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AI特化でカメラも凄いHuawei Mate 10 Pro、12月1日発売。価格は9万円

  • 2017-11-28
  • 2017-12-02

ファーウェイ・ジャパンは本日11月28日、同社が10月中旬に発表したフラッグシップスマートフォン「Huawei Mate 10 Pro」の国内投入を正式にアナウンスしました。12月1日より発売され、価格は89,800円(税込み96,984円)となります。

Mate 9よりも縦に広がった6インチの大画面を備えますが、周囲のベゼルを削ることでスタイリッシュなデザインへ変身し、Mate 9同等のサイズ感を実現。

新SoC「Kirin 970」の搭載によって処理能力も著しく向上し、単に処理性能が上がっただけでなく、AI処理に特化したNPU(Neural Network Processing Unit)を組み込むことで、写真の分類や翻訳をより高速にこなしつつも省電力性は抜群とのこと。

背面には、Mate 9同様にLeicaのデュアルレンズカメラが備えられています。1,200万画素カラーカメラ + 2,000万画素モノクロカメラというスペックは、一見進化していないようにも思えますが、メインカメラにはf/1.6という非常に明るいレンズが用いられているので、暗所撮影における手ブレ防止やノイズ軽減に期待できますね。

HUAWEI Mate 10 Pro スマートフォン | 携帯電話 | HUAWEI Japan

Huawei Mate 10 Pro SIMフリースマートフォン

基本スペック表

まずはMate 10 Proの基本的なスペックを見てみましょう↓

OSAndroid 8.0 Oreo / EMUI
プロセッサーHiSilicon Kirin 970
CPU:オクタ(8)コア Cortex A73 2.36GHz x4 + Cortex A53 1.8GHz x4
GPU:Mali-G72 MP12
NPU:Neural Network Processing Unit
ストレージ128GB
メモリ6GB
ディスプレイ6インチ 2,160 x 1,080ピクセル 402ppi OLED(有機EL)ディスプレイ コントラスト比70,000:1
内側カメラ800万画素 f/2.0
外側カメラ1,200万画素カラーカメラ(f/1.6) + 2,000万画素モノクロカメラ 第3世代のLeicaデュアルカメラ
OIS(光学式手ぶれ補正)に対応
バッテリー容量4,000mAh
拡張USB Type-C x1
SDカード非対応
センサーGPS、GLONASS、Beidou、ジャイロ、電子コンパス、環境光、近接、磁気、気圧計、赤外線、指紋認証、NFC
SIMカードNano-SIM x2 両回線でVoLTE通話を可能とする「DSDV」に対応
幅 x 厚さ x 高さ154.2 x 7.9 x 74.5mm
本体重量178g
カラーミッドナイトブルー、チタニウムグレー

より縦長なディスプレイをMate 9同等のサイズ感に収める

P10はコンパクト・高性能がコンセプトですが、対するMate 10は大画面・高性能がアピールポイント。画面は従来のMate 9(5.9型)よりも僅かに大きい6インチで、IPS方式ではなくコントラスト比の高いOLED=有機ELのディスプレイを用いることで、より色鮮やかで深みのある色を再現します。

また、縦横比は16:9から18:9(2:1)に、つまり縦長となったことで得られる情報量と臨場感が増しましたが、ベゼルを極限まで細めることによりボディそのものはMate 9同等のサイズ感を保っています。

とはいえ、6インチはスマホとしてはかなり大きな部類で、P10やiPhone 8程度のわりかし小柄な機種をお使いの方にとっては尻込みしてしまいそうなほどのデカさ。持ち慣れてしまえばなんてことありませんが、心配な方は一度家電量販店で実機を手にしてみることをお奨めします。

新SoC「Kirin 970」はSnapdragon 835に迫る性能で、AI処理に滅法強い

処理性能を大きく左右するのが、人間で言えば頭脳にあたるパーツ「SoC」(システムオンチップ)ですが、Mate 10 Proには自社開発(正確にはHiSilicon製)の「Kirin 970」というものが載っています。ナンバリングから分かるとおり、Mate 9に搭載のKirin 960の進化系です。

Kirin 970の大きな特徴は、CPUやGPUに加えて、「NPU」(Neural Network Processing Unit)を組み込んでいる点。これはAI処理に特化したプロセッサで、画像認識や翻訳など、特定の用途を少ない電力でこなします。また、クラウドを介すこと無く端末自身で処理を行うため、これまでにないほど高速なレスポンスを実現しているだけでなく、セキュリティ性の面でも俄然有利となります。

CPUは、Cortex A73 2.36GHz x4 + Cortex A53 1.8GHz x4のオクタコア(8コア)構成で、Kirin 960とほぼ変わりありません。

むしろ、進化が著しいのはグラフィック処理を担うGPUで、8コアの「Mali-G71 MP8」から12コアの「Mali-G72 MP12」に増強。これによってARやVRもこなすほどの3D処理能力を手に入れ、CPUとGPU合わせた総合力はAndroidにおける最高峰SoC「Snapdragon 835」に肉薄するようです。

カメラも着実に進化。AIとの合せ技も

本体背面には、2基のカメラが並ぶ「デュアルレンズカメラ」が備えられています。今やすっかりトレンドと化した2眼カメラのクオリティは、メーカーや機種によってピンきりですが、ドイツのカメラメーカーLeica(ライカ)との共同開発によって生み出されたMate 10 Proは“本気度”が違います。

メインが1,200万画素カラーカメラ、サブが2,000万画素モノクロカメラという組み合わせで、背景をぼかす「ワイドアパーチャ」や光学2倍ズームなど両カメラを駆使する撮影機能が盛り込まれています。これだけ見ればMate 9やP10と同じに思えますが、メインカメラのレンズがf/1.6と非常に明るくなったので、暗所撮影における手ブレ防止やノイズ軽減に期待できそうです。

今回の目玉であるAI技術は、カメラにも活用されています。「被写体認識機能」では、写した物やシーン(花・夜景・食べ物・人物など)を自動で判別することで、最も適したチューニングを施す仕組み。また、被写体と背景をAIによって区別することで、インカメラによる自分撮りでも自然なぼかし効果が得られるとのこと。

遂にIP67の防水・防塵性能を備えたが、イヤホンジャックは廃止

Mate 9はマットな質感のメタルボディが特徴的でしたが、Mate 10はガラス背面+金属フレームという組み合わせで、全体的なフォルムは維持しつつもデザインは大きく変貌しています。

見た目だけでなく筐体構造も刷新され、Huaweiスマホとしては初となる本格的な防水・防塵に対応し、その能力はiPhone Xと同じIP67等級。流石に風呂やプールに持ち込むのはリスクが高いですが、雨水がかかったり飲み物をこぼしてしまう程度であれば問題無いでしょう。

その防水と引き換えに、3.5mmイヤホンジャックは残念ながら消えてしまいました。幸いaptXとLDACに対応しているため、Bluetoothオーディオとの相性は抜群ですが、有線使いの方にとっては痛手でしょう。

2回線をVoLTEで待ち受けする「DSDV」に対応するが…au回線には非対応

まずは対応周波数帯をチェック↓

  • FDD LTE:B1/2/3/4/5/7/8/9/12/17/19/20/26/28/32
  • TDD LTE:B34/38/39/40/41(2545-2655MHz)
  • WCDMA:B1/2/4/5/6/8/19
  • TD-SCDMA:B34/39
  • GSM:850/900/1800/1900MHz

見逃してはならないのが、モバイル通信の性能。近年のSIMフリースマートフォンの普及により、日本国内でも2回線を同時に待ち受けする「DSDS」のトレンドが一気に加速したわけですが、その殆どが4G LTEと3Gの組み合わせでした。

しかし、このMate 10 Proは両回線を4G VoLTEで待ち受けする「デュアルVoLTE」に対応している画期的な機種で、これからはDSDSの先をゆく「DSDV」が徐々に浸透していくと見られます。

ところが驚いたことに、VoLTEといえば誰しもが思い浮かべるであろう「UQmobile」には非対応です。おまけにドコモ回線のVoLTEにも対応していないので、現状ではソフトバンク回線のY!mobileでしかその恩恵にあやかれません。DSDV対応=もしやUQで使える!?と期待していたので、落胆してしまいました。

価格は約9万円。Huaweiスマホとしては最も高価

定価は89,800円(税込み96,984円)で、Huaweiのスマホとしては最も高価。ただ、当初公開された価格は799ユーロ、これを現在の為替レートで計算すると10.5万円ほどなので、むしろ割安といっても良いのでしょうか。

格安SIM(MVNO)からも随時販売開始がアナウンスされるかと思いますが、アマゾンや公式オンラインショップ(楽天市場)では既に予約が始まっており、発売開始は12月1日です。

Huawei Mate 10 Pro SIMフリースマートフォン

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