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iPhone X 発表!ほぼ全て画面で顔認証に対応の10周年記念モデル

  • 2017-09-13
  • 2017-11-03

Appleは9月12日10:00(日本時間13日2:00)、新本社「Apple Park」に併設された「スティーブ・ジョブズ・シアター」にてイベント行い、自社の新たなスマートフォン「iPhone X」を発表しました。

初代iPhoneが誕生した2007年から数えて今年は10年の節目を迎えるということで、名前の末尾にはローマ数字で“10”を表す「X」が。これまでの集大成でありながら、新時代を見据えた数多くの新要素が盛り込まれた、10周年を飾るアニバーサリーモデルとなっています。

本体前面は縁ギリギリまで有機ELディスプレイが埋め尽くし、未来的なベゼルレスデザインを実現。つまり丸いホームボタンと同時に指紋認証「Touch ID」が廃された訳ですが、代わりに採用されたのが顔認証システム「Face ID」で、前面上部に設けられたカメラとセンサーを組み合わせてユーザーの顔を読み取る仕組みです。

背面表面には、従来のアルミではなくガラスが用いられ、これによりケーブル要らずなワイヤレス充電に対応しました。カラーバリエーションはスペースグレイとシルバーの2色展開。

カメラは性能も機能も大幅な進化を遂げ、背面のデュアルレンズカメラは広角と望遠の両方で光学式の手ぶれ補正に対応したほか、背面カメラは4K動画の60fps撮影に対応しています。

SIMフリーモデルの販売価格(税別)は64GBモデルが112,800円、256GBモデルが129,800円。10月27日から予約注文を受け付け始め、11月3日に発売されるとのこと。

iPhone X – Apple(日本)

10周年記念の意がこめられた“X”

代々、名前の末尾にナンバリングが添えられてきた(SEを除き)iPhoneシリーズですが、今作はアラビア数字ではなく“X”です。かつてのMacintosh OS「Mac OSX」(マック・オーエス・テン)と同様に、iPhone Xは「アイフォーン・テン」と呼び、“X”はローマ数字で「10」を意味します。

なぜ、7sでも8でもないかって?それは、言うまでもありません。iPhone 2Gつまり初号機が誕生したのは2007年6月29日の出来事で、それから数えて今年2017年は10年を迎えるため、10周年記念の意をこめて「iPhone X」と名付けられました。

iPhone Xの主な仕様

OSiOS 11
プロセッサーApple A11 Bionicチップ
ストレージ64GB、256GB
メモリ現在確認中
ディスプレイ5.8インチ 横1,125 x 縦2,436 OLEDディスプレイ
内側カメラ700万画素 ポートレートモード、1080pの動画撮影、アニ文字
外側カメラ広角1,200万画素+望遠1,200万画素のデュアルレンズカメラ 4K/60fpsでの動画撮影に対応、デュアル光学式手ぶれ補正
バッテリー容量容量は現在確認中 ワイヤレス充電技術「Qi」に対応
拡張Lightning端子x1
SDカード非対応
センサーGPS、気圧計、ジャイロ、加速度、近接、環境光、顔認識
SIMカードNano-SIM
幅 x 厚さ x 高さ143.6 x 7.7 x 70.9
本体重量174g
カラースペースグレイ、シルバー

ベゼルレス化により刷新されたデザインと作り

前面には5.8インチ 2,436 x 1,125ピクセルのOLEDディスプレイ

本体前面には5.8インチのSuper Retinaディスプレイが備えられ、過去のどのモデルよりも高解像度な縦2,436 x 横1,125ピクセルです。縁ギリギリまで画面で埋め尽くされており、未来感のあるデザインとなっています。

また、これまではIPS液晶が用いられてきたiPhoneですが、Xはプレミアムモデルに相応しいOLED(有機EL)が初採用されています。

有機ELディスプレイは、バックライトを持たずに素子が自ら発光する仕組みのため、奥の深い黒色を再現できるのが強みです。明るい屋外では液晶に比べて視認性が損なわれがちという、バックライトを持たないがゆえの弱点もありますが、実際の発色や使い心地に関しては現物を見ないと何とも言えないところ。

主要な機構が集約される上部の切掛け

ディスプレイ上部には見慣れない形の切掛けがあり、ここにはカメラや顔認証のためのセンサー類、受話口などが取り付けられています。

「せっかく他の3辺はベゼルレスなのに、この上部だけ凸型だと不格好では?」という声も聞こえてきそうですが、前面はブラックで統一されているため、黒地の壁紙を設定すれば、画面と筐体が同化したような感覚を得られるでしょう。

丸いホームボタンの廃止

ベゼルレス&フルスクリーン化と引き換えに、iPhoneの顔とも言える「丸いホームボタン」が遂に無くなりました。

その代役を担うのが画面の下端に表示される細長いバーで、上へスワイプするとホームへ戻り、スワイプして止めるとタスク画面(使用アプリの履歴)を表示するなど、ジェスチャーによる全く新しい操作方法が導入されています。これには賛否両論ありそうですが、慣れてしまえば直感的で扱いやすい…かも?

ホームボタンと同時に、ボタン内に内蔵されてきた指紋認証センサー「Touch ID」も廃され、代わりに顔認証システム「Face ID」(後述)が組み込まれています。

ワイヤレス充電に対応するため、背面にはガラスが用いられる

本体背面には、従来のアルミではなくガラスが用いられていますが、どうやら単なる原点回帰ではないようです。というのも、iPhone XにはiPhone初となるワイヤレス充電(後述)が実装されていますが、金属筐体では充電器から発せられる磁束を遮断してしまうため、ガラス採用は必然と言えます。

背面のメタルフレームと相まってプレミアムモデルらしい高級感をまとっており、デザインの面においても良い選択だとは思いますが、長時間持っていると指紋や手の脂で汚れてしまいそうなので、保護ケースは必須アイテムとなりそうです。

また、傷の付きやすさ・目立ちやすさも懸念点で、数日間使い込むとたちまち擦り傷だらけになる「ジェットブラック」の二の舞だけでは避けて欲しいですね。

赤外線カメラとプロジェクタによる顔認証「Face ID」に対応

先ほどもお伝えしたとおり、廃止されたTouch IDの代わりに、顔認証システム「Face ID」が新たに採用されました。

画面のロックを解除するには、まず自身の顔をiPhoneへ向け、Androidスマホみたく画面下から上へスワイプします。また、Apple Payでの支払い時には、iPhoneを見つめてからサイドボタンを2回押します。

本体上部には赤外線センサーとドットプロジェクター、それに投光イルミネーターが内蔵されており、暗所でもユーザーの顔を読み取ることが出来るほか、ニューラルエンジンとの合せ技で誤認識の確率はTouch IDの20/1=100万回に1回の割合まで減らせたとのこと。

また、絵文字と自分の表情を連動させる「アニ文字」もFace ID対応のiPhone X限定の機能で、新しいチャット体験が出来ます。

ワイヤレス充電「Qi」に対応

「Qi」(チー)によるワイヤレス充電に対応したのも注目ポイントで、マット状の充電器の上にiPhone X本体を乗せるだけで、内蔵バッテリーが充電される仕組みです。(従来のケーブル充電にも対応)

スマホやパソコンの周辺アクセサリーを開発・販売するBelkinとMophieから、iPhone Xおよび8/8 Plusに対応したワイヤレス充電器がリリースされるとのことで、こちらは別売り。iPhoneとApple WatchとAirPodsを同時に充電できる「AirPowerマット」なるApple純正の充電器も明かされていますが、こちらは2018年に登場とのこと。

カメラも大幅な進化を遂げる

4K動画の60fps撮影、フルHDでの240fps撮影に対応

背面カメラは従来と変わらず1,200万画素ですが、4K動画が60fpsで撮れるようになりました。30fpsからフレーム数が倍増されたので、より滑らかな映像を残せます。

スローモーション撮影に関しても強化され、以前は720p止まりだった240fps撮影が、iPhone XではフルHDでも可能になりました。

広角レンズと望遠レンズの両方が光学式手ぶれ補正に対応

光学式の手ぶれ補正に関しても強化され、以前は広角レンズのみの対応でしたが、iPhone Xでは広角と望遠の両方に補正が掛かる「デュアル光学式手ぶれ補正」へアップグレードされました。

着実に底上げされた内部スペック

Apple A11 Bionicチップ

iPhone 7のA10 Fusionチップでさえ、現状あるスマホとしてはトップクラスの性能を誇りますが、iPhone Xおよび8/8 Plusにはその後継型「A11 Bionic」が採用され、更なる性能向上を実現しています。

CPUは、2基の高クロックコアと4基の効率重視コアから構成されるヘキサコア(6コア)で、4コアA10 Fusionよりも多コア化。

Appleによれば、CPU能力はA10 Fusionに比べ20%、グラフィック能力は30%向上したとされ、単純計算するとAndroidスマホにおける最高級SoC「Snapdragon 835」を越える性能を備えていると思われます。

ストレージは64GBと256GB。512GBの大容量モデルは実現せず

前々から噂されていたとおり、最小のストレージ容量が32GBから64GBへ引き上げられ、64/256GBの2モデル展開です。更に倍増された512GBが登場するかも?との予想がありましたが、それは実現せず、今回は256GBまでに留まりました。

容量底上げの背景にあるのは、先ほどご紹介した4K@60fps動画撮影への対応です。1分ちょい撮るだけで1GBほど消費してしまう計算になりますから、確かに以前の32GBでは物足りないですよね。

販売価格は最安でも999ドル=112,800円から。予約開始は10/27、発売は11/3

販売価格は64GBモデルが999ドル、256GBモデルが1,149ドルで、噂されていたとおり史上最も高価なiPhoneになりました。10月27日から予約注文を受け付け始め、11月3日に発売されるとのこと。

Appleストアにて、日本円での販売価格も公表されており、いずれも税別で64GBモデルが112,800円、256GBモデルが129,800円となります。

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