
Macの表示解像度を更に広げるアプリ「QuickRes」がかなり便利
- 2016-12-06
- 2016-12-07
MacBookやMacBook Pro、iMacのディスプレイ内蔵型Macには、「Retina」と呼ばれる高解像度で美しい液晶ディスプレイが採用されていますが、「スケーリング解像度」という概念を忘れてはいけません。Retinaは単に解像度が高いだけでなく、スケーリング解像度という設定によって、iPhoneや最新スマホの画面みたいな高精細な表示が出来ているのです。
作業スペースを広げたいなら、Macのディスプレイ設定からスケーリング解像度を上げれば良いのですが、設定アプリでは1ピクセルを1ドットで表示するドットバイドット表示は出来ません。技術的には可能だけれど、解像度を上げすぎると小さな文字の視認性が悪くなってしまうため、システム側が制限を設けている訳ですね。
しかし、スケーリング解像度の上限を突破して、本来設定アプリでは選べないはずの解像度へカスタマイズ出来る、「QuickRes」というアプリが存在するんです。あいにく有料アプリなのですが、非常に重宝しているので詳しくご紹介したいと思います。
QuickRes – The best way to change screen resolutions on your Mac
目次
Retinaディスプレイのスケーリング解像度について
スケーリング解像度とは
Retinaディスプレイへ高精細な映像を映すために導入された機能、それが「スケーリング解像度」です。
例えば、1,000 x 1,000の画面があったとして、そこに1,000 x 1,000の映像を表示させればドットバイドット表示となります。しかしRetina採用のMacでは、1,000 x 1,000の画面に500 x 500の映像を表示させて、1ピクセル分を横2 x 縦2 = 4ドットで表現する…といった方法で密度の高い映像を映し出しています。
Retinaとは、あくまでも高密度で高解像度なディスプレイに過ぎません。スケーリング解像度という技術があるからこそ、美しく快適な表示が実現しているのです。
Macでは、ディスプレイ設定からスケーリング解像度を変更することで、表示領域を拡大・縮小出来ます。ここで言う”解像度”とは、ディスプレイへの表示領域ではなく、擬似的な表示領域を指します。
スケーリング解像度を上げる&下げる事によるメリットとデメリット
スケーリング解像度を上げれば、当然ながら表示領域も広くなりますので、生産性を高めることが出来ます。しかしその反面、映像の密度は低くなりますし、細かい文字の視認性も悪くなります。
スケーリング解像度を下げると、作業スペースは窮屈になります。しかしその反面、映像の密度が上がってより美しくなり、視認性もぐっと向上します。
標準で選べるスケーリング解像度
Retinaディスプレイ搭載のMacでは、いくつかのスケーリング解像度が選べるようになっています。機種別のスケーリング解像度は以下のとおりです。
MacBook 12インチ (解像度:2,304 x 1,440)
- 1,024 x 640
- 1,152 x 720(標準)
- 1,280 x 800
- 1,440 x 900
MacBook Pro 13インチ (解像度:2,560 x 1,600)
- 1,024 x 640
- 1,280 x 800(標準)
- 1,440 x 900
- 1,680 x 1,050
MacBook Pro 15インチ (解像度:2,880 x 1,800)
- 1,024 x 640
- 1,200 x 800
- 1,440 x 900(標準)
- 1,680 x 1,050
- 1,920 x 1,200
iMac 21.5インチ 4K (解像度:4,096 x 2,304)
- 2,048 x 1,152(標準)
- 2,304 x 1,296
- 2,560 x 1,440
iMac 27インチ 5K (解像度:5,120 x 2,880)
- 1,600 x 900
- 2,048 x 1,152
- 2,560 x 1,440(標準)
- 2,880 x 1,620
- 3,200 x 1,800
QuickResを使えば、自由度の高い解像度設定が可能
前置きが随分と長くなってしまいましたが、この記事の本題は「QuickRes」です。
現状のスケーリング解像度でも幅広い設定が可能ですが、更に自由度の高い解像度設定を可能にするのが「QuickRes」というアプリケーションです。例えば、筆者の使うMacBook Pro Retina 15インチは1,920 x 1,200が上限となりますが、QuickResを使えば2,560 x 1,440の2K解像度や、2,880 x 1,800のドットバイドット表示も可能になります。
画面サイズの小さい12インチMacBookをお使いの方には、ぜひともご紹介したいアプリの一つです。更に広々とした作業スペースを得られます。
また、MacBook AirなどのRetina非搭載機種にも対応していて、擬似的な解像度の拡大が出来てしまいます。かゆいところに手が届く、優秀なアプリだと思います。
一つ残念な点を挙げるとすれば、有料という点でしょう。気になるお値段は9.99ドル=約1,100円で、QuickResの公式ウェブページよりダウンロード購入出来ます。
QuickRes – The best way to change screen resolutions on your Mac
QuickResの使い方と活用例
QuickResは英語オンリーのアプリですが、非常に直感的な操作なのですぐに馴染めるかと思います。導入から活用例までをざっくりとまとめたので、参考にして頂ければ幸いです。
導入方法
QuickResを起動すると、「Launch QuickRes at login ?」(ログイン時にQuickResを開きますか?)と聞かれます。青い「Launch at login」のボタンを押すと、次回起動した時にQuickResが自動的に立ち上がります。
常に、カスタマイズした解像度で使いたい方は、自動ログインをオンにすると便利です。
「QuickResを導入すると、メニューバーにディスプレイのアイコンが表示されますよ」とアナウンスされます。
解像度を追加する画面が表示されます。これは後からでも設定できますが、今回はMacBook Pro Retina 15インチのハード上での限界値である2,880 x 1,800を追加します。
追加するなら+ボタンを、削除するなら-を押します。
ポップアップメニューから追加する解像度を選びますが、非常に数多い解像度から選べます。中には、3,840 x 2,400なんてものも…。
解像度の変更方法
解像度の変更方法ですが、至ってシンプルです。メニューバーに表示されているディスプレイのアイコンをワンクリックすると、予め設定した解像度へ切り替わります。
え、これだけ…?はい。これだけです。
実際に解像度を変更してみると、こんな感じです。画面下のドックやメニューバーの文字のサイズに注目です。
まずは標準設定の1,440 x 900ピクセル。文字が大きく表示されているので、視認性は抜群です。
お次は、MacBook Pro 15のスケーリング解像度の上限である1,920 x 1,200ピクセル。もう既にこの時点で、一般的なフルHD(1,920 x 1,080)よりも広くなっています。
そしていよいよ、本来の上限値を遥かに超えた2,880 x 1,800ピクセル!これはMacBook Pro 15のRetina液晶と同じ解像度なので、ドットバイドット表示になります。めちゃくちゃ広いです。
文字がかなり小さくなっているので、目を近づけないと文字は見づらいです。幸い筆者の視力はそこそこ良いので、用途によってはこれも有りかな…と思いました。
実際の活用例
解像度の拡大によって、作業スペースの使い方はどう変わるのか。実際の活用例をご紹介します。画像をクリックすると、拡大画像が表示されます。
標準の1,440 x 900ピクセル。左側にブログの投稿画面、右側に記事ページを表示して作業している様子です。
フルHDよりも一回り狭い作業スペースとなるため、少々窮屈に感じてしまいます。生産性を求めるなら、もうちょっと余白が欲しいですね。
次はスケーリングの最大サイズ1,920 x 1,200ピクセルです。先ほどと比べるとかなり余裕が生まれて、Safariの2ウィンドウに加えてメモまで表示できています。
そして最終形態2,880 x 1,800ピクセルです。もう段違いに広い作業スペースで、これが本当にノートパソコンの画面なのか疑いたくなるレベルです。
Safariのウィンドウを3つ表示しても余裕があり、メモ書きに加えてFinderでのファイル管理も快適にこなせます。ただ、文字の視認性は落ちてしまいますので、メリット尽くめではありませんね。
QuickRes – The best way to change screen resolutions on your Mac