4年ぶりに刷新の2016年MacBook Pro登場!タッチバーや指紋認証搭載
- 2016-10-28
- 2017-10-26
Appleが先ほど開催した新製品発表イベント「hello again」にて、出るぞ出るぞと噂になっていた新型MacBook Proが遂に発表されました。
2012年のRetinaモデルを発売してからというもの、ぱっとしたアップデート無く約4年もの月日が経過、いよいよその影が薄くなり初めていたMacBook Proですが、久々に大幅刷新された新機種の登場です。MacBook Proユーザーの筆者としては、めちゃくちゃ嬉しいですよ!ありがとう、Appleさん!
今回は発表だけに留まらず、同時に発売まで宣言するなど、Appleのクリスマス商戦に向けてのやる気がひしひしと伝わってきます。
ファンクションキーを廃した代わりにRetinaディスプレイ内蔵のタッチバーを搭載したり、拡張ポートは全てUSB Type-Cに一新されたり、薄型化と軽量化が図られたりと、その容姿と機能をがらりと変えたMacBook Pro Late 2016。発表されて間もないですが、現時点で入手できる情報をまとめました。
目次
新型MacBook Proのスペック
今回発表された新型MacBook Proのスペックを表にしてまとめました。
MacBook Pro Late 2016 13インチモデル(タッチバー無し)
OS | macOS Sierra |
---|---|
プロセッサー | Intel 第6世代 Core i5-6360U、i7-6660U |
ストレージ | 256GB、512GB、1TBのPCIe SSD |
メモリ | 8GB、16GB 1866MHz |
ディスプレイ | 13.3インチ 2,560 x 1,600ピクセル IPS Retinaディスプレイ |
グラフィックチップ | Intel Iris Graphics 540 |
光学ドライブ | 無し |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間のバッテリ駆動時間 |
接続端子 | USB Type-Cx2、オーディオ端子x1 |
サイズ | 304.1 x 212.4 x 14.9mm |
本体重量 | 1.37kg |
MacBook Pro Late 2016 13インチモデル(タッチバーあり)
OS | macOS Sierra |
---|---|
プロセッサー | Intel 第6世代 Core i5-6267U、i5-6287U、i7-6567U |
ストレージ | 256GB、512GB、1TBのPCIe SSD |
メモリ | 8GB、16GB 2133MHz |
ディスプレイ | 13.3インチ 2,560 x 1,600ピクセル IPS Retinaディスプレイ |
グラフィックチップ | Intel Iris Graphics 550 |
光学ドライブ | 無し |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間のバッテリ駆動時間 |
接続端子 | USB Type-Cx4、オーディオ端子x1 |
サイズ | 304.1 x 212.4 x 14.9mm |
本体重量 | 1.37kg |
MacBook Pro Late 2016 15インチモデル
OS | macOS Sierra |
---|---|
プロセッサー | Intel 第6世代 Core i7-6700HQ、i7-6820HQ、i7-6920HQ |
ストレージ | 256GB、512GB、1TB、2TBのPCIe SSD |
メモリ | 16GB 2133MHz |
ディスプレイ | 15.4インチ 2,880 x 1,800ピクセル IPS Retinaディスプレイ |
グラフィックチップ | AMD Polarisアーキテクチャ Redeon Pro 450、455、460 |
光学ドライブ | 無し |
バッテリー駆動時間 | 最大10時間のバッテリ駆動時間 |
接続端子 | USB Type-Cx4、オーディオ端子x1 |
サイズ | 349.3 x 240.7 x 15.5mm |
本体重量 | 1.83kg |
画面のサイズと解像度は従来と変わらず。色域とコントラスト比が上がった
従来と画面サイズの変更は無く、13インチモデルと15インチモデルの2機種展開となりました。解像度の変更も無いものと見られ、13インチが2,560 x 1,600ピクセル、15インチが2,880 x 1,800ピクセルで、両モデルとも高精細で発色の美しいRetinaディスプレイを搭載します。
MacBook Proでは初めてP3カラーに対応し、sRGB(standard RGB)よりも25%豊富な色をカバー。加えてコントラスト比が67%上がったので、より鮮やかで細部の際立つ映像を映し出します。
がらりと変わったキーボード周り
MacBook Proのキーボード周りは根本から設計が見直され、TouchBarやTouch IDなど新たな技術が盛り込まれました。
今まで数年前の古臭さを漂わせていたMacBook Proですが、様々な変更点が加えられたことにより、Macの最先端デバイスへと変貌したのです。
一番の目玉はRetina液晶内蔵のタッチバー「TouchBar」
新MacBook Proの一番の目玉といえば、やはり「TouchBar」(タッチバー)でしょう。
従来モデルではファンクションキーが配置されていたキーボード上部、新MacBook Proでは物理キーボードのデザインに溶け込んだ黒い帯状のタッチバーに置き換えられました。本体上面のRetinaディスプレイとは別に、独立した第二のRetinaディスプレイが埋め込まれており、起動中のアプリやプログラムに応じて表示が変わるという、なんとも未来チックな作りが特徴的です。
AppleのMac開発に対するこだわりが凝縮され、とにかく高機能なタッチバー。操作に多少の慣れは必要だと思いますが、使いこなせればかなり便利なツールだと思います。
タッチバーにセットされる内容は、使っているアプリによって様々。カラー調節やタイピング時の入力候補など、Retinaディスプレイとタッチ操作でしか成し得ない直感的でスピーディーな操作を、手元の僅かなスペースで完結できます。
タッチバーを搭載するのは、最安でも178,800円(税別)の13インチ中間モデルからになります。13インチのエントリーモデルにタッチバーは搭載されてませんのでご注意を!
とうとうMacにも指紋認証センサーがやって来た
これまた大きな変更点の一つです。
新しいMacBook Proには、指を置くだけでユーザーを正確に判別する指紋認証センサー「Touch ID」が搭載されました。これまでiPhoneとiPadのみに留まっていたTouch IDですが、この度とうとうMacにまで勢力を拡大しました。
Touch IDと聞くと、iPhoneのホームボタン周りのキラリと光るリングを思い浮かべますが、Touch IDはタッチバーと一体になっており、バー右端の目立たない位置にさり気なく配置されています。
先日国内でも提供開始となったApple Payによって、更にその重要性が再認識されることとなったTouch ID。Macでもその利便性は受け継がれ、Apple Payでの支払いやシステムのスリープ解除をより円滑に済ませることが出来るほか、複数のログインユーザーを瞬時に切り替えることも可能です。
タッチバー非搭載の最下位13インチモデルには、指紋認証も備わっていませんので注意。
無印MacBookのような、バタフライ構造のキーボード
本体の更なる薄型化を実現するためか、新MacBook Proのキーボードはストロークの浅いバタフライ構造のものに変更されした。12インチの無印MacBookで初めて採用された薄型キーボード、これまでのノートパソコンと違い押しても殆どキーが凹まず、打鍵音を表現するならば「カチカチ」よりかは「ペタペタ」といった感じ。
クリック感を得にくい薄型キーボードに対し「打ちにくい!指が疲れる」といった非難の声から「これは予想外に良い!ようするに慣れだな」といった高評価まで、意見は賛否両論いろいろです。実際に薄型MacBookを何度となく手にして打ち心地を確かめてみた経験から、筆者的は今回のキー変更に対しそれほど悲観的ではありませんが、こればかりは長期的に使い込んでみないと何とも言えない部分です。
どうやら第2世代バタフライキーボードを採用したようで、従来よりも精度の高いタイピングを実現するとのこと。
大きくなった感圧タッチ付きトラックパッド
一度使うとやみつきになるほど心地良いトラックパッドが売りのMacBookシリーズ、現行機種は全て感圧タッチ式を採用し、グッと押し込む強めのクリックを認識します。
新しくなったMacBook Proでは、今までよりも更に大きなトラックパッドを備えています。特に15インチモデルのトラックパッドは広大で、おそらく従来の2倍は大きくなっているはずです。
従来の接続ポートは全て廃止!なんとUSB Type-Cポートを最大4つも装備
これはかなり衝撃的な変更点ですが、従来のMacBook Pro Retinaモデルに搭載されていたUSB、Magsafe、Thunderbolt、オーディオ端子、SDカードスロットなどは全て廃止、代わりに搭載されたのはUSB Type-Cで、タッチバー無しのエントリーモデルには2つ、タッチバー付きの13インチと15インチには4ポート搭載されています。
12インチの無印MacBookにも搭載されているUSB-Cは結構優れもので、充電からデータ通信、ディスプレイ出力までオールマイティーな使い方が出来る万能なUSBです。このポートには物凄いポテンシャルを感じさせられ、いずれデジタルガジェットの主流端子となるのではないかと予想されます。
USB-CはiPhoneのLightningケーブルのような両面リバーシブルタイプ、従来のような接続の面倒臭さは感じなくなるでしょう。
最大40GbpsのThunderbolt 3と最大10GbpsのUSB3.1 Gen 2、いずれも最新規格を取り入れており、高速なデータ転送が可能です。
今までMacBook ProやAirを使ってきた方にしてみれば、USB-C以外の端子を直挿し出来ない事に多少なりとも不便を感じることでしょう。しかし、拡張性が皆無の12インチMacBookユーザーにとっては、ある意味”救世主”的な存在にもなりえるのかもしれません。それにしても全部USB-Cにしてしまうとは、いつもの如くAppleらしい大胆な発想ではありますが、なんとも変態仕様なラップトップですね。(良い意味でも悪い意味でも)
USB-Cのデメリットは、まだまだ対応する周辺機器が少ないことでしょうか。今のところパソコン周辺機器はお馴染みのUSB Type-A接続が主流ですので、USB-C対応のフラッシュメモリや液晶ディスプレイ等の周辺機器は生産数が少なく割高です。USB-Cが誕生したのは2014年8月、まだ2年しか経っていないため現在の普及率は低いですが、今後の発展に期待したいところ。
とはいっても、今回のMacBook Pro登場に合わせたのか、Apple公式ストアではいち早くUSB-Cグッズのお目見えです。ちょうど今確認したところ、外部モニター「LG UltraFine 4K Display」と「LG UltraFine 5K Display」、外部HDD「LaCie 1TB P’9227 」が販売されていて、いずれも変換ケーブルを介さずに直で接続出来ます。
気になるのがその性能
“Pro”と名のつく限りは高性能なラップトップであることが前提条件となるわけですが、今回の新MacBook Proは従来よりも着実にスペックの底上げがなされています。
Intel第7世代CPU採用が期待された13インチだが、第6世代に留まる
新MacBook Proの13インチモデルはIntel第6世代(Skylake)のUプロセッサを採用、消費電力を抑えつつ実用的な処理性能を確保していますが、既に出荷されている第7世代CPUを搭載しなかったことにはガッカリ。いずれも、2コア/4スレッドで構成されるモバイル向けプロセッサです。
既に出荷されていて情報も豊富なSkylakeのUプロセッサ、公表されている定格クロックを当てはめると、搭載されているCPUの型番は以下のようになります。
タッチバー無しの13インチモデル
- 2.0GHz Intel Core i5-6360U
- 2.4GHz Intel Core i7-6660U(カスタム)
タッチバー付きの13インチモデル
- 2.9GHz Intel Core i5-6267U
- 3.1GHz Intel Core i5-6287U(カスタム)
- 3.3GHz Intel Core i7-6567U(カスタム)
15インチモデルでは第6世代Skylakeに留まるが、高性能
13インチと同様に、15インチモデルも一世代前の第6世代Skylake CPUに留まっています。MacBook Pro 15インチに相応しい性能を持つモバイル向けCPUといえば、Core i7のHプロセッサになる訳ですが、最新アーキテクチャであるKaby LakeのHプロセッサはまだ出荷されていませんので、これは当然の結果と言えるでしょう。
コア数スレッド数ともに13インチの倍、4コア/8スレッドのハイスペックなCPUです。
公表されている定格クロックと内蔵グラフィックから調べたところ、搭載されているCPUの型番は以下のようになります。
下位版15インチモデル
- 2.6GHz Intel Core i7-6700HQ
- 2.9GHz Intel Core i7-6920HQ(カスタム)
上位版15インチモデル
- 2.7GHz Intel Core i7-6820HQ
- 2.9GHz Intel Core i7-6920HQ(カスタム)
どうやら今年末から来年の初め頃に出荷されるようなので、もしかしたら来年はKaby Lake CPUを搭載の15インチモデルが登場するかもしれません。
独立グラフィックチップはAMDの「Radeon Pro」
15インチモデルに積まれた独自グラフィックボードはNVIDIA製では無く、AMD製の最新アーキテクチャ「Polaris」世代のGPU「Radeon Pro」を採用しました。下位版ではRadeon Pro 450を、上位版ではRadeon Pro455を標準搭載しており、4GBのVRAMを積むRadeon Pro 460へカスタマイズも可能です。
Polaris GPUはパワフルでありながら省電力性に優れており、高いグラフィック性能が問われるVR(バーチャルリアリティ)ソフトウェアの動作にも対応できるとのことです。
ただ、まだMacに対応したVRソフト、ハードともに数少ないため、今後の展開に期待といったところですね。
15インチの内蔵SSD最大容量は2TB!従来の2倍に
優秀なプロセッサ性能を最大限に活かすため、PCIe接続の高速なSSDをストレージとして搭載しています。15インチモデルの内蔵SSDは購入時に最大2TBまでカスタム可能、従来の2倍大容量です。
動画制作ソフトのプロジェクトファイルを複数保存しても圧迫されない高速ストレージ、但し256GBベースからカスタマイズすると14万円が加算されるので、ポチるには相当な勇気が必要です。
13インチは従来と変わらず、最大1TBまでカスタム可能です。
従来モデルよりも軽く薄く
新しいMacBook Proの本体重量は15インチモデルが1.83kg、13インチモデルが1.37kgで従来よりも軽量化に成功しています。本体の厚みは15インチが15.5mmで2.5mm薄く、13インチが14.9mmで3.1mm薄くなりました。
従来のMacBook Proの難点として、本体が厚くて重いすなわちモバイル性の低さが挙げられます。MacBook Airの存在に加えて、2015年に12インチMacBookが登場したことによりダブルパンチを食らい、モバイル性に関してMacBook Proの時代遅れ感は日に日に増していた訳です。
厚さは18mmとギリギリ許容範囲といえますが、15インチモデルの重量は2.04kgと結構ヘビー。まさに筆者がMacBook Pro 15インチユーザーになるわけですが、充電器合わせて2kgを軽々オーバーしてしまうパソコンを持ち運ぶ事を考えると、億劫な気持ちになってしまうことが多々ありました。今回の軽量化はとても嬉しいポイント、筆者にとっては待ちに待ったデバイスですので、時期を見計らって買い替えも検討しています。
新型MacBook Proの発売日と価格
新型MacBook Proの発売は今日10月28日よりApple公式ストアにて開始されますが、タッチバー搭載のモデルは出荷まで2、3週間ほど掛かるとのこと。それぞれの販売価格は以下のとおりです。
MacBook Pro 13インチ Late 2016
- Core i5 2.0GHz + 256GB SSD(タッチバー無し):148,800円 (税別)〜
- Core i5 2.9GHz + 256GB SSD:178,800円 (税別)〜
- Core i5 2.9GHz + 512GB SSD:198,800円 (税別)〜
MacBook Pro 13インチモデルを購入 – Apple
MacBook Pro 15インチ Late 2016
- Core i7 2.6GHz + 256GB SSD:238,800円 (税別)〜
- Core i7 2.7GHz + 512GB SSD:278,800円 (税別)〜
MacBook Pro 15インチモデルを購入 – Apple
旧モデルとの違いを10個ピックアップ、分かりやすくまとめた記事「2016年版MacBook Pro、10の大きな変更点【新旧比較】」もありますので、そちらも併せてご覧下さい。