ThinkPad X1 Carbon 2018(WQHD・LTE版)が到着したので軽くレビュー
- 2018-06-04
- 2018-07-12
前々から購入を検討していたノートPC「Lenovo ThinkPad X1 Carbon」の2018年モデルが届いたので、画像交えたライトな実機レビューをお届けします。
今回の2018年モデルは、コア数倍増のIntel第8世代CPUを搭載したことで、旧型(7世代CPUの17年版)に比べ性能が著しく向上。しかしながら、駆動時間や筐体の大きさ・重さはそのまま保っているので、より実用志向な一台に仕上がっています。
今のところ欠点らしい欠点は見当たりませんが、きっと使い込んていくうちに見えてくる部分もあるはず。詳細なレビューは今夏までお待ち下さい。
目次
ThinkPad X1 Carbon 2018を選んだ5つの理由
メインのラップトップとして、なぜ「ThinkPad X1 Carbon」2018年モデルを選んだのか。決め手となった要素は以下の5つ。
1. 大画面でも持ち運びやすい
主な用途はブログ更新や写真・管理編集、サイトのコーディング等で、常に2つ以上のウィンドウを同時に表示しながら作業しています。ディスプレイの大きさはいわば机の面積と同じようなもので、大きい(広い)ことに越したことはありません。しかしながら、画面が大きくなるとボディも嵩張りがちなので、バランスの見極めが重要になります。
ThinkPad X1 Carbonは、14インチの大画面を搭載していながら、自慢のカーボン製ボディによって1.13kgという軽さを実現しており、2017/2018モデルは従来機よりもベゼルを狭めることでさらなる小型化も実現。大画面でありながら持ち運びやすい、その条件にピッタリ合致したのです。
2. US配列のキーボード
ふと思い返せば、ここ1~2年のあいだ使っているパソコンは全て中国製。それも日本未発売の物ばかりなので、当然キーボードはUS配列です。もうすっかりUS配列に馴染んでしまったので、今さらJISと仲良くするのは難しいでしょう。
Huawei MateBook Xやacer Swift 5あたりも検討してみましたが、案の定JIS配列オンリー。一部例外もありますが、基本的にThinkPadシリーズはUSかJISどちらかを選べるので、これもまた決め手になりました。
3. 赤ポッチ(トラックポイント)
実をいうとX1 Carbonを手にするのはこれが初めてではなく、約一年半ほど前、Lenovo様より2016年版の実機をお借りしてレビューしています。トラックポイント通称「赤ポッチ」の利便性に心を打たれたのもその時です。
一昔前なら、ThinkPadの他にもトラポを備えるパソコンはいくつか存在しましたが、今となっては骨董品。トラポ欲しいなら、ThinkPad一択になります。
4. 単体でLTE通信できるWWANモジュール
+16,200円の有料オプションになりますが、WWANモジュールを追加することでX1 Carbon単体でLTE通信が出来ます。必須という訳ではありませんでしたが、テザリングの手間を省けるのは有り難いことですね。
LTE対応パソコンといえば、他にもマイクロソフトのSurface ProやパナのLet’s noteシリーズが挙げられますが、前者は性能のわりに高価、後者は単にデザインが自分好みではありませんでした。
5. 地味過ぎる外観
HP Spectreみたいなラグジュアリーなデザインは、あまり好きになれません。それに比べると地味すぎるThinkPadですが、個人的には大変気に入っています。
開封の様子と付属品チェック
黒地のパッケージには紅白の「ThinkPad」「X1」ロゴが描かれており、開封前からワクワクさせてくれます。
梱包状態も完璧。
USB Type-C接続の充電器、それをコンセントへ繋ぐためのメガネ型ケーブル、その他説明書等が付属してきました。
充電器とメガネ型ケーブルを繋ぐとこんな感じ↓で、嵩張るため持ち運ぶ気にはなれません。
でも大丈夫。X1 CarbonはUSB-PDをサポートしており、それすなわちPD対応モバイルバッテリー + USB-C to USB-Cケーブルの組み合わせで充電可能。
ちなみに、今回は45Wのものを選びましたが、1,080円上乗せすれば高出力な65W充電器が手に入ります。
全身真っ黒なカーボンボディー
本命のX1 Carbon本体をチェックしていきます。
2017年と2018年モデルは、ブラックの他にシルバーカラーもラインナップされていますが、ThinkPadらしさに重きを置いて今回はブラックモデルを購入。全身真っ黒クロスケ。
表面はマットな手触りで、ポリカーボネート製のパソコンに比べれば指紋は目立ちにくくなっていますが、それでもやはり汚れてしまうのはブラックモデルの宿命ですね。シルバーモデルを求める方の気持ち、わかった気がします。
上蓋を開いてみました。
以前レビューした2016年モデルが横333 x 縦229mmに対し、今回の18年モデルは横323.5 x 縦217.1で、縦横共に1cmほど削られています。16年モデルは一週間の貸出機だったので、記憶頼りの曖昧な比較しかできませんが、1cmという数字以上に引き締まった印象を受けました。
東海道線グリーン車のテーブルへ乗せてみた様子↓ 思いのほか余裕があり、パソコンを端に寄せれば飲み物やオツマミも置けそうです。
斜めから見るとこんな感じ↓
ディスプレイ左下には「Lenovo」のロゴが。また、ヒンジ部分に注目してみると、筐体と同じブラックに塗装されていることがわかります。(従来機はシルバー)
ヒンジは180度開けるので、上から覗き込むような姿勢でも問題なし。
盗撮スパイウェアからユーザーを保護するべく、画面上部にあるWebカメラには、カメラを物理的に隠せる「ThinkShutter」が新設されました。
ThinkPadシリーズの売りの一つであるキーボード。十分な沈み込みがあるため、確かな打鍵感を得られ、長時間タイピングしていても疲れません。MacBookみたいなペチペチとした音ではなく、モコモコと鈍い音で、静音性にも大変優れています。
G・H・Bキーの真ん中には感圧式トラックポイントがあり、こいつを人差し指でグリグリすれば、入力フォームを保ったままポインターを動かせます。独特の操作感なので初めのうちは戸惑いますが、使い慣れてしまえばトラックパッド要らずで作業できますよ。
トラックパッド右側には四角い指紋認証センサーがあります。予めWindows Helloの設定を済ませてあれば、指を触れるだけでパスコード打つこと無くログインできます。認証されてからアンロックのメッセージが出るまで、1秒ほどラグを感じるものの、概ね快適です。
裏面にはゴム足と給気口があり、シンプルにまとまっています。
14インチのWQHD液晶
ThinkPad X1 Carbonは14インチのディスプレイを搭載しますが、以下4つのオプションが用意されており、用途と予算に応じて選べます。
- 1,920 x 1,080ピクセル 非光沢
- 1,920 x 1,080ピクセル 非光沢 タッチ対応
- 2,560 x 1,440ピクセル 非光沢
- 2,560 x 1,440ピクセル 光沢 HDR対応
今回選んだのは、3番目の2,560 x 1,440ピクセル(WQHD解像度)の非光沢タイプで、ベーシックなFHD・非光沢に14,040円プラス。
調べ物や記事作成等であればフルHDで全く不便感じませんが、写真編集では高解像度ディスプレイが重宝します。もちろん、解像度が増すと共に消費電力も増えてしまいますが、もともとX1 Carbonは駆動時間長めな機種なので、少しくらい縮まったところで支障は無いだろうと判断しました。
さらなる高みを目指すなら、WQHD非光沢よりも7,560円高価な「WQHD・光沢・HDR」になりますが、映像美と非光沢を天秤にかけるなら後者を優先したいので、こちらはパス。
WQHDそのまま100%原寸表示だとこんな感じ↓ デスクトップパソコン同然の作業スペースですが、流石にこれでは文字が小さすぎて近眼になってしまいそう。
125%がベストかな?表示領域は2,048 x 1,152で、フルHDを気持ち広げたような感じ。
150%(1,706 x 960)はデカすぎかなぁ…。
下の画像は125%で、左側でブログ更新を、右側でWebサイトをフルサイズで表示している様子。
SIMカードを入れて通信してみる
16,200円上乗せしてWWANモジュールを追加すれば、SIMカードを装着することでLTE・3Gでのデータ通信が可能になります。スマホのテザリングやポケットルーター使わずとも、パソコン単体で通信できるので、モバイラーにとっては正に理想形。
これまで(2017・2016)はMicro SIMスロットだったのに対し、今作18年版は遂にNano-SIMへ変更され、今どきのスマホと同じ規格になりました。良い判断!
X1 Carbon注文と同時に、回線も新たに契約しました。選んだのは格安SIM「mineo」(マイネオ)の通話無し・データ専用「シングルタイプ」で、ドコモプランよりも速度が速いと噂のauプラン。爆速なUQmobile選べよ!なんてツッコまれそうですが、UQのデータ専用プランだと月々3GBの「データ高速プラン」もしくは上限500kbpsで無制限の「データ無制限プラン」に絞られてしまうため、プランに柔軟性のあるmineoに決めました。とりあえず、試しで3GBプランを契約しましたが、運用に不満を感じなければ6GBや10GBにアップグレードするかも。
スマホと同じ要領でAPN設定をすれば使えるようになる…はずですが、なかなか掴んでくれず、一度再起動したらすんなり繋がりました。
比較的回線が空いている11:00ごろ速度測定を行ったところ、下り105Mbpsを叩き出してしまいました!
X1 Carbonの対応周波数帯は以下のとおり↓ ドコモのFOMAプラスエリア + プラチナバンド共にカバーしていますし、auもソフトバンクも完璧です。
- FDD-LTE:B1, B3, B8, B11, B18, B19, B21, B26, B28
- TD-LTE:B41, B42
- W-CDMA(3G):B1, B6, B8, B9, B11, B19
i7ではなく、あえて「Core i5 8250U」をチョイス
2018年版X1 CarbonはIntel第8世代のCore i5またはi7を選択可能で、いずれも4コア・8スレッド構成。2コア・4スレッドの7世代CPUと比べると、マルチコアでの処理性能が著しく向上しています。
性能と価格の低い順に並べると、i5-8250U、i5-8350U(+16,200円)、i7-8550U(+16,200円)、i7-8650U(+45,360円)で、最安のi5-8250Uと最高のi7-8650Uでは4.5万円もの価格差があります。では、性能差を把握すべく、Passmarkのベンチマークスコアを比べてみましょう。
i7-8550Uはi5-8250Uよりも8%ほど、i7-8650Uはi7-8550Uよりも9%ほど高く、i7-8650U(最上位)はi5-8250U(最下位)よりも18%ほどハイスコア。この差を大きいと見るか否かは人それぞれですが、少なくとも筆者は微々たる差を捉え、最下位のi5-8250Uが最もコストパフォーマンスが良いと感じました。
CPUのアップグレードに投じる予算があるならば、RAMやストレージの増強へ回したほうが賢明でしょうね。
最後に:購入から納品までの流れ
今回の構成をまとめるとこんな感じ↓
Windows 10 Home 64bit + Core i5-8250U + 8GB RAM + 128GB SATA M.2 SSD + WWANモジュール + USキーボード + 45W充電器
お値段は263,520円ですが、ほぼ常に配布されているEクーポンの適用で89,597円割り引かれ、173,923円で購入できました。元のお値段を吊り上げてお買い得感を与える商法(言い方悪すぎ)です。
納品までの流れはこんな感じ↓
- 5月9日:注文(到着予定6月5日)
- 5月22日:出荷の案内が届く(到着予定が5月29日へ早まる)
- 5月23日:日通NECロジスティクスの追跡画面へアクセスできるように
- 5月27日:国内入り
- 5月29日:無事到着
手元のX1 Carbon 2018では格安SIMでLTE接続できなかったので少し確認させていただけますか?
Windows10はバージョン1803でしょうか?また、Fibocom L850-GLのドライババージョンはいくつでしょうか?
私の端末はWindows10バージョン1803、Fibocom L850-GLのドライババージョンは10.0.17134.1になっています。
auのデータSIMではLTE接続できたのでハードウェアの問題ではないはずで、ドライバのバージョン等を疑っているのですがLenovoサポートでははっきりとした回答が得られませんでした。
よろしければ、回答お願いいたします。
調べてみました。Windows 10のバージョンは1709、Fibocom L850-GLのドライバーは0.9.4.42をインストール済みです。
ドコモ回線のSIMとau回線(mineo Aプラン)のVoLTE SIMをテスト済みですが、どちらも至って正常ですね…。
回答ありがとうございます。
Windowsの初期化をしてもダメだったので、再度サポートに問い合わせましたが案の定相性としか言われませんでした。mineo(Aプラン, Dプラン)、IIJmio(Aタイプ, Dタイプ)すべてダメだったので相性でもないと思うのですが…
pasoju様と私のデバイスの今の差分はWindows10のバージョンだけだと思うので、Windows10をアップデートしたあとの接続の可否も余裕があればコメントしていただけると大変ありがたいです。