レビュー

FireHD10より安い10.1型中華タブレット「Teclast P10」を試す

  • 2017-10-31
  • 2017-11-01
7/10
  • スペック同等のFire HD 10よりも安い
  • 解像度も視野角も色合いもグッドなディスプレイ
  • 1万円半ばとは思えないほど良質なアルミボディ
  • イヤホンジャックの音質がイマイチ
  • おまけ程度のカメラ

「スマホよりも快適に使いたい。でもパソコンは必要以上に高機能だしデカイから嫌だ!」というニーズを見事にカバーするのがタブレット端末。

最安モデルでさえ4万円〜高価なものだと10万を超す「iPad」みたいな高性能機から、アマゾンFireタブレットみたいな格安機種まで、その種類や価格は様々ですが、この世で最も安いのが中華ブランドの製品です。

数年前までは、ただ安いだけで全く使い物にならないような物が大半でしたが、最近は格安ながらもしっかり実用性を備えた製品が増えてきました。今回はそんな格安タブレットの中の一つ「Teclast P10」を、通販サイトGearBest.comよりレビュー用としてご提供頂きましたので、品質や性能などを一通りチェックしてみました。

類似機種として、アマゾンの「Fire HD 10」が挙げられますが、Teclast P10のお値段は送料等を入れてもそれを下回ります。(記事執筆時の価格は129.99ドル = 14,788円)

OSは割りと新しい「Android 7.1」を搭載しているうえ、Fireタブには無いGooglePlayストアを標準装備し、しかも日本語に対応しているので、Android慣れしている方なら違和感なく使える一台となっています。

前置きが少し長くなりましたが、レビューを始めます。

Teclast P10 2GB RAM + 32GB ROM

今回レビュー用として「Teclast P10」の実機をGearBest様より提供頂いたため、タイアップ記事となっています。ステルスマーケティングではありませんし、中立で率直なレビューを致します。

パッケージと付属品

当ブログでは初となるTeclast製のタブレットですが、パッケージは他の中華タブレットと変わらない感じで、とても簡素な作りです。

Teclast P10 パッケージ

箱の中身もよく見慣れた一式セット。Teclast P10本体と英語で書かれた説明書類、転送・充電両対応のケーブルが同梱されています。ただし、USB充電器は付いていなかったので、汎用のものを使います。

Teclast P10 同梱物

付属のケーブルは、Androidではよく見慣れたMicroUSBとなっています。以前レビューしたCHUWI Hi10 ProやXiaomi Mi Pad 3は、両面リバーリブルなUSB-C端子で充電出来たのに対し、今回のP10は挿し込む度に向きを確認しなくてはなりません。

Teclast P10 MicroUSBケーブル

中国製を侮ってはならぬ!驚くほど良質なボディ

指紋が付きにくいアルミ製背面が良いね

注目すべきは、ディスプレイ面よりも背面。Teclast P10の背面はアルミ製で、指紋が付きにくく目立ちにくいサラサラとした手触りが心地よいです。iPadに比べれば荒いな〜とは感じますが、遠目で見れば引けを取らない完成度で、中国製と聞くと思い浮かべがちな「玩具っぽさ」は感じません。

Teclast P10 背面

背面上部をクローズアップ。Teclastのロゴがプリントされており、その上には500万画素のカメラが配置されています。

Teclast P10 背面カメラ

下には「P10」と、8コアCPUを示す「八核」の文字が刻まれています。

Teclast P10 背面下部

エッジのダイヤモンドカットが程よいアクセント

本体を一周する背面側のエッジは、光沢仕上げのいわゆるダイヤモンドカットが施されており、背面や側面のマットな質感との対比が程よいアクセントとして効いています。

Teclast P10 エッジの処理

ボタンはプラスチックだが、確かな押し応え

上部の側面には電源ボタンと音量調節ボタンがあります。いずれもプラスチックで作られていますが、確実な押し心地を得られるので、不満ありません。

Teclast P10 物理ボタン

拡張ポートは今ひとつ

拡張ポートは全て右側面に集約されており、下画像では左側から電源、MicroUSB、MicroSDカードスロット、3.5mmオーディオジャックが並んでいます。MicroUSBから充電できるので、丸い電源ポートは不要だと思うのですが…。

ディスプレイ出力を可能とするMicroHDMIは非搭載です。

Teclast P10 拡張ポート

前面の様子。ベゼルは太めだがシンプルなデザインは好印象

続いて、ディスプレイの備わっている前面の様子です。

画面の縁(ベゼル)を測ってみたところ、4辺とも13mmとやや太めで、iPadに比べると野暮ったさは感じますね。清潔感のあるシンプルなデザインは好印象です。

Teclast P10 前面

上部の小さな丸はフロントカメラで、ビデオチェックなどを想定したものです。

Teclast P10 前面カメラ

Fire HD 10との大きさ・重量比較

同じく10.1インチの「Fire HD 10」を横に置いてみました。横幅はFire HD 10の方が僅かに引き締まっていますが長辺はTeclast P10の方が縮まっており、ベゼルの色はFire HD 10が黒に対しP10は白ということで、画面サイズは同じはずなのに全く異なる印象を受けます。

厚みは両機種ともほぼ同じ(1cm弱)で、重さもほとんど一緒。実際に計りに乗せてみると、Fire HD 10が497.2gに対し、Teclast P10はそれよりも僅かに重い522.5gでしたが、持ち比べて分かるほどの違いではありません。

10.1インチの大型ディスプレイ

Teclast P10 ディスプレイ

フルHD超えの高解像度!発色も予想以上に良いのでビックリ

今の中華タブレットでは別段珍しい話ではないものの、フルHDを超えるWUXGA解像度(1,920 x 1,200ピクセル)はやはり綺麗です。きめ細かさだけでなく、色合いも格安タブレットとは思えないほど自然で、ホワイトバランス(寒色・暖色)も適切にチューニングされていました。

IPS方式を採用しているので、視野角にも優れており、斜めから見ても変色が少ないのは嬉しいポイントです。

動画や雑誌・漫画を楽しむにはぴったり

大画面の使いどころと言えば、動画を観たり雑誌や漫画を読む場面でしょうか。

まずはAbemaTVで比較してみますが、スマートフォンとは比べ物にならないほど迫力満点な映像を楽しめます。番組表やコメントの表示量の多さも、大画面を備えるタブレットならではですね。

次に、Kinldeアプリで雑誌を開いてみました。スマホでも拡大縮小を駆使すれば内容は把握できますが、タブレットなら2ページ分を一度に表示できるので、断然快適です。ただ、12.9インチのiPad Proクラスでないと雑誌の見開きはキツい(文字が小さい)と思うので、実用域といえるのは単行本や漫画止まりでしょうか。

2画面表示をサポート

Teclast P10に備わっているOSは、かなり新しいAndroid 7.1なので、画面を2分割して2つのアプリを同時に操作できる「マルチウィンドウ」に対応しています。

最近使ったアプリが並ぶタスク画面を表示し、マルチウィンドウに対応するアプリを右側or左側へドラッグすると画面が分割され、下の画像のようにブラウザーでWebページを見ながらYouTubeの動画を流すといった使い方が出来ます。

10.1インチもの大画面なら、画面を分割してもなおスマホより余裕のある表示なので、パソコンに近い使い方になります。

性能は低めだが、3Dゲーム以外なら十分実用域

「RK3368」というレアなSoCが搭載されている

中華タブレットといえば、MediaTekのタブレット向けSoCもしくはIntelのAtomあたりがお決まりパターンでしたが、Teclast P10には「RK3368」という見慣れないSoCが載っています。

筆者自身初めて目にした型番なので、ネット上で情報を漁ってみましたが、中国の半導体メーカーRockchip(ロックチップ)が割と最近開発した64bit SoCとのこと。

プロセスルールは28nmで、CPUは1.5GHz駆動のARM Cortex-A53を8基束ねたオクタコア。グラフィック担当のGPUとしては、PowerVR G6110を採用しています。

ベンチマークスコアはAtomに劣るが、正直言って「団栗の背比べ」

ひとまず、Antutu BenchmarkとGeekbench 4のスコアを計測してみました。結果は下の画像のとおり↓

Antutuの総合スコアは4.3万点、Geekbench 4はシングルコア約500・マルチコア約1,700で、エントリーモデルらしい控えめなスペックとなっています。CHUWI Hi10シリーズに載っているAtom Z8350ならAntutuで6万、Geekbenchのマルチで2,000点は出してくれるので、ベンチマークだけで比べると物足りなさは感じます。

実際の動作に関してですが、正直言うとこの価格帯のタブレットは団栗の背比べみたいな感じで、ゲーム特に3Dを多用するゲーム(代表的な物で言えばデレステなど)以外なら実用域に達しているものの、アプリを切り替える場面ではどうしてもモタツキは発生してしまいます。

低スペックは重々承知した上で、それに見合ったライトな使い方(ブラウジングや動画視聴程度)に限定し、多少のモタツキを許してあげれば、Teclast P10は非常に優秀なエンタメ用タブレットとして働いてくれます。

スペック表

主なスペックを下の表にまとめておきました。

OSAndroid 7.1
プロセッサーRockchip RK3368 1.5GHz 8コア
ストレージ32GB
メモリ2GB
ディスプレイ10.1インチ 1,920 x 1,200ピクセル IPSディスプレイ
グラフィックPowerVR G6110
内側カメラ200万画素
外側カメラ500万画素
通信Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.0
バッテリー3.8V / 5,200mAh
拡張MicroUSB、MicroSDカードスロット、3.5mmオーディオジャック、電源
サイズ240 x 168 x 9.9mm
本体重量522.5g(実測値)
カラーバリエーションシルバー

残念な部分もあるが、全て想定内

値段が値段なので、もちろん残念な部分もあります。ただ、中華製のみならず格安なタブレットではよくあることなので、十分想定内です。

イヤホンジャックからの音質がいまいち

Teclast P10は3.5mmオーディオジャックを装備しており、有線のイヤホンやヘッドホンを繋げられますが、僅かに「サー」とホワイトノイズが混じり、動画や音楽を一時停止した瞬間に「プツッ」というノイズが聞こえます。

音楽を「聴き込む」には不向きだと思いました。

カメラの画質はおまけ程度

これも、スペックシートを見た時点で分かりきっている事なので、今更取り上げるまでも無い事かもしれませんが、カメラの画質はおまけ程度です。全体が暗くて細かなノイズが混じり、色合いも変な仕上がりで、Huawei Mate 9で撮った写真と比べれば一目瞭然↓ (適当な写真で申し訳ありません)

あのFire HD 10よりも安い!中華タブ入門としては良い選択肢

最後に価格と購入方法ですが、中国深センの通販サイトGearBest.comにて、2017年10月31日現在は129.99ドル=14,788円で販売されています。配送方法は4種類ありますが、追跡番号有りでそこそこ速い「Priority Line」なら、なんと送料無料。

格安タブレットとして発売早々から人気を集めるアマゾンFire HD 10が18,980円ですから、4,000円ほど安い計算になりますね。ゲームには不向きではあるものの、動画や読書に特化した中華タブレット入門機としては最適だと思うので、気になる方は下のリンクより販売ページをご覧下さい↓

Teclast P10 2GB RAM + 32GB ROM

おまけ:GearBestでお買い物する方法

「海外ガジェットは面白そうだけど、個人輸入には不安を感じる...」と、いまいち踏み出せない方へ。GearBestの使い方や決済方法について下の記事にまとめていますので、参考にして頂ければ幸いです↓

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