-PD対応のiPhone Xは、フル充電されるまでちょうど2時間要しました。80%辺りまではDash Chargeに食らいつく勢いでしたが、その後はペースが落ち、緩やかに100%へ向かうといった過程です。
最後に動画を貼っておきます↓
今回検証に使用したスマホたち↓
Xiaomi Mi MIX 2
OnePlus 5T
Apple iPhone X