2016年版MacBook Pro、10の大きな変更点【新旧比較】
- 2016-10-28
- 2017-10-26
今日の深夜2時から始まったAppleのイベントにて発表され、早くも大きな話題を呼んでいる2016年の新型MacBook Pro。
第二のRetinaディスプレイを内蔵するタッチバーやTouch ID指紋認証センサーを初めとする、注目すべき新機能と変更点が数多く加えられ、2012年のRetina MacBook Pro登場以来の4年ぶりのメジャーアップデートモデルになりました。
2016年版MacBook Proと一世代前の2015年モデルを比較、注目すべき10の変更点をピックアップしました。見た目と内部スペック共に大きく変化したMacBook Pro、盛り沢山すぎてどこからご紹介すべきか迷ってしまいますが、1〜10まで重要度の高い順に並べたつもりです。
これから買い替えを検討されている方の参考になれば幸いです。
目次
10の大きな変更点
今回の新たに登場した2016年MacBook Proは、主に10つの変更が施されました。下のリストをクリックすると、各トピックへジャンプします。
- 薄く軽くなった
- ファンクションキーがタッチバーに置き換わった
- Touch ID指紋認証センサーが備わった
- ポートは全てUSB Type-Cに
- キーボードのストロークが浅くなった
- トラックパッドが大きくなった
- 15インチでは最大2TBのSSDを選べるように
- 処理性能も確実に底上げ
- カラーにスペースグレイが加わった
- 若干値上がりしたが、円高効果で相殺され国内ではほぼ据え置き
薄く軽くなった
まず何よりも、筆者が最も注目したのが「タッチバー」ではなく…本体の薄型化と軽量化です。
何故かって…? 現在15インチのMacBook Pro Retinaを使っているのですが、これがまた分厚くて2kg超えで、持ち運びの度に結構なストレスを感じていたわけです。従来より210g軽い2016年版MacBook Proは、筆者含め15インチユーザーにとって悲願のモデルチェンジと言えるでしょう。
今どきの超薄型ラップトップと比べると厚みと重量ともに飛び抜けて優れてはいないものの、旧モデルと比較すれば着実に持ち運びやすくなっていることが分かります。
13インチモデルの本体サイズ・重量
もともと割りとコンパクトで15インチよりかは携帯性に優れていたMacBook Pro 13インチモデル、今回の新モデルでは3.1mm(17%)薄く210g(8%)軽くなっています。
ちなみに、かつて「空気の様に軽い」と言われたMacBook Air 13インチは厚み17mm重量1.35kg、今回登場したMacBook Proによって完全に立場を無くしてしまいました。
- 本体サイズ【旧】:横314 x 縦219 x 厚み18mm
- 本体サイズ【新】:横304.1 x 縦212.4 x 厚み14.9mm(3.1mm薄く)
- 本体重量【旧】:1.58kg
- 本体重量【新】:1.37kg(210g軽く)
15インチモデルの本体サイズ・重量
15インチモデルでは2.5mm(14%)薄く210g(6%)軽くなっており、13インチモデルほどのモバイル性向上には至りませんでしたが、着実な進化を遂げています。13インチよりも高性能なプロセッサやGPUを搭載しているので、薄型化にあたって排熱の問題が大きく絡んでいるような気がします。
- 本体サイズ【旧】:横358.9 x 縦247.1 x 厚み18mm
- 本体サイズ【新】:横349.3 x 縦240.7 x 厚み15.5mm(2.5mm薄く)
- 本体重量【旧】:2.04kg
- 本体重量【新】:1.83kg(210g軽く)
ファンクションキーがタッチバーに置き換わった
今回盛り込まれた新要素の中でも、一際目を引くのが「Touch Bar」(タッチバー)でしょう。非常に斬新なアイディアを取り込んだタッチバー、本体のメインディスプレイとは別に独立した帯状のRetinaディスプレイを内蔵、まるでiOSデバイスのようなマルチタッチ操作に対応しています。
旧モデルではファンクションキーが設置されていたキーボード上部、物理キーを廃してタッチバーに置き換えられました。
新型MacBook Proの発表プレゼンで最も強調していたタッチバー、これまで古臭さを感じさせていたMacBook Proですが、Appleの最先端技術をいち早く取り込んだことによって未来感溢れるデバイスに仕上がりました。
使用中のアプリケーションによって表示が変わる
ディスプレイ内蔵のタッチバーは、ユーザーが使用しているアプリケーションによってダイナミックにその表示が変化、第二のワークスペースとして活用できます。「キー」ではなくその名の通りの「バー」として、物理キーでは決して成し得ない直感的な操作性を実現しています。
より快適なタイピング
Safariのブックマーク管理、タブ切り替え
画像編集のツールバーとして活用
動画編集、音楽制作ソフトのタイムライン操作
Touch ID指紋認証センサーが備わった
利便性を向上されるもう一つの目玉機能、それはMac初搭載となるTouch ID指紋認証センサーです。iOSデバイスではiPhone 5sで初採用となったTouch ID、新しいMacBook Proでは黒いタッチバーの右端にさり気なく配置され、電源ボタンの役目も担います。
本体内蔵に備えられたApple T1チップでユーザーセキュリティ性を確保、Apple Payでのスムーズな支払いやiOSのようなスピーディーなログイン、複数ユーザーの切り替えも瞬時に行えます。
ポートは全てUSB Type-Cに
新たなMacBook Proでは拡張ポートも一新、これまで12インチMacBookのみに留まっていたUSB Type-Cを2つ又は4つ搭載し、発表会ではUSB Type-C規格の素晴らしさをアピールしました。
新MacBook Proに搭載されたUSB Type-Cは、全ポートでThunderbolt 3(最大40Gbps)とUSB3.1 Gen 2(最大10Gbps)をサポート、いずれも旧モデルの2倍の転送速度を誇ります。外部のストレージやディスプレイを繋げれば、その高速なデータ転送速度を惜しみなく活かせるでしょう。
代わりに従来のモデルで備わっていたMagSafe充電ポート、フルサイズのUSB、HDMI、MiniDisplayPortは全て廃され、拡張端子はUSB Type-Cと3.5mmオーディオジャックのみという、なんとも大胆な仕様変更が施されました。とはいっても、USB-CからUSBやディスプレイ端子へ変換するアダプターや下のようなドッキングステーションを用いれば、従来の機器も繋げることが出来ます。
Other World Computing USB-C Dock for MacBook
ちなみに、Appleはこの新MacBook Proをクリエイターに向けて推したいためか、USB-C接続の4K又は5Kの高解像度ディスプレイ「LG UltraFine Display」をリリース。現状ではまだまだUSB-C対応機器は少ないものの、今後数年でUSB-Cは一般向けに浸透してゆく事でしょう。
キーボードのストロークが浅くなった
本体の薄型化に伴い、新MacBook Proのキーボードはバタフライ構造に変更され、キーのストロークはかなり浅くなりました。旧型のMacBook ProとMacBook Airはキーストロークが1mmほどありましたが、新たに採用されたバタフライキーは0.2〜0.3mm程しか沈みません。
2015年に発表された薄型12インチMacBookに合わせて設計された薄型キーボード、押し込んだ時のタイプ感をさほど得られないため、ユーザーにより評価はまちまちです。
今回のMacBook Proには第2世代のバタフライキーボードが採用され、従来よりも安定が向上したとのことで、その打鍵感はぜひとも実機で試してみたいところ。
トラックパッドが大きくなった
キーボード下に設けられた感圧式のトラックパッドは従来よりも大幅に大型化、2倍ほどにスペースが広くなったようです。
「トラックパッドが異常に使いやすい!」と毎回定評のあるMacBookシリーズですが、新しいMacBook Proではこれまでよりも更に快適な操作性を得られることでしょう。正直、旧型に搭載されたトラックパッドはもはや完成形だと確信していましたので、今回の更なる進化には驚いています。
もし、MacBookで一番好きなところは?と聞かれたら、筆者は間違いなく「トラックパッドだ!」と声を大にして答えるでしょう。
15インチでは最大2TBのSSDを選べるように
旧モデルでは最大1TBもの大容量SSDを選べるMacBook Pro、新しい15インチモデルでは更に2倍増量された2TBもの超大容量SSDへアップグレード可能です。但し256GBをベースに2TBへアップグレードすると+14万円と超高額、よほどのヘビーユーザーでなければ無縁の話ですね。
PCIe接続の高速な転送速度に加えて2TBもの容量を持つSSD、ヘビーな動画制作ソフトのプロジェクトファイルをより多く保存したり、沢山の写真を詰め込んだりと、グラフィック系クリエイターにはかなり喜ばれそうな仕様変更です。
処理性能も確実に底上げ
新MacBook Proは便利な機能が盛り込まれただけでなく、内部スペックも確実にアップグレードされました。
CPUはIntel第6世代(Skylake)プロセッサ
プロセッサは13インチ15インチどちらも、Intel第6世代(コードネーム:Skylake)のCore i5及びi7が搭載され、従来よりも若干スペックアップし電力効率にも優れています。
最近ではIntel第7世代KabyLakeアーキテクチャのCPUが登場した一方で、旧型の13インチは第5世代Broadwell、15インチに至っては第4世代HaswellのCPUを積んでおり、MacBook”Pro”といいつつも明らかに時代遅れ感の否めない仕様でした。最新のKabyLake採用が期待されていた13インチモデルは残念ながら一世代前のSkylakeに留まりましたが、一先ずは時代のギャップを埋めた事になります。
従来と同じく、13インチでは2コア4スレッドのUプロセッサ、15インチではよりパワフルな4コア8スレッドのHプロセッサが採用されました。
15インチモデルの独立GPUが大幅にパワーアップ
毎度恒例の15インチモデル上位版だけに搭載を許されてきた独立GPU、新型MacBook Proではなんと下位版にも標準で搭載し、グラフィック性能の底上げが図られました。
旧モデルと同じくAMD製GPUですが、最新アーキテクチャPolaris世代の「Radeon Pro」シリーズにアップグレードされ、性能と省電力性が向上しました。カスタマイズオプションには、従来の2倍の4GBのVRAMを備えるRadeon Pro 460も存在しており、最大2台の5Kディスプレイを繋いでパワフルなワークスペースを作ることが可能です。MacBookシリーズの最頂点として君臨するに相応しい、高いパフォーマンスを備えています。
Radeon Proを搭載した15インチモデルのグラフィック性能は、旧モデルよりも最大130%高性能になったとのこと。
カラーにスペースグレイが加わった
さり気なくカラーバリエーションも追加されており、従来の「シルバー」に加えて「スペースグレイ」が新たに登場。
今回の発表イベント前には、12インチMacBookやiPadと同じ4色展開になるのでは?と予想されていましたが、結局ゴールドとローズゴールドは登場せず2色展開に落ち着きました。
ちなみに、従来ではプラスチックで作られていたヒンジ部分、新モデルでは無印MacBook同様にアルミニウムに変更されました。筐体が全てアルミで統一されたため、その外観は”ちょっと分厚いMacBook”といった印象です。
若干値上がりしたが、円高効果で相殺され国内ではほぼ据え置き
米国向けの販売価格は、13インチで旧モデルよりも200ドル底上げ、15インチで旧モデルよりも300〜400ドル高くなりました。しかし、円高ドル安傾向が進んだ最近のドル円レートで相殺されたためか、国内向けには旧モデルとほぼ同等の価格で販売が開始されました。
13インチモデル 新旧価格比較
- 最下位モデル:1,299ドル(148,800円)→1,499ドル(148,800円)
- 中間モデル:1,499ドル(172,800円)→1,799ドル(178,800円)
- 上位モデル:1,799ドル(208,800円)→1,999ドル(198,800円)
MacBook Pro 13インチモデルを購入 – Apple
15インチモデル 新旧価格比較
- 標準モデル:1,999ドル(224,800円)→2,399ドル(238,800円)
- 上位モデル:2,499ドル(282,800円)→2,799ドル(278,800円)
MacBook Pro 15インチモデルを購入 – Apple
最後に:新旧スペック比較表
旧13インチ vs 新13インチ
OS |
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プロセッサ |
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グラフィック |
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メモリ |
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ストレージ |
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ディスプレイ |
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Touch Bar Touch ID |
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拡張端子 |
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サイズ・重量 |
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旧15インチ vs 新15インチ
OS |
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プロセッサ |
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グラフィック |
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メモリ |
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ストレージ |
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ディスプレイ |
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Touch Bar Touch ID |
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拡張端子 |
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サイズ・重量 |
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