ずば抜けた電池持ちが魅力の中華スマホ「Ulefone Power 3」レビュー
- 2018-02-27
- 2018-06-15
何を重きにおいてスマホを選ぶか。それは人それぞれですが、筆者は処理性能よりも電池の持ちを重視するので、今回レビューする「Ulefone Power 3」のようなハイスタミナスマホは大好物。
絶賛愛用中の激デカファブレット「Xiaomi Mi Max 2」を初めて手にした当初は、あまりの電池持ちの良さに度肝抜かれた覚えがありますが、このUlefone Power 3もそれに匹敵するほどのモンスターです。
肝心の電池持ちはもちろん、ボディのビルドクオリティや処理性能、カメラ画質などなど一通りチェックしたので、ぜひ最後までお楽しみください。
今回レビュー用として「Ulefone Power 3」の実機をGearBest様より提供頂いたため、タイアップ記事となっています。ステルスマーケティングではありませんし、中立で率直なレビューを致します。
目次
パッケージと付属品
厚紙で作られた簡素なパッケージですが、梱包状態は問題なし。
付属品はかなり充実していて、ケース(下の写真に写ってませんね…)や保護フィルム、OTGやリバースチャージに用いるUSBケーブル、USB-Cをオーディオジャックへ変換するアダプターなどなど、至り尽くせり。
ただ、USB充電器は欧州用のプラグ(タイプC)なので、日本のコンセント(タイプA)へ挿し込む為には下のような変換器が必要になります。

日本国内用変換プラグ 5個セット Aタイプ Cプラグ専用
充電・データ転送ケーブルは、端末へ挿し込む側がUSB Type-Cで、もう一方は通常のUSBとなっています。赤+黒の塗装がオサレ。
Micro USBをUSB-Cへ変換するアダプタも付属していました。
画面を保護するためのグレアタイプのフィルムと、背面を保護するTPUケースも付属。
重たくて少々チープなボディだが、悪くはない
では、いよいよUlefone Power 3の外観を見ていきます。
本体前面には、対角6インチという大きな液晶ディスプレイが備えられています。もう既にお気づきかもしれませんが、画面の縦横比は一般的なスマホディスプレイ(16:9)よりも縦に長い18:9となっており、それを囲うベゼルは狭まっているので、真正面から見るとなかなかスタイリッシュ。
Androidでお馴染みの戻る・ホーム・タスクの3ボタンは、ディスプレイ下部に表示されます。
ディスプレイ上部には、1,300万画素の自撮り用メインカメラ、その横にメインカムを補助する500万画素のサブカメラ、そしてフラッシュライトまでもが備わっており、並のスマホよりも自撮り撮影に力が入っています。
真ん中の細長いくぼみは受話口。
続いて背面。
外装は全てプラスチックで作られています。表面はマットな仕上がりなので、一見すると金属にも思えますが、実際触れてみると硬質感は感じられず、Xiaomi Redmiシリーズの良質なメタルボディと比べてしまうとチープな印象は受けます。また、金属筐体よりも指紋が目立ちやすいのは難点。(ブラックはとりわけ)
とはいえ、細部に不行き届きを感じることはありませんし、耐久性も心配無さそうです。
上部には、2,100万画素 + 500万画素のデュアルレンズカメラとフラッシュライト、その下には指紋認証センサーが取り付けられています。
底面中央にはUSB Type-C端子があり、その右にスピーカー、左にはマイクの穴。3.5mmオーディオジャックは省かれています。
音量調節ボタンと電源ボタンは、Xiaomiスマホ同様に右側面に集約されています。
左側面に隠れているSIMトレイは、片方がNano-SIMでもう片方がNano-SIM兼Micro SDスロットという構成。
手持ちのはかりへ乗せてみたところ、本体重量は206.5gありました。公称の210gよりかは僅かに軽いですが、それでも200gの大台を超えているので、スマホとしてはヘビー級に属しますね。おまけに厚みが1cm弱あるので、一昔前のスマホを持っているかのような感覚です。
Xiaomiの6.44型ファブレット「Mi Max 2」と、一般的な大きさの「iPhone 8」を並べてみた様子↓
iPhone 8と厚みを比べてみた様子↓
ソフトウェアトラブルが報告されているが、今回手にした実機では確認できず
詳細なレビューへ入る前に、触れて置かなければならない件があります。
ガジェットブログのガルマックス(garumax.com)さんも、このUlefone Power 3をレビューしておられますが、「ソフトウェアにトラブルがある」との報告がなされています。大変貴重な情報ですので、誠に勝手ながら記事の一部を引用致します。
実機が手元に届いてソフトウェアのバグが目立ち、他のブロガーさんや所有者さんから「ウチの端末では問題ないですよー」と教えていただいたので、初期不良かと思いGEARBESTさんにもう一台送ってもらい検証したので結果をお伝えします。
- 不具合のあった端末:症状は改善されずソフトウェアのバグは以前と同じ状態
- 追加で送ってもらった端末:ソフトウェアのバグ症状は無い
不具合のあった端末も、追加で届いた端末も最新版のソフトウェアアップデート後、初期化した状態です。この時点でソフトウェア挙動に差があったことから初期不良であることを確信しました。
同氏によると、2台手にしたうちの1台がソフトウェアトラブルに見舞われ、ホーム画面のレイアウトが崩れたり、カメラのシャッターが切れないなど、見逃し難い深刻な症状が散見されたそうです。一方、2台目の端末はトラブルなく軽快に動いたとのこと。
筆者が手にした端末はどうかというと、かれこれ一週間近く使い込みましたがトラブルらしいトラブルは見られないので、“当たり個体”とみて良いのでしょう。ただし、Power 3およびUlefoneのスマホを買う以上、“ハズレ”を引いてしまうリスクが潜んでいる事を心に留めておくべきです。
パフォーマンス・ベンチマーク
MediaTekの「Helio P23」を搭載するが、低クロック版のMT6763V
処理能力を握るSoC(システムオンチップ)としては、MediaTek製のミドルレンジチップ「Helio P23」が搭載されていますが、偏に「P23」といっても型番と性能の異なるものが2つ存在します。
一つは「MT6763T」で、採用例としては、Doogee BL12000 ProやOPPO F5など。CPUは2.3GHz〜2.5GHzが4コア + 1.65GHzが4コアのオクタコア構成となっています。
一方このPower 3に載っているのは、MT6763Tの低クロック版である「MT6763V」。コア数こそ変わらぬものの、その内訳は2.0GHz + 1.5GHzで、MT6763Tよりも処理性能が抑えられています。
あのSnapdragon 820でさえ無印版・Lite・Proが混在しているので、同じブランド名にも関わらず性能の異なるチップが存在するというのは別段珍しい話ではありませんが、それならばスペックシートに明記するというのが筋ではないでしょうか。
Ulefoneの公式ページでは「MT6763」との記載に留まっており、TなのかVなのかは触れられていません。一応「Octa Core, 2.0GHz」と書かれているため、判別する術が無いわけではありませんが、(以前の筆者みたく)誤解を招く可能性は否めないので、ぜひとも追記して欲しいですね。
Antutu Benchmark v6
気になるAntutu Benchmarkの結果を公表します。発熱によるバラツキ具合を見るため、3回連続で走らせました。
まずはバージョン6↓ 約6万点をマーク。
あれ?発熱の影響を少なからず受けて徐々にスコアが落ちるかな?と思いきや、逆に伸びていますね…。
P25を搭載するMAZE Alphaとの性能差はごくわずかで、Snapdragon 625と同水準です。
Antutu Benchmark v7
そして最新のバージョン7↓ v6よりもCPUスコアが底上げされ、総合スコアは約7.6万点をマーク。
電池持ちは文句なし!Mi Max 2に次ぐ駆動時間
処理性能に関しては特質すべき点のないPower 3ですが、それはさておき、何よりも注目したいのはバッテリー。「Power」を冠しているだけあり、内蔵バッテリーは6,080mAhと並のスマホの倍はあり、その甲斐あって駆動時間もずば抜けています。
ベンチマークアプリ「PCMark」のバッテリーテスト機能「Work 2.0 battery life」は、Webブラウジングや写真編集といった日常的な作業を繰り返しながらバッテリーをひたすら消費し、スペックシートからは分からないリアルな駆動時間を調べられる優れもの。
画面輝度50%で周囲光による自動調節なし、Bluetoothオフ、スピーカーミュートといった条件のもと、バッテリー残量100%から20%へ至るまでの所要時間を調べたところ、なんと「15時間48分」という結果に。
「Mi Max 2」が叩き出した18時間20分に次ぐ結果で、一般的なスマホの1.5〜2倍は持つので、「ハイスタミナスマホ」と胸を張って威張れる実力です。
他のスマホを充電するモバイルバッテリーとしても使える
Ulefone Power 3は、内蔵バッテリーを端末自身で消費するだけでなく、他のデバイスへ給電するいわばモバイルバッテリー的な使い方も出来ます。ゲームをしなければ、1日で6,080mAhものバッテリーを消費し切ることは困難なので、それを分け与えられるって素敵な機能ですね。
USB-Cポートから付属のOTGケーブルを伸ばし、そこへLightningケーブルを繋いでiPhone 8を充電している様子がこちら↓
充電する側もUSB-Cなら、両端USB-Cのケーブル1本あればこのとおり↓スマートに充電できます。
デュアルカメラだが、画質は残念
前後共にデュアルカメラ、合計4つのカメラレンズで武装するPower 3ですが、ハッキリ言ってそれは売り文句でしかありません。実際の画質は残念なもので、いっそのことカメラは思いっきり切り捨ててコストカットしてしまったほうが良かったのでは?と思いました。
全体的に暗く、シーンによっては色味が崩れやすく、おまけにフォーカスも合いづらいので、今後このスマホで写真を撮ることは無いでしょう。
試し撮りした写真をいくつかどうぞ↓ それぞれクリックすると原寸大表示できます。
指紋認証で十分快適なので、顔認証の使いどころが分からない
そうそう、紹介し忘れるところでしたが、Power 3は前面カメラによる顔認証(Face ID)に対応しています。設定→セキュリティ→Face Lockにて自身の顔を登録しておけば、電源ボタンを押した後に画面へ顔を向けるだけでロック解除出来るようになります。
ただ、精度やスピードは指紋認証の方が断然優れているので、顔認証の恩恵にあやかる場面は皆無と言って良いでしょう。指紋認証なら、電源ボタンを押さずとも背面のセンサーへ指をあてるだけでOK。
Ulefone Power 3のスペック
最後に、主なスペックをまとめます↓
OS | Android 7.1 Nougat (2018年3月に8.1 Oreoへアップデート予定) |
---|---|
プロセッサー | MediaTek Helio P23 (MT6763V) CPU:Cortex-A53 2.0GHz x8 オクタコア GPU:Mali-G71 MP2 |
ストレージ | 64GB |
メモリ | 6GB |
ディスプレイ | 6インチ 縦2,160 x 横1,080ピクセル 18:9ワイドディスプレイ 402ppi |
内側カメラ | 1,300万画素メインカメラ + 500万画素サブカメラ |
外側カメラ | 2,100万画素メインカメラ + 500万画素サブカメラ |
バッテリー容量 | 6,080 mAh 5V/3Aでの急速充電に対応 |
拡張 | USB 2.0 Type-C x1 |
SDカード | 最大256GBのMicro SDXCカードに対応 |
センサー | GPS、GLONASS、重力、近接、環境光、ジャイロ、電子コンパス、指紋 |
SIMカード | Nano-SIM x2 (2G + 4Gの同時待ち受けに対応) |
幅 x 厚さ x 高さ | 75.9 x 9.85 x 159.2mm |
本体重量 | 210g |
カラー | ブラック、ゴールド |
対応周波数帯は以下のとおり↓
- GSM:850/900/1,900/1,800MHz
- WCDMA:B1/8
- FDD-LTE:B1/3/7/8/20
※一応ドコモ回線でLTE通信および通話出来ましたが、技適は取得していないので、日本国内で使うと電波法違反となります。
GearBestにて販売中
今回は、長時間駆動が魅力でモバイルバッテリーとしても使えるハイスタミナスマホ「Ulefone Power 3」をレビューしてきましたが、如何だったでしょうか。性能はわりかし控えめでカメラ性能もいまいちなので、オールラウンダーな機種とはいえませんが、スタミナ重視で選ぶ中華スマホとしては有力候補だと思いました。
現在は、深センの通販サイトGearBest.comにて販売中で、お値段は239.99ドル = 約2.6万円なり。また、注文時にクーポン「GBMBP」を適用すると、238.59ドルまで値引きされます。(クーポンは予告なく終了する可能性があります)
気になる方は、下のリンクより販売ページをチェックしてください↓
ハイスタミナといえば「Mi Max 2」も挙げられますが、こちらは本体と画面も類を見ないデカさなので、万人受けはしないでしょうね。
ややこしいですね、ガルマックスさんでもぶちきれてましたし。
「Ulefone Power 3」のなかで、MT6763TとMT6763Vがあるのか?
それともMT6763Tを使ってる方は「Ulefone Power 3S」と別機種になってるのか?
(メモリ容量が違う?)