2016年MacBook Proの本領を発揮する、USB-C対応の周辺機器

  • 2016-11-02
  • 2017-10-26

先日発売が開始された「MacBook Pro」、良くも悪くも大きな反響を読んでいますが、記事をお読みのあなたは買いますか? それとも見送りますか?

筆者は軽量で持ち運びしやすい13インチへの乗り換えを視野に入れているのですが、購入前にどうしても気になるのが拡張性。新MacBook Proの拡張ポートは、USB Type-Cが4つ又は2つにオーディオ端子が1つ、旧モデルのようにHDMIやSDカードスロットを使いたいならハブを通さなければいけません。おまけに、USB-C対応の周辺機器ってあまり数多く出回っていないのが現状なのです。

とは言っても、MacBook Proに採用されたUSB Type-Cは、Thunderbolt 3(最大40Gbps)とUSB3.1 Gen 2(最大10Gbps)に対応しているため、転送速度に関しては文句なしの性能なんですね。

この高速な転送速度を活かして最大限の拡張性を確保しつつ、決してケーブルだらけアダプターだらけにならない、クールで実用的な作業スペースを構築するというのが一番の課題点。新MacBook Pro購入の下調べも兼ねて、快適なワークスペース作りに一翼を担うようなUSB Type C(Thunderbolt 3)対応の周辺アクセサリーをまとめました。

Anker USB-C to 3-Port USB 3.0 Hub with Ethernet Adapter

Anker USB-C to 3-Port USB 3.0 Hub with Ethernet Adapter

モバイルバッテリーでは超有名ですが、実はパソコンの周辺機器にも力を入れているメーカー「Anker」(アンカー)。USB Type-Cを3つのUSB 3.0ポートとEthernet(有線LAN)に拡張するハブを見つけました。メタリックな筐体がMacBook Proと映えそうで、デザインはシンプルでなかなか良い感じです。

3つのフルサイズUSBへ変換出来るのはもちろん、有線LANケーブルでネットに繋げられるのは嬉しいポイントなのですが、あくまでもEthernetはオマケ程度のようで、速度をフルに活かせるのかは疑問。また、バスパワー(外部電源無し)タイプのハブですので、外付けハードディスクやスマートフォンを繋いだ時に電力不足に陥りそうで怖いです。

本体がコンパクトなので、出張用のカバンに入れておけば何かと重宝するかもしれません。

Anker USB-C to 3-Port USB 3.0 Hub with Ethernet Adapter

LOE 高耐久ナイロン2in1ケーブル USB-C & Lightning / MicroUSB

LOE 高耐久ナイロン2in1ケーブル USB-C & Lightning / MicroUSB

一見するとUSB-CをLightning端子に変換する充電ケーブルに見えますが、実はMicro USB端子としても使えるという優れもの。これ一本あれば、iPhoneやiPadだけでなく、Micro USB搭載のAndroidスマホやWi-Fiルーターも充電できるので、外出の際には大変重宝しそうですね。

ケーブル外装は高耐久のナイロン素材で作られており、耐摩耗性に優れているのもポイントです。

LOE 高耐久ナイロン2in1ケーブル USB-C & Lightning / MicroUSB

RAVPower 26800mAh モバイルバッテリー

RAVPower 26800mAh モバイルバッテリー

モバイルバッテリーは数多くありますが、「RAVPower 26800mAh モバイルバッテリー」はMacBookやiPhoneをはじめとするスマートフォン、それにタブレットやモバイルルーターなどなど、数多くのデバイスを充電できます。

お値段は約7千円と高価ですが、26,800mAhもの超大容量なバッテリーを搭載しており、最大3台同時充電も可能というツワモノです。

Type-C端子を使えば最大30Wで充電が可能です。MacBook Pro Late 2016 15インチモデルの純正充電器は87Wですが、30W出力の当バッテリーでの動作報告が挙がっており、充電速度は遅いものの確実に残量が増えるとのことです。MacBook Pro Late 2016 13インチモデルと12インチMacBookも充電できるので、ノマドワーカーにとっては手放せない強力な相棒となるでしょう。

RAVPower 26800mAhモバイルバッテリー (PD対応 USB-Cケーブル付)

OWC USB-C Dock

OWC USB-C Dock

Ankerのハブも良いのですが、MacBook Proに備わるUSB-Cの本領を発揮するような、本格的な拡張ハブは無いものかと探していたところ、Other World Computing(OWC)から発売されている拡張ドックに行き着きました。

どうやらUSB-Cが1ポートしか備わっていない12インチMacBook向けに作られた製品のようで、USBだけでなくオーディオ、ディスプレイ、SDカードまで、ありとあらゆる周辺機器に対応する万能な拡張ドックです。

OWC USB-C Dock 拡張ポート

OWC USB-C Dock Commercial – YouTube

これ一つあれば至高のMacBook Pro環境を構築できそうですが、難点はそのお値段と、15インチをサポートしていない点。

直販だと149.99ドル(約1万6千円)、Amazon.co.jpで探してみたところ3万円近くで出品されていました。やはり一般向けに浸透したUSB周辺機器と比べUSB Type-C対応機器はまだまだ選択肢が限られており、生産数が少ないためか価格もお高めです。

また、MacBook Pro Late 2016の15インチモデルに限っては、動作サポートしていませんので、注意が必要です。

Other World Computing USB-C Dock for MacBook

Satechi Aluminum Type-C Pro Hub

この記事を公開してから半年後、このハブをリストに追加しました。安価なUSBハブじゃ物足りないけど、OWC USB-C Dockほどの本格仕様は望まないという方におすすめしたいのが、Satechiというメーカーの「Aluminum Type-C Pro Hub」。

上の写真を見て頂ければお分かりかと思いますが、この製品はケーブルを必要としないハブで、2016・2017年のMacBook Pro 13インチまたは15インチに直付け出来る仕組みとなっています。楽々と持ち運べるコンパクトボディで、外出先でも程よい拡張性を得られます。

Power Deliveryにも対応しているため、MacBook Proへ電力を供給しながら作業することも可能。自宅専用の据え置きハブとしても大活躍しそうです。

Satechi Aluminum Type-C Pro Hub

G-Technology G-DRIVE mobile USB-C

G-Technology G-DRIVE mobile

こちらは、USB-C接続の外部ハードディスクで、容量は1TBです。2.5インチHDDの回転数は5400rpmが大半ですが、G-Drive mobile USB-Cは33%速い7200rpmと高速、大きなファイルの転送時にその違いを実感出来ることでしょう。

上下面はMacとの相性が良さそうなアルミボディ、厚みは1cmちょいで重量は0.37lbs(167g)と軽量なので持ち運びに最適です。

しかしお値段は1万円は優に超し、通常のUSB接続の1TB HDDと比べると割高感は目立ちますね。

G-Technology (HGST) G-DRIVE mobile 1TB 0G04879AZ

Samsung T3シリーズ SSD

Samsung T3 ポータブルSSD

HDDと違って物理アクセスのないSSD、めちゃくちゃ速い転送速度と耐衝撃性が魅力的です。ポータブルSSDの代表格とも言えるSamsungのT3シリーズは、USB3.1 Gen.1(USB-C)に対応していて、SSDの高速な転送速度を最大限まで活かすことが出来ます。

先ほど紹介したG-Drive mobile含め、ポータブルHDDは本体重量100gを超える製品が当たり前です。しかし、SSDであるSamsung T3シリーズはわずか51gとモバイル性の良さにも惹かれ、新しいMacBook Proのお供には最適な製品でしょう。

ストレージの容量不足は、MacBook Proの購入時に内蔵SSDをアップグレードすれば解決しますが、如何せん追加料金が割高なのです。動画編集ソフトのプロジェクトや写真などの頻繁に使う大型ファイルはポータブルSSDに保存して、内蔵のSSDにはOSやアプリケーションなどの最小限のデータしか置かない、といった使い分けが重要だと思います。

容量は250GB500GB1TB2TBがラインナップされています。HDDと比べると容量あたりの価格が高いSSDですが、250GBや500GBは割りと手の出しやすい価格帯に収まっています。

Samsung 外付けSSD 1TB T3シリーズ

LG 27インチ4Kディスプレイ 27UD88-W

LG 27UD88-W

お次は液晶ディスプレイです。

MacBook Proから映像を外部ディスプレイへ出力するにあたっては、従来のようなHDMIやMiniDisplayPortではなく、これまたUSB-Cポートを使う事になります。

変換アダプターを用いれば従来のディスプレイへ難なく接続出来て一件落着!なのですが、新しいもの好きの筆者としてはUSB-C接続のディスプレイに大いに惹かれるわけで…。あれやこれや探してるうちに見つけたのがLGの27UD88-Wという液晶ディスプレイ。

毎日の日課のごとく、YouTubeで海外のガジェット系チャンネルの動画を楽しんでいたところ、9to5Macという超有名なチャンネル(本家はニュースサイトです)の動画にて紹介されていたのが、この27UD88-Wです。12インチMacBookとの連携の様子が実に分かりやすくまとめられており、今すぐにでもポチりたくなるような物欲そそられる動画でしたよ…。

Review: LG 27UD88 a 4K USB-C Monitor for 12″ MacBook – YouTube

画面サイズは27インチで解像度は3,840 x 2,160ピクセル、最近良く聞く”4K”ディスプレイになります。2つのHDMIと1つのDisplayPortに加えて、USB Type-Cを1つ備えているので、アダプターを通すこと無くMacBook Proと直接接続出来ます。極限まで細いベゼル、引き締まったデザインもグッドです。

27UD88-Wの真価は、背面に備えられた2つのUSB 3.0出力ポート。液晶ディスプレイと同時にUSBハブとしても機能するため、USB接続の周辺機器を接続可能、台数は2台までに限られますがそこそこの拡張性を手に入れることが出来ます。液晶ディスプレイと周辺機器への接続、それにMacBookへの給電をUSB-Cへ一本化出来る、めちゃくちゃスマートな液晶ディスプレイです。

LG 27UD88-W 背面ポート

LG 27インチディスプレイ 4K解像度/USB Type-C/AH-IPS非光沢 27UD88-W

LG UltraFine Display

LG UltraFine Display

この前のMacBook Pro発表会で、Appleが何気なく紹介した液晶ディスプレイ「LG UltraFine Display」。実は、今は亡きApple純正ディスプレイ「Thunderbolt Display」に代わるほどの重要な役目を担う製品とも言われており、新MacBook Proをヒットさせるための隠し玉とも捉えられます。

ラインナップは21.5インチ・4K解像度(4,096 x 2,304)のUltraFine 4K Displayと、27インチ・5K解像度(5,120 x 2,880)のUltraFine 5K Displayの2製品。いずれも、現行iMacの2機種と同じサイズと解像度です。

Retinaディスプレイ同様に超高解像度で、UltraFine 5K Displayなら4K動画をドットバイドット表示させても余白が残ります。

LGとAppleがタッグを組んで作り上げた特別な液晶ディスプレイで、Mac側に備えられたファンクションボタンで画面の明るさを調節したり、ディスプレイ内蔵のスピーカー音量もMac側で調節出来たりと、Macとの連携に重きをおいた作りが特徴的です。

USB-Cは4つ装備、ディスプレイ入力の1ポートの他にデータ転送として使える拡張用3ポートを備えているので、そこそこの拡張性も手に入れられます。

しかし、拡張用の3ポートには決して見逃してはならない注意点があり、5Kモデルは最大5GbpsのUSB 3.1 Gen 1規格を取り入れていますが、4Kモデルはなんと一昔前のUSB 2.0規格で転送速度は480Mbps。Apple純正品に代わるディスプレイなので、まさかUSB 2.0を採用してしまうとは思ってもいませんでした。

そして良い意味でも悪い意味でもAppleライク、Macとの連携は魅力的ですが背面に備え付けられたポートはUSB Type-Cのみ、出来ればフルサイズのUSBをちょこっと付けてくれたら嬉しかったんですけどね…。

LG UltraFine 4K Display

M-AUDIO M-TRACK 2X2M

M-Track 2X2M

DTMや音楽制作に携わる方でなければ馴染みの無い機器かもしれません。マイクやMIDIキーボードとパソコンとの仲介役を担うオーディオインターフェイス、その殆どがデスクトップパソコン向けに作られたフルサイズUSB接続、しかし中にはUSB Type-C対応の変わり者も存在します。その中の一つが、オーディオ機器では名高いメーカーM-AUDIOが提供する 「M-TRACK 2X2M」です。

マイク・ライン入力x2、楽器入力x2、スピーカー出力x2、MIDIx2(IN・OUT)、ヘッドフォン出力x1、そしてUSB-C接続に対応。非常に拡張性の高いオーディオインターフェイスですが、同クラスの製品とほぼ同じ水準もしくは若干割安な価格で購入できるのは驚き。約1万5千円で購入できます。

そもそもノートパソコンでDTMやるのは間違っているぞ!との声も聞こえてきそうですが、それは個人のスタイルによると思うし、プロ級の凝った作業をしなければiPadだって相当なポテンシャルを秘めていると思います。まあただ、新MacBook ProがDTMに向いているか?と聞かれれば、決してYESと頷く事は出来ませんが…。

M-Audio 24bit/192kHz オーディオMIDIインターフェイス M-Track 2X2M

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