
iPhone 5cのバッテリーが膨張気味だったので自分で交換してみた
- 2016-10-03
- 2018-07-22
つい最近起きてしまった事件です。
2週間前…..iPhone 5cの電池持ちがよろしく無いけどiOS 10にアップグレードしたせいかな…?うーん、なんかホームボタンの効きが鈍い!?
そして遂に…..本体が微妙に膨れていている(?)と違和感を感じ始めたのが一週間ほど前。それからというもの急激に体調を崩してゆくiPhone 5c、決定的な症状はフル充電したのにも関わらず目を離した隙に電池残量0%で瀕死状態に。そういえば随分前にMacBook Proで同じような現象(電池持ちが悪い → 僅かに本体膨張 → 電池が充電できなくなる)に遭遇した出来事を思い出し、これは間違えなく電池膨張だと悟ったと同時に早急な処置が必要だと判断しました。
結果から言うと、今回のトラブルの原因はやはりバッテリーの劣化と膨張、残量100%でもすぐに電源が切れたりホームボタンのトラブルを引き起こしていました。iPhone 5cの内蔵バッテリーを自分で交換し修理しましたので、この記事で実際の作業風景をご紹介したいと思います。
※この記事を参考にiPhone 5cのバッテリー交換をされるのは一向に構いませんが、分解による破損のリスクやAppleの保証を受けられなくなることを覚悟の上、あくまでも自己責任でお願いします。また、一般向けに出回っている交換バッテリーの中には全く使い物にならない粗悪品も混じっています。出品業者の評価などをよく確かめた上、十分な注意を払って購入しましょう。
目次
バッテリー交換を行うにあたって必要なもの
iPhone 5cのバッテリー交換を行うにあたって、用意したものは以下のとおりです。とは言っても、今回は交換バッテリーと分解器具が一緒になったキットを購入したため、工具単体では購入していません。
BlueSea iPhone5c専用 互換バッテリー 工具付き (国内正規PSE認証あり)
- バッテリー本体
- 専用ドライバー (十字型)
- 専用ドライバー (星型)
- 吸盤
- ギターピックっぽいやつ
- ヘラ
- バッテリー裏に貼る両面テープ
バッテリー本体
まず何よりもバッテリー本体を入手しなくてはなりませんが、よく注意して選ばなければ粗悪品を掴まされます。
筆者が今回購入したものは運良くコンディションの良い新品バッテリーでしたが、個体差などありますので同じ製品でも外れる可能性はあります。経験上、当たりバッテリーに出くわす確率は50%ほどでしょうか。
専用ドライバー
iPhoneやMacのネジは、汎用のドライバーで回せない特殊な規格が用いられています。バッテリー付属のものを使っても問題ありませんが、製品によっては最初からねじ山部分が潰れている不良品が同梱されている場合もありますので、心配な方は精密ドライバーセットを別途用意したほうが良いと思います。

iFixit 54 Bit Driver Kit
吸盤
iPhoneのディスプレイユニットと本体ボディを切り離し開封する際に吸盤を用います。引っ張るための取っ手が付いているものがオススメです。
引っ張る時の力加減が絶妙で、力を込め過ぎてしまうと本体上部の配線を破損してしまう可能性があります。心配な方は、スマホの分解に適したフロントパネル開封ツールを用意すると良いでしょう。

iFixit iSclack フロントパネル開封ツール
ギターピックやヘラ
本体内部に両面テープで接着されているバッテリーを取り外すとき、ギターピックなどがあると作業し易いです。また、配線されているコネクタを外す際にはヘラを用いると良いでしょう。
両面テープ
バッテリーと本体は両面テープで固定されているので、バッテリー交換と同時に両面テープも貼り替えましょう。交換前のバッテリーに使われている両面テープは粘着力が弱まっている場合がありますので、使い回しはおすすめできません。
テープはなるべく薄い方が好ましいです。厚めのテープを貼ると、バッテリーが嵩上げされてしまってディスプレイユニットをきっちりと収められない場合があります。

ニチバン 両面テープ ナイスタック 一般タイプ 15mm
交換前の症状
本体の左部の膨らみ
本体底面から見てみると液晶ユニットの左側が僅かに持ち上がっていることがお分かりいただけるかと思います。写真で見る以上に実際手に持った時の違和感は大きいです。
幸い一週間前に異変に気づいたため致命的な症状ではないものの、このまま放置していると本体内部の基盤が剥き出しになるほどバッテリーが異常に膨張してしまう「ハマグリ現象」に陥る可能性があります。
実際にデジタルノギスでiPhone 5c本体下部の左右の厚みを測ってみました。すると約0.5mmもの差が!一見大したことない数字に見えるかもしれませんが、精密設計なスマートフォンで0.5mmのズレといえば相当なものです。
ネット上で数多く見られる、ハマグリ現象の例
Google先生に尋ねてみると、これは”ハマグリ現象”といわれる有名な(?)現象らしい。iPhone3GSが多い気がするけれど、iPhone5や5cでも起こっているようです。
iPhoneのフロントパネルが持ち上がっていますね~…
一体これの原因は…と、犯人探しをするまでもなく、一目瞭然!
どの角度から見てもバッテリーがパンパンに膨らんでいる事がわかります^^;
ホームボタンの反応が鈍い
最近になってホームボタンの効きが悪いと感じていました。ほぼ同じタイミングでiOS 10にアップグレードしたこともあり、ソフト的な問題によるレスポンスの悪さを疑っていましたが、どうやらこれもバッテリー膨張の仕業だったようです。
以下のようなプロセスでホームボタンの動作不良を引き起こしたのでしょう。
- バッテリー膨張
- 液晶ユニット左部が浮き上がる
- 同時に液晶ユニットと一体化しているホームボタンも浮き上がる
- ホームボタンと基盤の接続部分が離れて接触不良に!
いざ、iPhone 5cのバッテリー交換!
前置きがかなり長くなってしまいましたが、いよいよiPhone 5cバッテリー交換の作業風景をお届けしたいと思います。
作業前に必ず、本体の電源を切りましょう。
ステップ1. 本体底面の星型ネジを外す
本体底面のLightning端子横に2箇所、液晶ユニットと本体ボディを留めている星型ネジがあります。通常の十字ドライバーでは回せないので、専用の精密ドライバーを使います。
ここで注意すべきは回す力と押し込む力の加減、一般的に押す7割・回す3割程が好ましいと言われています。慎重に少しずつ力を込めて緩めていくのがポイントです。
ステップ2. 液晶ユニットを持ち上げる
底面の星型ネジを外しただけでは本体を開封することは出来ず、液晶ユニットを持ち上げる必要があります。この時、取っ手の付いた吸盤もしくはフロントパネル開封ツールを使うと良いでしょう。
液晶ディスプレイ下3分の1あたりに吸盤を付けて、ゆっくりと徐々に力を入れながら持ち上げます。
なかなか開かなかったとしても、焦ってはいけません。ゆっくり、ゆっくり時間を掛けて持ち上げましょう。
本体の上部には基盤と液晶ディスプレイやフロントカメラを繋ぐケーブルがあるので、慎重に開封していきましょう。
ステップ3. 保護プレートを外す
本体が開封出来たら、SIMスロットの隣にある保護プレートを外します。十字ネジで2箇所留まっているので、慎重に外していきましょう。
ステップ4. バッテリーの接続コネクタを外す
保護プレートの下には、バッテリーの電力をロジックボードに送るための接続コネクタが存在しますので、慎重に外しましょう。
この時に役立つのが精密ヘラ、ジョイント部分にヘラの先端を差し込みテコの原理で持ち上げましょう。
ステップ5. 古いバッテリーを取り外す
いよいよ古いバッテリーの取り外し、おそらくこの作業に一番時間が掛かり苦労するのではないでしょうか。バッテリー裏側には強力な両面テープが貼られており、なかなかバッテリーを取り出すことが出来ません。
加え、リチウムイオン電池はとてもデリケート、うっかり強い衝撃を与えてしまうと最悪の場合発火する恐れがあります。ヘラやギターピックなどを少しずつ隙間に入れながら、時間を掛けて徐々にバッテリーを持ち上げましょう。
30分ほど苦戦した挙句、やっとこさバッテリーの取り外しが完了!
写真ではなかなか伝わりづらいかもしれませんが、取り出したバッテリーは僅かにぷっくりと膨張していました。
ステップ6. 新しいバッテリーを装着
古いバッテリーを無事取り出す事が出来たら、新しいバッテリーを装着していきます。
今回用意したのは純正バッテリーではなく互換バッテリー、正常に動作するか若干の不安はありますが、心配していても解決しませんのでとりあえず装着してみます。
交換用バッテリーに同梱されていた両面テープを貼ります。
バッテリーの裏表に十分注意した上、両面テープを貼りましょう。
交換前に既に貼られていた古いテープが残っていますので、剥がしてからバッテリーを装着します。
ここでポイントですが、バッテリーを本体に収める前にコネクタを接続した方が楽です。
無事バッテリー交換が完了しました。右側にあるのが古いバッテリー、本体に装着されているのが新しいバッテリーです。
ステップ7. 本体を元通りに戻す
これまでの手順を遡るように本体を元通りに戻します。
まずは保護プレートを2本の十字ネジで留めましょう。
液晶ユニットを本体ボディと結合させます。本体上部から隙間の出来ないよう徐々にはめ込んでいきましょう。
最後に本体底面の星型ネジを締め、液晶ユニットとボディをしっかり固定しましょう。
ステップ8. 最終チェック、問題なければ完成
本体に歪みが無いか、余っているネジは無いかなど、必ず最終的なチェックをしましょう。問題がなければバッテリー交換作業はひとまず無事終了です。
緊張の動作チェック
バッテリー交換が無事終了してもまだまだ気を抜けません。実際に電源を入れて動作チェックを行わなくてはならず、これまた緊張の瞬間です。
電源ボタン長押し…..
すると…..りんごマーク登場!
電池残量のインジケーターもしっかり表示され、問題なく動作確認が出来ました。

BlueSea iPhone5c専用 互換バッテリー 工具付き (国内正規PSE認証あり)

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