
iPhone 7と7 Plusは何が変わった?6s、6s Plusと徹底比較
- 2016-09-09
- 2017-10-04
昨日の深夜に行われたAppleのスペシャルイベントにて発表された新しいiPhone、「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」。カメラ性能の大幅向上や防水対応、国内ユーザー待望のFeliCa(NFC Type-F)対応など、数多くの変更が施され2年ぶりの大規模なアップデートとなりました。
これからiPhone 7に乗り換えを検討される方も多くいらっしゃることでしょう。この記事ではiPhone 7、7 Plusを旧モデルであるiPhone 6s、6s Plusと比較してみて、今回のiPhoneは何が変わったのか、特徴や変更点をチェックしてみようと思います。
目次
iPhone 7、7 Plusと6s、6s Plusを比較する表を作りました
カラーバリエーション |
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プロセッサ |
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メモリ(RAM) |
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ストレージ(ROM) |
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液晶ディスプレイ |
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バックカメラ |
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フロントカメラ |
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バッテリー |
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NFC(近距離無線通信) |
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耐水など |
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ポート |
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センサー |
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サイズ・重量 |
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SIMカード |
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iPhone 7、7 Plusと6s、6s Plusを比較するにあたって、着目すべきポイントは以下の11点です。下の箇条書きはそれぞれのトピックにリンクしています。
デザインとカラーバリエーション
新色「ブラック」「ジェットブラック」追加、「スペースグレイ」は廃止
iPhone 7、7 Plusには新しく2色の黒色カラー「ブラック」と「ジェットブラック」が登場、従来の「スペースグレイ」は廃止。シルバー、ゴールド、ローズゴールドはそのまま引き継がれ、ブラックとジェットブラックが加わり5色展開になりました。
スペースグレイの黒味を強めた「ブラック」
iPhone 5sから追加され、iPhone 6s、6s Plusにもラインナップされる「スペースグレイ」はシルバーの光沢感に黒を加えたような色合い。対し、今回新たに登場した「ブラック」は名前そのままの色で、より黒が強調されています。数年前のモデルになりますが、iPhone 5やiPod touchの「ブラック&スレート」よりも濃い黒色です。
光沢感があり、高級感あふれる「ジェットブラック」
iPhone 7、7 Plusの顔ともいえる「ジェットブラック」、他のカラーはマットなメタルカラーとなっていますが、ジェットブラックは細かい研磨剤で研磨されたアルミ筐体を酸化皮膜で保護することにより、ツヤのある光沢仕上げになっています。それはまるで、Macコンピューターのフラッグシップ「Mac Pro」のような高級感を醸し出し、最安の32GBモデルがラインナップされていないことから、他のモデルを一線を画した”プレミアムモデル”的な位置付けであることを悟らせます。
最後の光沢背面iPhoneといえば2011年10月に登場した4s、ここ数年iPhoneはアルミボディモデルだけでしたので、6年ぶりの復活となる訳です。
背面上下を横切るアンテナバンドが無くなりスッキリと
iPhone 6、6sの背面に見られるアンテナバンド、”D”の形をしていることから「Dライン」とも呼ばれています。無線の電波をキャッチしやすくするための技術的な事情により、樹脂製のアンテナバンドを設ける必要があった訳ですが、「ダサい!」「周りアルミボディなのに、樹脂のDラインで台無し」などと不評続きでした。
背面上下部を横切っていたアンテナバンドはiPhone 7、7 Plusには見られず、アンテナの占有率が最小限に済むよう小型化されています。これによって背面はシンプルでスッキリとしたデザインになり、カメラユニットの大型化にも貢献したものと思われます。
カメラ性能
開口部が拡大し、明るくなった背面の1,200画素カメラ
iPhone 7に搭載された背面カメラは1,200万画素と画質こそ変わらないものの、F値は2.2から1.8になり、6sよりも50%も多くの光量を取り込めるようになりました。暗所での撮影時のピント合わせがより高速になり、ノイズの少ない高精細な写真を撮ることが出来るようになります。
iPhone 7 Plusにデュアルカメラ搭載、2倍の光学ズームに対応
iPhone 7 Plusは7よりも更に進化したカメラユニットを搭載、1,200万画素のカメラを2基横に並べた「デュアルカメラ」になりました。F1.8の開口部を持つ広角レンズとF2.8の開口部を持つ望遠レンズ、異なる役目を持った2つのレンズによって構成されます。
デュアルカメラを搭載することにより、一眼レフのような“ボケ”効果のある写真を撮影出来るようになったほか、最大10倍のデジタルズームに加えて2倍の光学ズームにも対応しました。
iPhone 7、7 Plus両方とも光学手ブレ補正に対応
従来は5.5インチの6s Plusのみに対応していた光学式手ブレ補正ですが、カメラの進化によりiPhone 7と7 Plus両方に対応します。被写体のブレを測定してレンズを補正する光学手ぶれ補正採用によって、より高画質な映像を撮影出来ます。
2灯から4灯に増強されたTrue Toneフラッシュ
iPhone 5s以降のモデルに搭載される「True Toneフラッシュ」、従来は白色と琥珀色の2灯のLEDによって構成されていましたが、iPhone 7、7 Plusは4灯に増設された「クアッドLED True Toneフラッシュ」を備えました。6sよりも50%明るく発光し、周囲光を判断して自然な色合いになるよう発光を調節出来るようになりました。
フロントカメラは500万画素から700万画素にパワーアップ
フロントカメラ(FaceTime HDカメラ)は500万画素から700万画素にパワーアップしました。劇的な進化ではないものの、従来よりもより高画質な自撮り画像を撮れるようになります。
防水性能
IP67相当の防沫・耐水・防塵に対応
長らく防水機能が備わらず、水没での故障リスクが付き纏っていたiPhoneですが、7と7 PlusにはIP67相当の防沫・耐水・防塵に対応しました。しかしAppleは「防水対応」と謳っているわけではなく、水回りでiPhoneを水没させてしまっても慌てる必要はありませんが、プールや風呂などでの使用は事実上可能でも推奨はされていません。
IP67は、本体を水深1mで30分間放置させても動作に影響を及ぼさない防水能力と、本体への粉塵を防ぐ防塵能力を指します。
オーディオ
イヤホンジャックが廃止される
存在する殆どのスマートフォンに搭載されていて、もちろん6s、6s Plusにも備わっている3.5mmオーディオ端子(イヤホンジャック)ですが、iPhone 7、7 Plusにはイヤホンジャックがありません。オーディオ出力の役目は本体下部にあるLightning端子が担い、従来のイヤホン・ヘッドホンを使うためには同梱される変換ケーブルが必要になります。
発売から時間が経てば、Appleの認証プログラム「MFi」対応のサードパーティ製Lightningイヤホン・ヘッドホンも今後出回る事となるでしょう。
付属イヤホンはLightning接続の新EarPodsに
イヤホンジャックの消滅により、iPhone 7、7 PlusにはLightning接続の新イヤホン「EarPods with Lightning Connector」が付属します。また、Lightning端子を3.5mmオーディオ端子に変換するための「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」も付属します。
スピーカーがステレオに
iPhone 6sと6s Plusは本体下部の液晶面から見て右側にモノラルスピーカーが配置されていましたが、7、7 Plusには本体下部に加え本体上部にも新たにスピーカーを搭載、ステレオスピーカーとなりました。本体を横に倒して動画を視聴したりゲームをプレイするようなシーンでは、よりダイナミックなサウンドを楽しむ事が出来ます。
また、スピーカー増設により6s、6s Plusよりも2倍大きい音量を出力出来るとのことです。
ホームボタン
従来の物理式から感圧式になったホームボタン
iPhone 6s、6s PlusのホームボタンはTouch ID搭載の物理ボタン、対し7、7 Plusは感圧式のボタンが採用されました。物理的に押しこむ事は出来ず、ユーザーがホームボタンに力を入れると、本体内部に入っている小型モーター「Taptic Engine」によってクリック感に似た感触が返されます。
Taptic Engineは12インチMacBookにも搭載されている技術で、ヴァイブレーションとは異なった役目を果たします。
新ホームボタンにも、第2世代のTouch ID(指紋認証)は変わらず搭載
物理式から感圧式に変更された新しいホームボタンにも、Touch ID(指紋認証センサー)は変わらず搭載されます。Touch IDのバージョンは6s、6s Plusと同じ第2世代、高精度でスムーズな指紋認証が出来ます。
処理能力
4コアのApple A10 FusionチップとM10モーションコプロセッサを搭載
目には見えない部分、つまり処理能力も確実に強化されています。
iPhone 6s、6s Plus内蔵のApple A9チップは十分高性能でキビキビと動作していましたが、7と7 Plusに採用されたのは更に強力なApple A10 Fusionチップ。A9はデュアルコア(2コア)でしたが、A10 Fusionは倍のクアッドコア(4コア)に増えました。
実行されるプロセスは、高負荷な処理に特化した「高性能コア」2つ、バックグラウンドの小さな作業に特化し効率的な電力消費を実現する「高効率コア」2つ分類され処理されます。異なった役目を担うコアを上手く使い分けることで、電源効率と処理能力の向上を実現出来るのです。
プロセッサ性能はiPhone 6sの1.4倍、6の2倍に向上
iPhone 7、7 Plus内蔵のA10 Fusionチップのプロセッサ性能は、A9を搭載したiPhone 6sの1.4倍、A8を搭載したiPhone 6の2倍に向上したとのこと。
ちなみに、Appleが「一枚のスーパーコンピュータ」と謳うiPad ProのA9Xチップよりも高性能だとか。
グラフィック性能はiPhone 6sの1.5倍、6の3倍に向上
A10 Fusionのグラフィックチップ(GPU)はA9と変わらず6コアですが、iPhone 6s(A9)の1.5倍、iPhone 6(A8)の3倍に向上したとのこと。VRゲーム分野も視野に入れたためか、グラフィックの性能も着実に進化しました。
ストレージ容量
容量ラインナップは32GB、128GB、256GBに
iPhone 7、7 Plusの容量ラインナップは32GB、128GBに加えて、iPhone 6s、6s Plusには用意されていない大容量256GBが登場しました。
高画質な動画や写真、高音質な音楽など、データ量の大きいメディアファイルを扱う事が増えてきましたので、「128GBでも足りない!」と空き容量にお困りのヘビーユーザーの方は7か7 Plusへの乗り換えを検討してみては如何でしょう。
一つ注意点があり、ジェットブラックモデルは128GBと256GB限定になります。
16GBと64GBモデルは廃止
iPhone 6s、6s Plusまで最小容量として用意されていた16GBモデルですが、iPhone 7と7 Plusでは廃止されるとの噂が発表前に広まっていました。その噂通り、今回発表された7、7 Plusの最小容量は32GBになり、16GBモデルは用意されませんでした。
また、iPhone 6s、6s Plusの16GBと128GBの中間に位置していた64GBモデルですが、こちらも同じく7と7 Plusでは用意されませんでした。
おまけ:iPhone 6s、6s Plusの容量がリニューアル、32GBと128GBモデルに
これまでApple公式ストアにて販売され今後も販売は継続されると見られるiPhone 6s、6s Plusですが、iPhone 7の登場により容量ラインナップが変更されました。
これまで販売されていた16GBが廃止、新たに32GBが加わった事によって、iPhone 6sと6s Plusの容量ラインナップは32GBと128GBの2モデルのみとなりました。
バッテリー容量と電池の持ち
Apple曰く、旧モデルより駆動時間は伸びたとのこと
パフォーマンスの向上により電池持ちが悪くなるのではないかと心配されたiPhone 7、7 Plusですが、Apple曰く旧モデルより駆動時間は伸びているとの事です。公式アナウンスによると、「iPhone 7で最長2時間、iPhone 7 Plusで最長1時間伸びた」とされており、おそらく4G LTE接続でのインターネット利用時の6sと6s Plusとの比較データと思われます。
3G接続での連続通話
- iPhone 7:最大14時間(ワイヤレス)
- iPhone 7 Plus:最大21時間(ワイヤレス)
- iPhone 6s:最大14時間
- iPhone 6s Plus:最大24時間
連続待受
- iPhone 7:最大10日間
- iPhone 7 Plus:最大16日間
- iPhone 6s:最大10日間
- iPhone 6s Plus:最大16日間
4G LTE接続でのインターネット
- iPhone 7:最大12時間
- iPhone 7 Plus:最大13時間
- iPhone 6s:最大10時間
- iPhone 6s Plus:最大12時間
Wi-Fi接続でのインターネット
- iPhone 7:最大14時間
- iPhone 7 Plus:最大15時間
- iPhone 6s:最大11時間
- iPhone 6s Plus:最大12時間
バッテリー容量は6sより14%、6s Plusより6%ほど増量か
AppleはiPhoneに内蔵されるバッテリー容量について言及しませんが、iPhone 7と7 Plusのバッテリー容量に関して信ぴょう性の高い情報がありますのでご紹介します。
旧モデルに関しては、発売の度に本体を分解して内部情報を確認されたiPhoneマニアの方が数多くいらっしゃいますので、6sと6s Plus含め全iPhoneのバッテリー容量は判明済みです。
- iPhone 7:1,960 mAh
- iPhone 7 Plus:2,910 mAh
- iPhone 6s:1,715 mAh
- iPhone 6s Plus:2,750 mAh
iPhone 7は6sよりも14%ほど増量、7 Plusは6s Plusよりも6%ほど増量されている事が分かります。
液晶ディスプレイ
ディスプレイの大きさ、解像度ともに変わらず
iPhone 7、7 Plus共に液晶ディスプレイの大きさ=インチ数は変わらず、7が6sと同じ4.7インチ、7 Plusが6s Plusと同じ5.5インチです。解像度も変更はなく、7が1,334 x 750ピクセル(326ppi)、7 Plusが1,920 x 1,080ピクセル(401ppi)となります。
カバー出来る色域が広がり明るさが増した
ディスプレイサイズは変わらないものの、iPhone 7と7 Plusは従来よりも広色域をカバーできるようになりました。加え画面の明るさが25%増したことにより、鮮やかで美しい映像を楽しめるようになります。
FeliCa
NFC Type A、Bに加え、Type F「FeliCa」に対応
NFC(Near Field Communication)とは近距離無線通信技術の事で、これを利用してAppleは独自の決済サービス「Apple Pay」をiPhone 6と同時に発表していました。ただ、当初発表されたApple Payは日本上陸にはならず、いわゆる「おサイフケータイ」には全く対応していませんでした。というのも、NFCにも幾つか種類が存在しまして、iPhone 6と6sが採用したのはType AとType Bのみ、日本で導入している非接触型電子マネーはType F「FeliCa」と呼ばれる規格を採用していたのです。
iPhone史上初の「おサイフケータイ」対応
今回のiPhone 7発表で日本人ユーザーが最も期待したと言っても過言では無いのが、FeliCa=おサイフケータイへの対応。そして期待通り、iPhone 7と7 PlusにはFeliCaチップが搭載されました。iPhone 7か7 Plusを持っていれば、SuicaやWAON、Edyなどの電子マネーをiPhoneで使うことが出来るようになる訳ですね。
これまでは国内向けAndroidスマホのみ対応していたFeliCaですが、遂にiPhoneがFeliCaに対応したことによりiPhoneへ乗り換える人が増えそうです。
SIMフリーモデルの価格
6s、6s Plusの大幅値下げで多少の割高感は生まれたが、価格の開きは大きくない
iPhone 7の発表会終了後、Appleストアの製品ラインナップと販売価格の見直しが行われ、iPhone 6sと6s Plusは従来の販売価格より大幅に値下げされました。旧モデルの大幅値下げによってiPhone 7と7 Plusはかなり割高になるかと思いきや、値下げ後の6s、6s Plusと7と7 Plusの販売価格の差はそれほど大きくはありません。
1万円前後の価格差を安いと見るか高いと見るかは人それぞれですが…。
丁度今しがた予約が開始されたiPhone 7、7 Plusと、価格改正後の6s、6s Plusの販売価格を比較すると下のようになります。
※価格は全て税別表記です。
iPhone 7 |
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iPhone 7 Plus |
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iPhone 6s |
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iPhone 6s Plus |
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実は現役活躍時の6s、6s Plusよりも安く、スペックを考慮すればお得感すらある
なんと驚いたことに、iPhone 6sと6s Plusが最新モデルとして活躍していた時の販売価格より、今回投入されたiPhone 7と7 Plusの販売価格の方が容量あたりに換算すると安いのです。加え、iPhone 7と7 Plusはこれまでのモデルと比べると段違いに進化しており、iPhoneファンの方にとっては今までに無いお得感があると思います。
※価格は全て税別表記です。
iPhone 7 |
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iPhone 7 Plus |
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iPhone 6s |
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iPhone 6s Plus |
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iPhone 6sまたはiPhone 6s Plusを購入 – Apple(日本)
iPhone 7とiPhone 7 Plusを購入する – Apple(日本)