レビュー

2017秋の中華スマホ決定版はOnePlus 5!魅力をたっぷり紹介します

  • 2017-10-19
  • 2018-04-01
9/10
  • 大きいのに軽いボディ
  • Android最高峰のスペックが5〜6万円というコスパの高さ
  • 1時間半でフル充電可能な急速充電技術「DashCharge」
  • 完全日本語化され使い易いOxygen OS
  • 画質の良いカメラ。2倍ズームや背景ぼかしもあり
  • ジェリースクロール現象
  • 音質と迫力がイマイチなスピーカー
  • 技適マークが無い

「OnePlus 5」の初回レビュー記事を書いてから2ヶ月ほどが経過したので、アフターレビューをお届けします。

初めにお伝えしたいのは、筆者がこれまで触ってきた中華スマホの中で、OnePlus 5は最も満足度が高かったということ。手にした頃は、目新しさが無いので飽きてしまわないか…と危惧していましたが、使い込めば使い込むほど愛着が湧いてきて、すっかりHuawei Mate 9に次ぐメインスマホになってしまいました。

「2017年秋の中華スマホ決定版」とも言えるOnePlus 5の魅力を皆様へお伝えするため、あらゆる角度からレビューし、総評的な記事に仕上げてみました。

OnePlus 5

大きいのに軽いメタルボディ

OnePlus 5は、対角5.5インチのわりかし大きなディスプレイを搭載するスマートフォンですが、本体横幅は同インチのiPhone 8 Plusよりも3〜4mmスリムなので、片手でしっかりグリップできます。

画面左右のベゼル(縁)は2mm強あるため、流石にベゼルレスとは言い難いですが、無駄を省いたミニマムなデザインに仕上がっています。

背面は、サラサラした手触りのメタルボディとなっており、ガラスを用いたスマホに比べ指紋が目立たないのが嬉しいポイント。電波の通り道である樹脂製のアンテナバンドは、本体上下の目立ちにくい位置に設けられているので、ほぼ全面がアルミ素材で統一されています。

全体的にiPhoneのPlusとよく似ているため、無個性な印象を受けてしまいますが、このオーソドックスを極めたようなスタイルは嫌いじゃありません。

本体重量も持ち心地を大きく左右する要素ですが、OnePlus 5は大画面のわりに重量は抑えられており、保護フィルムを付けた状態で測ってみると155.9g(公称値は153g)でした。同インチのiPhone 8 Plusが202g、7 Plusが188g、ZenFone 4とHuawei P10 Plusが165gなので、5.5型スマホとしてはかなり軽い部類に入るのではと思います。

同じく中華ブランドのXiaomi(シャオミ)が開発した「Mi6」は、OnePlus 5とほぼ同じスペックを備えることから対抗機として挙げられますが、その持ち心地はまるで別物。

背面にガラスを用いたMi6は、5.15インチでありながら一回り大きなOnePlus 5よりも17.5g重い173.4g(保護フィルム装着時)なので、手に持つと沈み込むような重さを感じてしまいます。小さい分、余計に重く感じてしまう訳です。

Androidとしては最高峰のスペックが5〜6万円で手に入る

海外通販サイトでの実勢価格は5〜6万円といったところで、「中華スマホ」と聞いて皆が思い浮かべるような安価な機種ではありません。しかし、その“中身”はお値段以上の内容で、何を隠そう、現行のAndroidスマホとしては最高峰のスペックを備えています。

他社なら10万円してもおかしくないような怪物スペックを、その半額程度で実現したOnePlus 5は、まさに「フラッグシップキラー」の呼び名に相応しいものであり、コストパフォーマンスは抜群です。

Snapdragon 835に6GB or 8GBの大容量メモリ

核となるのが、人間でいえば頭脳にあたるパーツ「SoC」(システムオンチップ)で、OnePlus 5にはQualcommの最上位モデル「Snapdragon 835」が採用されています。

CPUは8つのKryo 280コアから成るオクタコアですが、高性能コアと省電力コアを使い分けるbig.LITLLE方式で、big側が4コアの2.45GHzでLITLLE側が4コアの1.9GHzという構成です。処理性能は旧世代のSD 820/821よりも20%ほど伸びています。グラフィックを処理するGPUとしては、「Adreno 540」が内蔵されており、こちらは旧世代よりも25%高性能化。

また、大容量な実行用メモリ(RAM)もOnePlus 5の強みで、下位版でさえ6GB、上位版ではなんと8GBものメモリを搭載しています。現在のスマホにおいて、ノートパソコン並の大容量メモリを必要とする場面は殆ど無いため、オーバースペックにも思えますが、惜しみなく注ぎ込んでいる様にはロマンを感じます。

ちなみに、日本でお馴染みの「ZenFone AR」よりもSoCの能力で勝り(SD821 < SD835)、「ZenFone 4 Pro」よりもメモリ量で勝る(6GB < 8GB)ため、現状これに対抗できるのはZTEのNubia Z17やXiaomi Mi MIX 2の特別モデルくらいです。

パソコンのSSD並に爆速なUFS 2.1ストレージ

ストレージに関しても一切の妥協がなく、「UFS 2.1」という転送速度が自慢の規格を採用することで、パソコンのSSD並の爆速を実現しています。ストレージ速度の測定アプリ「AndroBench」の結果をどうぞ↓

各種ベンチマークスコア

ベンチマーク各種のスコアをざっくり見ていきましょう。

お馴染みの「Antutu Benchmark」の総合スコアは18万点前半、CPUの能力を測る「Geekbench 4」はシングルコア:1,973点、マルチコア:6,860点、そしてグラフィック能力を測る「3DMark」のSling Shot Extremeは3,564点という結果に。

下のグラフは、Antutu BenchmarkのスコアをiPhone 8、iPhone 7、Huawei Mate 9と比べてみたものです。Apple A11 Bionicチップを搭載するiPhone 8は、総合スコア20万店超えという驚異的なスコアを叩き出していますが、それに次ぐのがOnePlus 5で、iPhone 7と同等もしくはそれ以上の性能を持っています。

急速充電「Dash Charge」によって、1時間で80%まで充電可能

OnePlus 5には3,300mAhのバッテリーが内蔵されており、たった1時間半でのフル充電を可能とするのが、OnePlus独自の充電規格「Dash Charge」。

電池残量が一桁でも、30分で50%、1時間あれば80%ほどまで溜まります。付属の充電器を使わなければならないという制約付きではあるものの、この爆速っぷりは素晴らしいですね。

電池残量を逐一ログとして残せる「Battery Mix」というアプリを使って、様々なスマホの充電時間を調べてみたので、下にそのグラフを貼っておきます↓

シンプルだが死角のない「Oxygen OS」

なんと完全に日本語対応

筆者を中華スマホの世界に導いてくれたのはXiaomiで、これからもこの会社のファンであり続けますが、万人にお薦めできるかと言えば微妙なところ。というのも、Xiaomiのスマホには、Androidをベースにメーカー独自のカスタムが加えられた「MIUI」が標準搭載されており、残念ながら日本語に対応していません。(最近は一部日本語化されている…とか)

OnePlus 5に載っているのもメーカー独自のカスタムROMで、その名も「OxygenOS」。しかし、なんと驚いたことに日本語のロケールファイルが標準装備されており、設定時に「日本語」を選ぶだけで完全な日本語化が可能です。

それも、一部は英語のまま…みたいな“にわかロケール”ではなく、OxygenOS独自の設定項目(3段トグルスライダーやジェスチャーなど)までもが完全に日本語化されているので、ぶっちゃけ今すぐ国内販売されてもおかしくない完成度。

各ボタンへショートカット機能を割り当てられる

一見するとシンプルなOxygenOSですが、かなり細かなカスタマイズが可能で、痒いところに手が届く感じのつくりとなっています。

例えば、各ボタンへのショートカット割り当て。Androidでお馴染みの3つのタッチボタン(ホーム、タスク、戻る)には、通常のタッチの他に長押しとダブルタップを割り当てることが出来て、3つのボタンで最大9つもの操作をこなせます。

筆者が特に気に入っているのが、電源ボタン2回押しによるカメラ起動。

設定アプリ内の「ボタン」の中にある「電源ボタンを2回押してカメラを起動」を有効にすると、端末がロック状態にあっても電源ボタンを素早く2回押すだけで即座にカメラアプリが立ち上がるため、ふとした瞬間を写真に収められます。

ゲームプレイ時のボタン無効化機能が優秀

RPGや音ゲーなど、横画面でプレイするゲームの場合、指の付け根あたりがタッチボタンに触れてしまうことってありますよね。「ゲームに没頭している時、ふと戻るボタンへ触れて中断してしまった…」みたいな、イライラを未然に防ぐのが「ゲーム中の妨害禁止」という機能で、これを有効にすれば3つのタッチボタンが全て無効になります。

これはXiaomi Mi6にも備わっていますが、Mi6の場合、タッチボタンを2回連続押しすると無効化機能が外れちゃうんですよね。OnePlus 5では、通知センターからオンオフするほか無いので、思わぬタイミングで誤作動してしまう心配がありません。

読書に最適な「閲覧モード」で画面をモノクロ化

暗い場所での読書やWebブラウジングには、「閲覧モード」がぴったり。

映像を暖色寄りにする機能(iPhoneで言うとNight Shift)は、他のスマホにもよく見られますが、OnePlus 5の閲覧モードではそれに加えてモノクロ化されるので、紙のような雰囲気を醸し出します。

ちなみに、三日月マークの「おやすみモード」を使えば、モノクロ化せずに暖色化できます。

カメラの画質もなかなか!デュアルカメラ搭載

カメラについてもチェックしておきましょう。

筆者は、デュアルレンズカメラが売りの「Huawei Mate 9」をメインスマホとして使っていますが、OnePlus 5も同じく2眼カメラを搭載しています。Mate 9に比べると接写や暗所撮影に弱い気がしますが、風景撮りなどであれば十分満足できるクオリティで、Mate 9の代わりに持ち歩いても良いかなと感じました。

撮影モードは、写真、ビデオ、ポートレート、プロモード、コマ撮り、スローモーション、パノラマの計7つ。(下の画像は英語ですが、しっかり日本語対応してます)

「プロモード」はいわゆるマニュアルモードで、ISO感度やシャッタースピード、ホワイトバランスなどを自在に調節できます。UIはシンプルで好印象ですが、個人的にはMate 9のカメラっぽい操作感の方が好きです。

では、いくつか作例を。それぞれの写真をクリックすると、原寸大表示できます。(スマホでご覧の方は通信量にご注意下さい!)

ちょっと光量不足ですが、背景が綺麗にボケてくれています↓

2,000万画素の望遠レンズを使った2倍ズームで撮ってみました↓ 左側が1倍で右側が2倍ズームとなります。細部までくっきりと写っていますね。

テーブルへ置いた状態でも使える指紋認証センサー。速度や精度も素晴らしい

今のスマホではごく当たり前のように組み込まれている指紋認証センサーですが、前面 or 背面へ搭載の2パターンに分かれます。それぞれ一長一短ありますが、OnePlus 5のような前面のホームボタンに内蔵されているタイプの場合、テーブルへ置いた状態でも使えるのはメリットですね。

認証速度や精度も素晴らしく、下の動画を見て頂ければ分かるように、指が触れたのとほぼ同時にロック解除されています。

OnePlus 5

残念なポイントもチェックしておきましょう

ここまでOnePlus 5の魅力についてお伝えしてきましたが、良いところばかりではなく、残念なポイントもチェックしておきましょう。

「ジェリースクロール現象」に要注意!

OnePlus 5のディスプレイはAMOLED(有機EL)のため、黒の沈み込みが美しく、くっきり鮮明な映像を映し出します。それは良いのですが、「ジェリースクロール現象」が残念。

致し方ない設計なのか、それともたまたまなのか、真相は定かではありませんが、何故かディスプレイユニットが上下反対に取り付けられており、その影響で動きに若干の歪みが生じてしまうのです。下の動画のように、画面を縦方向にスクロールする場面でそれが現れ、グニャングニャンとゼリー(ジェリー)のように歪んでしまいます。

筆者は鈍感なためかそれほど気になりませんが、長時間見続けていると目に悪そうですし、不快に思われる方は多いはずなので、購入前には把握しておきたいポイントです。

スピーカーが1つだけなので、横画面のゲームに不向き

ジェリースクロールの他に、惜しいな!と思ったポイントとしては、スピーカーが1つしか備わっていない点。

スピーカーは、本体底面のUSB-Cポートの左側に取り付けられており、本体を横向きにして両手で持つと見事に塞がってしまいます。おまけに、音質や迫力もイマイチなので、動画や音楽それにゲームを楽しむならイヤホンorスピーカーがお薦めです。

幸い、OnePlus 5は3.5mmイヤホンジャックをしっかり装備しているので、Bluetoothオーディオに馴染めない方でも安心です。

背面がサラサラなので滑りやすい

これはデメリットというより特性ですね。

OnePlus 5の背面はサラサラとしていて、手触りがとても心地よいですが、iPhone 8やXiaomi Mi6などのガラス背面の機種に比べると滑りやすいのが難点。しっかり握らないと落としてしまいそうです。

技適マークが無い

これはOnePlus 5限らず、国内未発売の海外スマホ全般に言えることですが、日本の電波法に基づいた「技術適合証明」いわゆる「技適マーク」がありません。つまり、これを日本国内で使えば法的にマズいので、購入と使用は自己責任ということになります。

まあ、「技適マークのないスマホを使って摘発」なんて話は聞いたことがありませんが…。

OnePlus 5のスペックと対応周波数帯

OnePlus 5の主なスペックは下の表のとおり。

OSAndroid 7.0 / Oxygen OS
プロセッサーQualcomm Snapdrgaon 835
CPU:8コア 2.45GHzx4 + 1.90GHzx4
GPU:Adreno 540
ストレージ64GB、128GB UFS 2.1
メモリ6GB、8GB LPDDR4X
ディスプレイ5.5インチ 1,920 x 1,080ピクセル AMOLEDディスプレイ
内側カメラ1,600万画素 1.0µm f/2.0 電子式手ぶれ補正対応 (IMX371センサー)
外側カメラ広角:1,600万画素 1.12µm f/1.7 電子式手ぶれ補正対応 (IMX398センサー)
望遠:2,000万画素 1.0µm f/2.6 (IMX350センサー)
バッテリー容量3,300mAh DashCharge(5V 4Aの急速充電)対応
拡張USB Type-C(2.0) x1、3.5mmオーディオジャック x1
SDカード非対応
センサーGPS、指紋認証、ホール、加速度、ジャイロ、近接、周囲光、コンパス、センサーハブ
SIMカードNano-SIM x2
幅 x 厚さ x 高さ74.7 x 7.25 x 152.7mm
本体重量153g
カラースレートグレイ(Slate Gray)、ミッドナイトブラック(Midnight Black)

対応周波数帯は以下のとおり。

  • FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/29/30/66
  • TDD-LTE:B38/39/40/41
  • TD-SCDMA:B34/39
  • UMTS(WCDMA):B1/2/4/5/8
  • CDMA EVDO:BC0
  • GSM:850/900/1,800/1,900MHz

FOMAプラスエリアには非対応ですが、そのLTE版であるB19はカバーしているため、ドコモ回線なら広いエリアで快適に使えるでしょう。また、LTEのB8やB28にも対応しているため、ソフトバンク回線を用いるワイモバイルとの相性も良いです。

OnePlus 5の販売状況と価格

最後に、OnePlus 5の販売状況と価格について。

筆者は、中華ガジェットの聖地GearBest.comで購入しましたが、Geekbuying.comやEtorenでも販売されています。業者によって価格はまちまちですが、6GB RAM + 64GB ROM版は400ドル後半(5〜5.5万円)、上位版の8GB RAM + 128GB ROM版なら500ドル後半(6〜6.5万円)が妥当なところです。

下に各業者へのリンクと価格をまとめておきましたので、興味のある方は販売ページをご覧下さい↓

OnePlus 5

おまけ:GearBestでお買い物する方法

「海外ガジェットは面白そうだけど、個人輸入には不安を感じる...」と、いまいち踏み出せない方へ。GearBestの使い方や決済方法について下の記事にまとめていますので、参考にして頂ければ幸いです↓

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