【比較】iMac対Surface Studio 勝利の雄叫び上げるのはどっちだ
- 2016-10-27
- 2017-04-17
今日10月27日はMicrosoft Surfaceにとって記念すべき日、なぜならブランド初となる一体型デスクトップパソコン「Surface Studio」の誕生日!
これまでは2in1ラップトップで活躍していたSurfaceですが、遂に待望のデスクトップパソコンが登場、ブランドの新時代を切り開く”大黒柱”のような存在になる事でしょう。
タッチ&ペン操作対応の28インチディスプレイに自由度の高い変形を可能にする機構を取り入れ、これまでのデスクトップPCの常識を覆すような斬新なデザイン発想。加え、Intel第6世代のCore i5/i7プロセッサにGTX 965M/980Mグラフィックを積む、非常にハイスペックなマシンに仕上がっています。
ソフトとハード共に純粋なMicrosoft発のSurface、その製造プロセスやブランドイメージから「Windows界のMac」みたいなイメージで捉えられがちです。もちろん今回登場したSurface Studioも例外ではなく、Windows版iMacのような印象を強く受けましたし、OS違えど今後ライバル関係が成立することは目に見えています。
Apple iMac対Microsoft Surface Studio、果たして勝利の雄叫びを上げるのはどちらなのか。今回は比較対象を27インチiMac 5K Retina 2015年モデルとし、スペックや価格の比較、製品としてのデザインコンセプトの違いをまとめました。
なお、Surface Studioに関する詳細情報は「MS初デスクトップSurface Studio登場!タッチ対応28型液晶を搭載」にまとめていますので、合わせてご参照下さい。
Microsoft Surface Studio | Powerful workstation designed for the creative process
目次
27インチiMac 5K Retina vs Surface Studio
両者の違いを見やすくするために、比較表を作ってみました。
OS |
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プロセッサ |
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グラフィック |
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メモリ |
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ストレージ |
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ディスプレイ |
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拡張端子 |
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サイズ・重量 |
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同梱品 |
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販売価格 |
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処理性能は両者とも優秀!ほぼ互角か
これからのSurfaceの顔「Surface Studio」、Appleのメインストリーム「iMac」、やはり両者とも主力部隊に相応しい処理性能を備えています。性能の差は殆ど無く、ほぼ互角といえるかもしれません。
プロセッサ性能
プロセッサはSurface Studio、iMacともにIntel第6世代(Skylake)のCore i5またはCore i7を積んでいます。
iMacはi5-6500、i5-6600、i7-6700K(性能の低い順)を採用しており、これらはMacやWindows問わず多くのデスクトップパソコンに搭載される人気のプロセッサです。デスクトップらしい高い性能を誇っており、ライトユースからヘビーな生産作業まで、幅広い用途でその威力を発揮します。
一方のSurface Studioはどうかと言えば、実はマイクロソフト公式でプロセッサの型番を公表しておらず、まだ発表から間もないために、現状では皆さんに正確な情報をお伝えできずにいます。しかし、デスクトップ向けCPUの出荷が始まっていない第7世代Kaby Lake採用をあえて見送ったこと、エントリーモデルでもお値段は30万円を超える事から、おそらくiMacとほぼ同等のCPUを搭載したと推測できます。
詳しい情報が入り次第、仕様を追記したいと思います。
グラフィック性能
両者ともにグラフィックボードは本体内蔵式ですが、Surface StudioはNVIDIA製のGeForce GTXを採用したのに対し、iMacではAMD製のRadeon R9を採用しています。昔は安定性に欠けると言われていたAMDのRadeonですが、それはもはや過去の話になりつつあり、今では両メーカー共に良質なグラフィックボードを製造しています。
PassMarkのVideo Card Benchmarksから、iMacとSurface Studioに内蔵されているGPUのスコア測定結果を拝借し、下の表を作ってみました。赤色がiMacで緑色がSurface Studioです。
両者とも、ほぼ同等の性能を持つことが分かるかと思います。
PassMark Software – PC Benchmark and Test Software
ストレージに関してはiMac側に軍配が上がるか
Surface Studioは「Hybrid Drive」という、あまり聞き慣れないストレージを採用しており、どうやらハードディスクとフラッシュストレージ(SSDみたいなもの)の掛け合わせ、俗に言う「SSHD」の類のようです。
SSHDとは、大容量で低コストなHDDの特性を活かしつつ、SSDにも使われるNANDメモリをキャッシュとして組み込み高速化を図ったドライブのこと。HDDよりも起動や動作は速くなりますが、NANDメインの超高速なSSDと比べてしまうと差は生まれます。
ある意味CPUやGPUよりも大切なストレージ、快適な体感速度を得るためには転送速度の高いディスクつまりSSDが必要不可欠です。
iMacはApple公式ストアにて高速なSSDへカスタマイズ出来る一方、Surface Studioはあくまでも「Hybrid Drive」。ストレージの転送速度に関しては、Surface StudioよりもiMac側に軍配が上がります。
但し、カスタム無しのFusion Drive搭載のiMacと比較した場合、速度の差はほぼありません。
クリエイティブに特化したSurface Studio
iMacには無い、タッチ・ペン操作対応のディスプレイ
両者とも広大な液晶ディスプレイが魅力的ですが、Surface StudioはSurface・Windows 10ならでは使い方が出来ます。
Surface Studioの目玉である28インチもの大画面ディスプレイ、なんと10点マルチタッチ操作に対応しています。さらに、同梱される専用ペン「Surface Pen」を使えば、広大なキャンバスとして活用できるのです。
本体の中枢機能を底面のベースユニットに格納しディスプレイを軽量化、Zero Gravity Hinge(無重力ヒンジ)の働きによって高さ・角度調節も思いのままです。これまでの一体型デスクトップでは成し得なかった、液晶ペンタブレットスタイルでの使用が可能、クリエイティブな作業にはうってつけのマシンです。正に”Studio”!!
マイクロソフト独自のデバイス「Surface Dial」が凄い
Surface Studioと同時に発表された周辺アクセサリーの一つ「Surface Dial」には度肝を抜かれました。
平たい円柱状の本体をダイアルのようにクルクルと回すことで、マウスやタッチ操作やペン入力など、従来の手段では決して成し得ない操作方法を可能にします。イラストソフトのカラーパレットを呼び出したりペン先の色を徐々に変化させたり、Officeソフトでも便利なショートカットツールとして活用出来ます。
これまたiMacでは決して味わうことの出来ない操作感、Surface Studioの真価はこれらのクリエイティブなツールにあると言っても良いでしょう。
解像度はほぼ変わらず。アスペクト比の違いは大きい
画面の解像度iMacのRetina 5Kディスプレイの方が1割ほど高いですが、インチ数はSurface Studioの方が1インチ大きいため、両者とも同等の大きさの作業スペースを得られます。
しかし、ひと目見ても分かるほど大きく異る点がありまして、それはアスペクト比の違いです。iMacは5,120 x 2,880でアスペクト比は16:9、これは一般的なパソコンモニターやスマホの画面と同じ比率になります。対するSurface Studioは4,500 x 3,000のアスペクト比3:2という変わり者、3:2のディスプレイは高性能ノートパソコン「Surface Book」でも採用しており、マイクロソフトは相当な3:2好きだと伺えます。
おそらく本体を倒してイラスト制作をする際、3:2はクリエイターにとって都合の良い仕様なのでしょう。カメラで撮影する写真の大半は3:2のようですし、16:9のディスプレイが広く普及している中で3:2は今でも多くの方に愛されています。
意外にも、iMacの方が全体的に低価格
高い!コスパ悪い!と言われ続けてきたMacですが、Surface Studioと比べると一概にMacを非難できません。
これは意外や意外、iMacよりもSurface Studioの方がお高めです。エントリーモデル同士で比べても大きな差があり、iMacは1,799ドル(208,800円)から購入出来るのに対し、Surface Studioは2,999ドル(約31万円)と10万円もお高いです。
フルスペックにすると両者ともほぼ同価格で40万円超え。しかしiMacは1TBのPCIe接続SSDに対し、Surface Studioは2TBのHybrid Drive、最上位モデルにおいてもコスパ面では若干iMacの方が優勢です。
カスタマイズ性の高いiMac
iMacはカスタマイズの幅が広い、つまり自由度がかなり高いです。
というか、Surface Studioにカスタマイズ性はまるでありません。今のところ選べるのは最小スペック・中間スペック・最高スペックの3モデルのみ、購入時にメモリやストレージを増設するなどのカスタマイズは一切受け付けないようです。
例えばSurface Studioを動画制作の用途で購入する場合、より高性能なNVIDIA GeForce GTX 980Mを積みたくなりますが、カスタマイズの自由度が極めて低いために40万円以上する特盛りスペックの最上位モデルを選ばざるを得なくなります。対しiMacなら、GPUのみをM395Xにアップグレードする選択肢がありますので、最上位モデルを約30万円で購入できます。
iMacもSurface Studioもクリエイター向けのデスクトップパソコン、高いスペックは魅力的ですが価格もそれなり。用途に適したパーツ構成で注文できるのは非常に有り難いことですし、拡張性の高さはデスクトップパソコン本来の魅力でもあります。
まだSurface Studioが発表されてから間も無く、公式ページでプリオーダーが始まったばかりなので今後どうなるか分かりませんが、iMacのような高いカスタマイズ性に期待しないほうが良さそうです。Surface Studio最大の欠点は、カスタマイズ性の低さにあると言えます。
Microsoft Surface Studio | Powerful workstation designed for the creative process