似ているようで実は全くの別物!MacBookとASUS ZenBook 3を比較
- 2016-11-08
- 2017-02-06
先日ASUSが発売開始したノートパソコン「ZenBook 3」、何よりも薄くて軽いボディを売りとしており、そのモバイル性はAppleのMacBookをも上回ります。なのにプロセッサはIntel第7世代のCore i5またはi7、メモリは8GBまたは16GBを搭載しており、MacBookを上回るばかりか13インチMacBook Proに匹敵するほどの処理能力を備えています。
MacBookもZenBook 3も、薄型軽量なUltrabookであるという共通点は持っていますが、スペックや価格面での違いは大きく、似ているようで実は全くの別物なのです。ASUSがZenBook 3を発表するにあたって、確実にライバル視したMacBookやそのシリーズたち、両者を多方向から比較してみて、それぞれの長所と短所をまとめてみたいと思います。
- ZenBook 3の販売ページ:ASUS ZenBook3 UX390UA-256G - ASUS Shop
- MacBookの販売ページ:MacBookを購入 - Apple(日本)
ZenBook 3と12インチMacBookのスペック比較
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サイズ・重量 |
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パフォーマンス
まず気になるのがそのパフォーマンス。ZenBook 3とMacBook、MacBook Proの性能をベンチマークを基に比較、結果を下のグラフにまとめました。
省電力を重視、ファンレスのMacBook
12インチの薄型MacBookの特徴は、消費電力が極めて少ないCore Mプロセッサを採用している点、また冷却ファンを備えていない点です。Core m3-6Y30、Core m5-6Y54、Core m7-6Y75の3モデル、各CPU間には10%程の性能差が生まれます。
最上位モデルのm7はMacBook Proに迫るほどの性能を持っていますが、それでも省電力プロセッサの域を出ず、高負荷な動画編集等には不向きです。しかし、ネットブラウジングやオフィスワーク程度であれば難なくこなせます。
MacBookよりも薄くて軽く、より高性能なZenBook 3
ZenBook 3の最大の売りは、MacBookよりも薄くて軽いのにMacBookよりも高性能なプロセッサを搭載していること。下位版(256GB SSD + 8GB RAM)ではCore i5-7200U 2.5GHz、上位版(512GB SSD + 16GB RAM)ではCore i7-7500U 2.7GHzを積んでおり、動作クロックからも分かるようにCore Mと比べるとその性能差は一目瞭然、処理によっては最大で2倍近い差が生まれます。
ノートパソコン向けのメインストリームであるCore iのUシリーズ、MacBook Proの13インチでも同じくUプロセッサを採用していますが、ZenBook 3では一世代新しいIntel第7世代(Kaby Lake)を採用しています。つまり、ZenBook 3は12インチMacBookを軽々飛び越して、MacBook Pro 13インチと同等の処理性能を持っているということになります。
メモリを最大16GB積めるZenBook 3
ZenBook 3はメモリにおいてもMacBookを凌駕しており、クロックはMacBookの1,866MHzに対しZenBook 3は2,133MHz、またZenBook 3の上位版では16GBものメモリを搭載しています。MacBookでは最大というか標準で8GB、更に最近のMac OSはWindowsよりもメモリを多く食い気味なので、16GBのメモリを積んだ上位版のZenBook 3の需要は確実に有ると思います。
メモリに関して言えば、ZenBook 3は現行のMacBook Proシリーズと同等、グラフィック系のソフトを動かす際に威力を発揮するでしょう。
モバイル性
MacBookも十分持ち運びやすいが、更に薄くて軽いZenBook 3
Appleが2015年に満を持して発表した薄型MacBookですが、ここ最近はMacBookと同等もしくはそれ以上のモバイル性を持ったWindowsラップトップが続々と登場しています。
例えば、今年9月のIFA 2016にて発表されたAcer Swift 7や、圧倒的な軽さが魅力のNEC Lavie Hybrid ZERO、ラグジュアリーなHP Spectreなどなど…。モバイル性を極めたUltrabook郡、その新たな仲間としてZenBook 3が加わりました。
MacBookは厚み13.1mmで重量920gに対し、ZenBook 3は厚み11.9mmで重量は910g。まあこの差を大きく見るか小さく見るかは人それぞれではありますが、高い性能を持ちつつモバイル性を損なわぬ作りを実現しているZenBook 3にはやはり惹かれるものがあります。
既にノートパソコンの限界に達しつつある
ZenBook 3に限らず多くのUltrabookが登場する度に、ノートパソコンの薄型・軽量化はほぼ限界に達しつつあると、筆者はつくづく実感しています。
軽量かつ頑丈な新素材、これから生まれるであろう新しい省電力プロセッサ採用など、ノートパソコンのモバイル性を更に高める方法は幾つか思いつきますが、今できうるほぼ全ての工夫を凝らしたのが現行の製品だと思います。また、これ以上の薄型化や軽量化を目指すよりかは、電池持ちや性能の向上へシフトチェンジしていって欲しいと願います。
キーボードの打ち心地、操作性など
キーストロークはZenBook 3の方が若干深め
MacBookで初めて採用され、今年発表された薄型MacBook Proにも備わったバタフライキーボード。本体の薄型化に大きく貢献しているのは確かですが、必然的にキーストロークは浅くなり、0.2〜0.3mmという激薄キーは少なからず不評を呼びました。筆者は好きですけど…。
対しZenBook 3のストロークは0.8mm、バタフライキーに比べればそれなりの押しごたえを感じられますが、やはり薄型ノートらしい出来栄えで別段快適とは言い難いです。入力の快適さという面では、どちらも同等かなと思います。
トラックパッドの操作性にこだわるならやはりMacBook
筆者がMacBookを使い続けている理由の一つとして、トラックパッドの操作性が挙げられます。
昔から非常に使いやすいと評判だったMacのトラックパッドですが、最近のMacBookは物理アクションの無い感圧式トラックパッドを採用しているようで、実機を幾度となく触っていますが、やはりWindows機には到底真似出来ない完成度です。
ハード的な完成度はもちろんのこと、そもそもMac OSがトラックパッドを想定して作り込まれているからこそ、この上なく快適な操作性を実現しているのです。
指紋認証センサーを備えたZenBook 3
これはとっても便利です。ZenBook 3のトラックパッド右上部分には、指紋認証センサーが取り付けられています。Windows 10から実装された「Windows Hello」という認証機能を使い、スムーズかつ安全なログインが出来ます。
ちなみに、指紋認証センサーはMacBookに備わっておらず、先日発表された2016年MacBook Proのタッチバーありモデルのみに搭載されました。
バッテリー駆動時間
徹底的な省電力化とリチウムイオン電池の拡大化によって、最大10時間のインターネット利用が出来ると公称しているMacBook。確かにプロセッサは紛れもない省電力型ですが、液晶ディスプレイがZenBook 3よりも高解像度であるために、両者とも電池持ちは同等だと推測できます。
負荷の掛かる作業をさせなければ、1日ぎりぎり持つと思いますが、ZenBook 3はより高性能なプロセッサを積んでいるために電力消費も大きくなっているので、電池持ちは用途によりけりといったところです。
価格の比較。どちらが買いなのか?
「MacBook高い」ってよく聞くけど、ZenBook 3も結構なお値段
よく「MacBookは高い!」って聞きますけど、ZenBook 3も決してリーズナブルではありません。
ASUS直販サイトにて、下位版(i5 + 256GB SSD + 8GB RAM)が150,984円、上位版は(i7 + 512GB SSD + 16GB RAM)に至っては199,584円と20万円近いお値段です。MacBookの最上位モデルは税込み187,704円ですので、ZenBook 3の上位モデルはそれよりも更に1万円以上上乗せされることになります。
コストパフォーマンスは両者とも同等
ではZenBook 3のコスパは悪いのか?と聞かれれば、一概に悪いとは言い難く、そもそもZenBook 3はMacBookを凌駕する性能を持っています。性能あたりの価格、つまりコストパフォーマンスはZenBook 3の方が優れているのでは、というのが筆者の考えです。
では、ZenBook 3の上位版と同等のスペックへカスタマイズMacBookシリーズ、両者の価格を比較してみます。
フルカスタマイズしたMacBook
今回の比較対象であるMacBookをフルスペックまで盛ってみましょう。とはいっても、カスタマイズ出来るのはプロセッサのみ、最上位であるCore m7を選ぶと15,000円が加算され、お値段合計173,800円、税込み187,704円です。
ZenBook 3上位版と同等スペックにカスタマイズした13インチMacBook Pro
お次は13インチMacBook Proです。
ZenBook 3と同等のスペックになるようカスタマイズ、プロセッサは最上位のCore i7を選び、メモリは8GBから16GBへ引き上げました。そのお値段はZenBook 3の約20万円を超え、合計248,800円で消費税含めば268,704円です。
高精細なRetinaディスプレイを搭載し、拡張性に優れた13インチMacBook Proですが、内部スペックはZenBook 3とほぼ変わらず。なのにも関わらず、両者の間には7万円もの差が生まれてしまいました。
モバイル性と共に、性能とコスパを重視するならZenBook 3
ZenBook 3の魅力は、薄くて軽いボディに高い性能を盛り込んだこと。モバイル性と高性能の両立を求めるのであれば、ZenBook 3はとても良い選択肢と言えます。
また、上の検証結果でも分かるように、MacBookやMacBook ProをZenBook 3と同等スペックへカスタマイズしてみると、両者の間には軽視できない程の価格差が生まれました。ZenBook 3はコスパ抜群なマシンとは言えませんが、それでもMacBookシリーズよりかは割安で購入できます。
ZenBook 3はは下のリンクから購入できます。
- ZenBook 3の販売ページ:ASUS ZenBook3 UX390UA-256G - ASUS Shop
Mac OS好きならMacBook。拡張性を求めるならMacBook Pro
これは大前提ですが、ZenBook 3を含むWindows機でMac OSは動きません。従って、Mac OSを使いたければ必然的にMacBookを選ぶこととなります。
また、ZenBook 3の難点の一つとして拡張性の低さが挙げられます。MacBook同様、USB Type-Cポートとオーディオジャックを1つずつ装備しており、時と場合によってはポート不足に悩まされるかもしれません。
MacBook Proなら2つ又は4つのUSB-Cを装備しているので、拡張性を求める方にオススメです。
MacBookは下のリンクから購入できます。
- MacBookの販売ページ:MacBookを購入 - Apple(日本)
- MacBook Proの販売ページ:MacBook Proを購入 - Apple(日本)
ブログ、拝見させていただきました。
高校に入学したらパソコンを買ってもらうことになっており、WindowsかMacで悩んでいるのですが、WindowsであればASUSのZenBook3を考えており、大変参考になりました。
ありがとうございます。