iPhone Xを3日間使い込んだので、長所・短所や使用感をまとめる
- 2017-11-06
- 2017-11-06
iPhone Xを手にしてから3日が経ちましたが、じっくり使い込んでいくうちに良いところも悪いところも分かってきたので、要素別にまとめてみました。
新要素やかつてない斬新なデザインが取り入れられた同機種ですが、残念ながらその全てが使いやすさに直結する訳ではなく、現時点では「新しいもの好きのための一台」に過ぎないと思いました。
相当癖の強いスマホなので、「むしろiPhone 8や8 Plusの方が良い」という声も聞こえてきます。購入を考えておられる方は目新しさばかりを注視せず、メリット・デメリットの両方からジャッジし、本当に12万円もの価値があるのか冷静に考えてみましょう。
有機ELのSuper Retinaディスプレイがめちゃくちゃ綺麗
iPhone Xには、iPhoneとしては初となるOLED(有機EL)のディスプレイが採用され、コントラスト比が上がったことで色鮮やかな映像を映し出せるほか、より深みのある黒色を再現出来るようになりました。
また、縦2,436 x 横1,125の画面解像度とピクセル密度458ppiという数値は、iPhone史上最も優れており、Retinaの精細さを更に高めたと言う意味合いで「Super Retina HDディスプレイ」と命名されています。高画質動画や小さな文字まで、ありとあらゆるコンテンツが印刷物を超える滑らかさで表示されるので、ディスプレイの究極と言っても良いかもしれません。
ただ、「True Tone」は好きになれません。
初期セットアップの段階で勧められるこの機能は、環境光を分析してディスプレイのホワイトバランス(寒色↔暖色)を適切に調整するというものですが、どんな状況においても黄ばんてしまい、尿液晶ならぬ「尿有機EL現象」が起こります。
特殊な画面解像度にアプリが対応しきれていない
5.8インチの大きなディスプレイにより、得られる情報量は格段に上がり、iPhone 8とさほど変わらないサイズ感ながらホーム画面にはPlusと同じく縦7 x 横4 = 28個のアプリを並べられますし、Webページやマップの閲覧も快適です。
しかし、現時点ではこの特殊な解像度に対応していないアプリが多く、YouTubeやTwitterなどの有名どころは全て対応済みかと思いきや、LINEやPokemon GOなどは非対応。せっかく広い画面を備えているのに、一部のアプリはそれを活かしきれず、画面上下に黒い帯が現れてしまいます。
現時点での対応状況は以下のとおり↓
- YouTube:対応
- Google Map:非対応
- Google Photos:対応
- Google Chrome:対応
- Twitter:対応
- Facebook:対応
- Instagram:対応
- DropBox:対応
- ニコニコ動画:対応しているが、ボタン類が画面下のバーに干渉する
- Pokémon GO:非対応
- LINEディズニーツムツム:非対応
- アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ:非対応
- バンドリ! ガールズバンドパーティ!:非対応
設計やデザインは「惜しい!」が本音
これまでのAppleプロダクトといえば、足しても引いても駄目になってしまいそうな計算し尽くされたデザインというイメージがありましたが、iPhone Xからはどうもそれが感じられず、「かなり無理をしているな〜」という印象を受けます。
まずボディとディスプレイの関係についてですが、このiPhone Xは「オールスクリーン」や「ベゼルレス」を売りにしているものの、実のところ左右のベゼル幅は従来のモデルとほぼ同じ。
フレームと黒枠合わせて4mmあり、Galaxy Note 8やHuawei Mate 10の方がスタイリッシュと感じるのは筆者だけじゃないはず。どうせやるならもっと突き詰めて欲しかった!というのが正直な感想です。
また、画面上部の切り欠け(センサーハウジング)もやっつけ仕事に思えてしまいます。というのも、これまではメニューバーに表示されていたバッテリーの%表示がiPhone Xでは隠れてしまい、切り欠け挟んで右側を引き下げないと現れませんし、アイコンの配置も必然的に窮屈になってしまいます。
見た目もクールとは言えないので、上辺の狭額化はきっぱり諦めて、無難に画面外へ組み込んだ方が無理ないデザインを実現出来たのでは?と感じました。
背面や側面の作りは完璧で、Apple Watchのような凝縮感が魅力的。
ワイヤレス充電を実現すべく、背面は一枚のガラスでコーティングされており、美しい光沢と持ったときの程よい滑り止め感がナイス。側面はステンレススチール製のフレームで囲まれており、光りを浴びるとほのかに反射するので、背面との統一感があります。
ガラスやフレームはスマホとしてはかなりの強度を誇っているようで、確かにちょっとやそっとでは傷付きそうに無いですが、それとは引き換えに重量が増してしまっているのは悩ましいポイント。iPhone 8をほんと少し大きく程度のわりかしコンパクトなサイズ感ですが、重量は7 Plusに迫るほどで、左右や下部のベゼルを極限まで削ればもう少し軽量化出来たのでは?と。
がらりと変わった基本操作はすぐ慣れる。しかし、ホームボタンが恋しくなる
iPhoneのトレードマークである丸いホームボタンが無くなったiPhone Xでは、画面上のソフトウェアバーを使ったジェスチャーによって操作を行うので、従来とは根本的に使い方が異なります。
例えばホーム画面へ戻る場合、以前はホームボタン一押しで実現しましたが、iPhone Xではバーを上へ素早くスワイプ。最近使ったアプリ一覧(タスク画面)を見る時は、スワイプした後に指を放さずに一旦止めます。
かつてない複雑な操作を前に多少の不安は抱きましたが、一日使い込めばすんなり馴染むことが出来ました。ただ、間違いなく従来のホームボタンの方が直感的で、長年iPhoneに慣れている方はホームボタンが恋しくなるはず。
顔認証「Face ID」は決して万能ではなかった
iPhone Xの目玉機能は、ユーザーの顔を読み取って認証する「Face ID」ですが、斬新ではあるものの決して万能ではありませんでした。
デメリットとしては使える状況が限られてしまうこと。一昨日のFace ID検証記事でも書きましたが、メガネやサングラスは概ねOKですが、マスクを着けてしまうと認識されずその状態で登録もできないので、これからの乾燥する時期は大変困りますね。
また、当然のことながら、Face IDを使うためにはiPhoneの前面を“見る”必要があるため、ポケットから取り出す途中にロック解除といった早業は通用しません。
一方、従来の指紋認証「Touch ID」では諸々の制約が無いため、状況によってはそちらのほうが使いやすかったと感じます。
理想を言えば、指紋認証センサーを何らかのかたち(ディスプレイ埋め込みやサイドボタンと統合など)で搭載し、状況によって顔認証と指紋認証が自動で切り替わる仕組みだと使いやすくなると思うのですが…。まだ先の話でしょうか。
iPhone Xの良いところ・悪いところをリストアップします
ここまで全要素に触れることは出来ませんでしたが、iPhone Xの良いところと悪いところは概ねまとめられたかと思いますので、それらをリストアップします。
まずは良いと感じたところ↓
- 有機ELのSuper Retina HDディスプレイがめちゃくちゃ綺麗
- 画面が広いので得られる情報量が多い
- 高級感のあるガラス背面とステンレスフレーム
- ワイヤレス充電が出来る
- 4K動画の60fps撮影が出来る
続いて、悪いと感じたところ↓
- True Toneをオンにするとあからさまに黄ばむ
- 特殊な解像度にアプリが対応しきれていない
- 「ベゼルレス」と呼ぶには程遠いので、どうせならもっとスリムアップすべき
- 上部の切り欠けの影響で、電池の%表示が隠れる
- 大きさの割に重たい
- Face IDは使える状況が限られる