レビュー

Huawei P10買ってみたけど、結局Mate 9使い続ける事にしたよ

  • 2017-09-05
  • 2017-11-09

実は2ヶ月ほど前にHuawei P10を購入していまして、購入後直ちにレビューする予定でしたがなかなか時間がとれず、気づけば随分と使い込んでいました。今さら開封レビューを書いても少々面白みに欠けるということで、今回は筆者のメインスマホである「Mate 9」との比較に重点を置き、良いところも悪いところもご紹介していこうと思います。

まず、結論から言ってしまえば、Mate 9の後継ぎにはなりえませんでした。P10を買ってもなおMate 9を使い続ける!と決めた理由を交えながら、P10の特徴や機能、処理性能などなど、ざっくりではありますが全貌をまとめてみました。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

Huawei P10 SIMフリースマートフォン

Huawei P10のスペック表

詳しいレビューへ移る前に、まずはHuawei P10のスペックをざっと見ていきましょう。

OSAndroid 7.0 / EMUI 5.1
プロセッサーHiSilicon Kirin 960 8コア 2.4GHzx4 + 1.8GHzx4
ストレージ64GB
メモリ4GB
ディスプレイ5.1インチ 1,080 x 1,920ピクセル(432ppi)
内側カメラLeicaブランドの800万画素カメラ F1.9
外側カメラ2,000万画素(モノクロ) + 1,200万画素(カラー) LeicaデュアルカメラF2.2
バッテリー容量3,200mAh
拡張USB 2.0 Type-Cx1、3.5mmオーディオジャックx1
SDカードMicro SDカード 最大256GB
センサーGPS、指紋、重力、ジャイロ、コンパス、環境光、近接、ホール
SIMカードNano-SIMx2 (片方はMicro SD兼用)
幅 x 厚さ x 高さ145.3 x 6.98 x 69.3mm
本体重量145g
カラーダズリングブルー、プレステージゴールド(レビュー機)、ミスティックシルバー、グラファイトブラック

総じて見れば完成度の高い一台

タイトルにあるMate 9との比較はさておき、まずはP10そのものの魅力についてご紹介します。総じて見れば完成度の高い機種であることに違いなく、価格ドットコムの人気ランキングの上位に君臨しているのも頷けます。

持ち心地もポケットの収まりも良い、程よいボディサイズ

P10の魅力を一言でいえば、Mate 9並の性能をよりコンパクトにまとめ上げている点。処理性能を抑える「スケールダウン」ではなく、中身そのままで持ちやすさを向上させた「ダウンサイジング」であり、より凝縮感のある一台に仕上がっています。

下の写真は、左がMate 9で右がP10。5.9インチのMate 9ではキツい片手操作ですが、5.1インチのP10なら現実的と言えます。

丸みを帯びたフォルムはiPhone 7に似ており、大きさもさほど変わらないので、ポケット内での収まりの良さも魅力です。

「Leicaと共同開発したデュアルカメラ」が最大の強み

他のスマホと一線を画すポイントといえば、背面に備えられたカラーレンズ+モノクロレンズのデュアルレンズカメラで、P10最大の強みと言って良いでしょう。

ドイツの老舗カメラ会社であるLeica(ライカ)との共同開発によって生み出された2眼カメラは、既に旧世代のP9で実現していますが、P10ではモノクロカメラの解像度を1,200万画素から2,000万画素に引き上げることで、劣化の少ない光学2倍ズームに対応しました。Huaweiはこれを「第2世代Leicaダブルレンズカメラ」と呼んでおり、Mate 9にも同じものが採用されています。

説明するよりも、作例を見て頂いたほうが良いでしょう。P10で撮ったショットをいくつかご紹介しますね。

2倍ズームを用いて撮影↓

逆光ですが、なかなか綺麗に撮れてます↓

モノクロ撮影もお手の物↓

地下鉄の駅。自動設定で撮影したためIOS感度が高めでやや荒っぽいですが、ブログ内の張り込みやSNSでのシェアなら全く問題ない仕上がりです↓

Mate 9と撮り比べてみました。カメラそのものはP10もMate 9も変わりなく、色味や画角は瓜二つです。

他社のフラッグシップ機に比べれば引けを取るが、日常使いにおいては十分過ぎる性能

性能に関してですが、SoCとしては「Kirin 960」を積み、4GBの実行用メモリと64GBのストレージという構成で、すべてMate 9と同じ。なので、ベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」でのスコアもMate 9と同水準で、3回連続で測ってみた結果は12〜13万といったところ。

スコアを鵜呑みにするのは宜しくないですが、実際のレスポンスは確かに軽快で、3Dの描写を用いたゲームでも大抵ものは軽快に動作します。

また、グラフィックを処理するGPUとして「Mali-G71」が用いられており、以前は「デレステ」がこれに非対応なために3Dモードでジャギが発生していましたが、2ヶ月ほど前のアップデートによって解消さ、現在は極めて快適に動きます。

しかし、他社のフラッグシップスマホが持つ性能には及ばず、Antutuのスコアで比較しても開きが目立ちます。

Galaxy S8やXperia XZ Premiumなど最新のハイエンドAndroidスマホに搭載されている「Snapdragon 835」は、iPhone 7の「A10 Fusionチップ」と良い勝負ですが、それらに比べるとKirin 960のスコアは引けを取りますね。更なるスペックアップは、もうじき出るであろうMate 10(Kirin 970)に期待したいところ…!

本体や付属品など、写真で見るHuawei P10

Huawei P10の本体の付属品など、写真をメインにお伝えしていきます。

パッケージの様子

台座と蓋が一体となった観音開きという、見慣れないパッケージ演出が面白いです。

Huawei P10 開封

充実した付属品

主な付属品はこんな感じ。一通りのものは揃っているので、開封後すぐに使い始められます。

Huawei P10 付属品

そして、プラスチック製のハードケースも付いてきます。質は可もなく不可もなしですが、傷防止としてなら十分使えます。

Huawei P10 ハードケース

シンプルこの上ないオーソドックスなデザインの前面

本体前面には5.1インチの液晶ディスプレイが備わっており、左右のベゼル幅は約3mm(実測)と引き締まっているため、片手でも持ち易い大きさにまとまっています。

画面を取り囲むホームボタンや自撮り用カメラなどはオーソドックスな配置で、デザインもシンプルで好印象です。

Huawei P10 前面

タッチボタンはホームボタンのみ

Androidと言えば、3つのタッチボタンで操作するイメージが強いですが、このP10には前面下部にあるホームボタン1つしか備わっていません。

iPhoneみたく物理的な押し込みは出来ませんが、タップで「戻る」、長押しで「ホーム」、横へスワイプで「タスク」といった具合で、ホームボタン1つで3つの操作を完結出来ます。ただし、この独特の操作感に慣れるには少々時間を要するため、馴染めない方のために画面内にボタンを表示するオンスクリーンモードも用意されています。

また、内部には指紋認証センサーがあり、予め登録した指をボタンへあてるだけでロック解除できる仕組みです。

Huawei P10 ホームボタン

P9の面影を残しつつ、iPhoneっぽく丸みを帯びた背面

本体背面は、メタル+カメラ周りの樹脂のツートン仕上げとなっており、これは旧世代のP9から引き継いだチャーミングポイントですね。表面から飛び出していないデュアルカメラや、フラッシュライトの配置はもP9そのまま。

全体的なフォルムはiPhoneっぽく丸みを帯びて、直線的なP9よりも柔らかな印象を受けます。色合いもガラッと変わっており、P9は渋くて男前な印象を受けますが、P10は可愛らしいというかライトな仕上がり。うーむ、デザインに関しては好みの問題なので良し悪しはありませんが、個人的にはP9の重厚感に惹かれます。

Huawei P10 背面

右側面には物理ボタン

電源ボタンと音量調節ボタンは右側面に備えられています。

Huawei P10 ボタン

USB-Cとオーディオジャックのある底面

充電とデータ転送を担うのは本体底面にあるUSB Type-Cポートで、表裏気にせず挿せるリバーシブルな形状となっています。最近のスマホの多くがこれを採用していますね。

その横には3.5mmオーディオジャック、通話時に使うマイク、そしてスピーカーがあります。

Huawei P10 底面

SIMカードスロットはNano-SIMx2で、うち1基はMicroSD兼用

SIMカードスロットはNano-SIMの2枚構成で、対応する回線のSIMカードを2枚入れれば、4G+3Gの同時待ち受けも可能です。ただし、手前側のスロットはMicro SDカード兼用となっているため、容量を拡張したい場合にはデュアルSIMを諦めましょう。

Huawei P10 SIM・MicroSDカードスロット

でも結局Mate 9を使い続ける事にしました。P10の弱点はズバリ“電池持ち”だ

P10を2ヶ月ほどサブ機として使ってきた訳ですが、結局これまで通りMate 9をメインスマホとして使い続けることにしました。その理由はただ一つで、ズバリP10はMate 9よりも電池持ちが悪く、一日ガッツリ使い込むには心もとないと判断したためです。

具体的な数値としてPCMarkのバッテリーテストを挙げると、Mate 9は残量100%から20%に減るまで9時間5分でしたが、P10はそれよりも1時間半ほど短い7時間23分という結果に。バッテリー容量は、Mate 9が4,000mAhに対しP10が3,200mAhなので、容量差がそのまま駆動時間に響いた感じですね。

筆者が所持する全てのHuaweiスマホの中でもP10の駆動時間は最も短く、むしろスペック控えめなnovaシリーズの方が長持ち。こうしてグラフにしてみると微々たる差にも思えますが、実のところMate 9との持ち具合の違いは明らかに体感できるレベルなのです。

ただ、Mate 9もスマホ全体として見れば別段持ちが良いわけでは無く、SoCのKirin 960が無駄に電力を食っているような気がしますね。事実、スナドラ835搭載のXiaomi Mi6やOnePlus 5は3,000mAh台のバッテリーですが、Mate 9よりも長持ちなので…。

両機種で迷っている方ならMate 9を選ぶべき!ただし…

「Huawei P10とMate 9、どちらにしようか…」と迷われている方へ、筆者としてはMate 9を薦めたいと思います。先ほど挙げた電池持ちの件を含めてMate 9を勧めたい理由は主に3つありますが、注意点もあるので、1つずつご紹介して今回の記事を締めたいと思います。

Mate 9の方が電池持ちが良い

先ほど挙げたとおりです。P10とMate 9はほぼ同スペックですが、Mate 9の方が内蔵するバッテリーの容量が大きく、実際の駆動時間もP10より長いです。

長持ちかそうでないかの基準は人それぞれですが、スマホにおいて電池持ちは超重要なステータスなので、より長持ちなMate 9を選ぶべきだと思います。

内部の性能はほぼ同じなのに、Mate 9の方が安い

アマゾンでの実勢価格(正規代理店)を比べてみると、P10は6万円ちょい掛かるのに対し、Mate 9は5万円台で売られています。楽天モバイルエキサイトモバイルなどのMVNO各社を覗いてみても、やはりMate 9の方が数千円ほど安い価格設定です。

何度もお伝えしていますが、両機種はスペックもカメラもほぼ同じなので、コストパフォーマンスの面においてもMate 9側へ軍配が上がりますね。

Mate 9はデュアルスピーカー搭載で、動画視聴やゲームに向いている

忘れがちですが、スピーカーの質もMate 9の方が上です。P10は本体底面にしかありませんが、Mate 9は底面に加えて前面の受話口もスピーカーを兼ねているので、本体を横向きにするとステレオスピーカーとして機能します。

iPhone 7もそうですが、デュアルスピーカーによる音の広がりや臨場感は段違いで、動画やゲームを楽しむ際には威力を発揮しますよ。

ただし、Mate 9の大画面と巨体は賛否両論

最後に、Mate 9を選ぶ際に気をつけておきたいポイントですが、大画面とそれにあわせた巨体には賛否両論あります。

まず、片手操作は諦めて下さい。利き手で操作し、もう片方で本体を持つというスタイルになるため、iPhone SEや7などの小柄な機種から乗り換える方は、それまで抱いていたスマホに対するイメージを新たにするべきです。

とはいえ、画面の大きさは違えど本体そのものはiPhone 7 Plusと同じくらいのサイズ感なので、モバイル性に難があるとは思いません。また、一度に多くの情報を得られるという快感は大画面スマホでしか味わえず、ひとたび慣れてしまえば“頼もしい母艦”として末永く使い込めるでしょう。

5.9インチという数字を前に尻込みせず、ぜひ家電量販店に出向いて実機に触れてみて下さい。「あ、意外といけるかも!?」と感じるかもしれません。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

Huawei P10 SIMフリースマートフォン

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