ニュース

7インチUMPC「GPD Pocket 」がアツい!8GB RAMにx7-Z8750搭載

  • 2017-02-21
  • 2017-10-25

薄くて平べったいイメージがすっかり定着したノートパソコンですが、今に至るまで数々の特徴的な製品が世に送り出されてきました。中でも6、7年前に登場したUMPC(ウルトラモバイルPC)のインパクトは大きく、パソコンがポケットに入るというロマンに心躍らされた記憶があります。VAIO type Pは大ヒットを収めた名機ですね。

UMPCは既に過去のものと化したと思いきや、どうやら再び元気を取り戻しつつあるようです。1年ほど前、中国深センのGamePad Digital社がゲームパッド付きUMPC「GPD WIN」を発表し、瞬く間にUMPCファンの支持を集めました。日本のアマゾンでも販売されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

そして先日、ビジネス向けモデルとして7インチUMPC「GPD Pocket」が登場。今回はゲーム機要素の無いシンプルなノートパソコンです。

クラウドファンディング「Indiegogo」で出資の受付が始まった途端に出資者が続出、記事を執筆している2017年2月21日現在は3,000人以上が出資者として名乗りを上げ、目標額の20万ドルを遥かに超して130万ドルを突破。資金が集まりすぎたため、スペックの増強まで図られました。

現在、399ドル=約4.5万円から出資可能で、出資者は販売価格よりも安く優先的にGPD Pocketを手にできるとのこと。

【2017年9月25日追記】通販サイトGeekbuying様より実機をお借りし、レビュー記事を投稿しました↓

GPD Pocketの詳細スペック表

OSWindows 10 HomeまたはUbuntu 16.04 LTS
プロセッサーIntel Atom x7-Z8750 4コア/4スレッド 1.6GHz
ストレージ128GB eMMC 5.1
メモリ8GB LPDDR3-1600
ディスプレイ7インチ 1,920 x 1,200ピクセル(323.45ppi) マルチタッチ操作対応
グラフィックチップIntel HD Graphics 405
光学ドライブ無し
バッテリー駆動時間7,000mAh 12時間の連続駆動が可能
接続端子USB 3.0x1、USB 3.0 Type-Cx1、microHDMIx1、オーディオ端子x1
サイズ横180 x 縦106 x 厚み18.5mm
本体重量480g

7インチのUMPC「GPD Pocket」

画面解像度は1,920 x 1,200ピクセル。タッチ操作にも対応

GPD Pocketは7インチの液晶ディスプレイを備え、解像度は横1,920 x 縦1,200ピクセルでフルHDより縦に120ピクセル広いWUXGAとよばれるもの。また、マルチタッチ操作にも対応しています。

解像度は申し分ないのですが、ドットバイドット表示だと文字やアイコンがかなり小さくなります。なので、Windows 10のスケーリング解像度で運用するのが実用的かなと思うのですが、GPD WINではスケーリング設定が出来ないとの情報があったので少々心配ではあります。

  • 100%:1,920 x 1,200
  • 125%:1,536 x 960
  • 150%:1,280 x 800
  • 175%:1,097 x 686
  • 200%:960 x 600

筐体はマグネシウム合金製。ニンテンドー3DS LLと同じくらいのサイズ感

GPD Pocket デザイン

筐体素材にマグネシウム合金を採用しており、カラーはシルバー。とてもシンプルなデザインで、「MacBook mini」みたいな感じです。

サイズは横180 x 縦106mm、厚みが18.5mmなので、ニンテンドー3DS LLを少し大きくしたようなサイズ感でしょうか。私はDS持っていないのでピンときませんが。

GPD Pocket デザイン

冷却ファンも小型。ノイズの大きさは懸念点

Atom搭載機はファンレスが多いのですが、GPD Pocketには冷却ファンと排気口が設けられています。

タブレットやネットブックに比べて放熱性が高いのは良いのですが、搭載するファンはかなり小型なため、高い負荷が掛かった際のファンノイズがどれほどなのか、懸念点ではあります。うるさくないと良いのですが。

下の画像はGPD Pocketの内部設計図で、左下に見えるのが冷却ファンですね。

GPD Pocket 内部構造

スペックは中華ラップトップよりも良い

GPD Pocketの処理性能は、一般的な中華ラップトップよりも良いです。小さな筐体ながら、なかなか頑張っています。

Intel Atomの最上位モデル「x7-Z8750」を搭載

CPUは、Intel Atomのクアッドコア「x7-Z8750」を採用。当初はx7-Z8700が採用されるとアナウンスされていましたが、クラウドファンディングでの出資額が目標を大幅に超えたため、Z8700からZ8750に強化されました。

Z8750はZ8700の強化版にあたります。ベースクロックは両者とも1.6GHzで変わりありませんが、ターボブースト時はZ8700が最大2.4GHzに対し、Z8750では2.56GHzに引き上げられています。僅か無さではありますが、より良い物を搭載してくれているのは嬉しいですね。

Atomの最上位モデルに位置し、よくあるAtom搭載ノートパソコンよりも性能は良いです。Geekbench 4のスコアで比較すると、下の表のようになります。

Intel Atom Geekbench 4 スコア比較

多くの中華タブレット・ノートパソコンではx5-Z8300あたりが採用されていますが、GPD Pocketのx7-Z8750はそれよりも1.5倍ほど高いマルチコアスコアです。

メモリは8GB LPDDR3 1600MHz

こちらも多額の資金が集まったために、増強されました。当初は4GBとアナウンスされていたメモリ容量は2倍増え、8GBとなっています。8GBはCPU側がサポートする最大容量になります。

中華ノートパソコンの大半が4GBのメモリを搭載する中、8GBとはかなり奮発していますね。ちなみに、GPD WINはメモリ4GBです。

ストレージは128GBのeMMC。256GBを望む声も…?

ストレージは128GBのeMMCを搭載。SSDほど転送速度は速くありませんが、性能の良いCPUと余裕のあるメモリ容量のお陰で、快適な体感速度を実現してくれるはずです。

後述しますが、GPD PocketではMicro SDカードスロットが省かれたため、カードでのストレージ増強が出来ません。筆者が想定する使用用途では128GBで十分やりくりできそうですが、人によっては256GBの大容量ストレージが欲しくなるかもしれません。

OSはWindows 10 HomeかUbuntu 16.04 LTSのどちらかを選択可

GPD Pocket OS

OSはWindows 10 HomeもしくはLinuxベースのUbuntu 16.04 LTSのどちらかで、購入(出資)時に好きな方を選びます。デュアルブートではありません。

Windowsノートはありふれていますが、公式でUbuntuをインストールしているノートパソコンは珍しいですね。

ただ、どちらも料金は変わらないので、Windows版のほうがお得感はあります。通常販売時に価格差が出るのかそれとも同額なのか、非常に気になるところ。もし両者とも同額なら、Ubuntu版のメリットって全く無い気がするのですが。

キーボード配列は特殊

GPD Pocketは本体だけでなくキーボードも小型で、キーピッチもきつきつです。ストロークもほとんど設けられていないので、打ち心地には期待しないほうが良さそうです。Delキーの直上に電源キーが設けられているので、間違えて押してしまわないか心配。Enterキーもかなり打ちにくそう…。

GPD Pocket キーボード

トラックパッドは設けられていませんが、ThinkPadみたいなポインティングスティックが見受けられます。そのため、スペースキーが左右に分断されており、これまた特徴的なかたちに。ThinkPadのみたく、GとHの間にポインティングスティックを配置したほうが使いやすそうですが、技術的に難しいのでしょうか?

拡張ポートはなかなか頑張っているが、SDカードは無し

小柄なボディの割に、拡張ポートはそこそこ充実しています。ポートは全て本体右側面に集約されており、フルサイズのUSB 3.0、USB 3.0 Type-C、microHDMI、3.5mmオーディオジャックがそれぞれ1基ずつ備わっています。本体への給電はUSB-Cが担います。

GPD Pocket 拡張ポート

また、先ほどもお伝えしたように、GPD PocketにはMicro SDカードスロットが備わっていません。GPD WINではMicro SDカードが使えたので、乗り換えを考えている方はこの点注意しましょう。

本格的に使い込むなら、拡張ハブが欲しくなりますが、USB-C対応機器はまだまだ高いのが難点。

技適マークあり

以前発売されたGPD WINですが、当初は技術基準適合(技適)のマークがプリントされておらず、国内で使うと法的に問題がありました。その後に登場した国内向けモデルでは、本体裏面に技適マーク付いていますのでご安心を。

GPD WINの日本での人気を踏まえたのか、今回のGPD Pocketでは初期ロットから技適を取得するとのこで、発売されればすぐさま日本でも使うことが出来ます。これはかなり嬉しいポイントですね。

Indiegogoにて出資受付中!ただしリスクを受け入れるべし

GPD Pocket Indiegogo出資ページ

GPD Pocketの販売開始はまだ先の話で、今はあくまでも開発段階。そしてそのための資金をクラウドファンディング「Indiegogo」にて募っている最中です。

Indiegogoのページにて、誰でも399ドルから出資することが出来て、出資者には優先的にGPD Pocketが届きます。また、通常販売価格は599ドルとされているので、200ドル安く手に入ります。

ただ、今後予告なく仕様が変更されたり、開発そのものがストップ(これまでの実績から無いとは思いますが)しても、潔く受け入れなくてはなりません。リスクを覚悟の上、出資しましょう。

  • GPD Pocket Windows版 x1台:399ドル = 約45,300円
  • GPD Pocket Ubuntu版 x1台:399ドル = 約45,300円
  • GPD Pocket Windows版 x1台 + USBハブ:409ドル = 約46,500円
  • GPD Pocket Ubuntu版 x1台 + USBハブ:409ドル = 約46,500円
  • GPD Pocket Windows版 x2台:793ドル = 約90,100円
  • GPD Pocket Ubuntu版 x2台:793ドル = 約90,100円
  • GPD Pocket Windows版 x5台:1975ドル = 約224,500円
  • GPD Pocket Ubuntu版 x5台:1975ドル = 約224,500円

筆者は、GearBestやGeekbuyingなどの通販サイトで顔を見せ次第、プリセールの割引等を狙ってゲットしてみるつもりです。多少割高になると思いますが、安全性を考えてクラウドファンディングは見送ります。

早速、GearBestとGeekbuyingに製品ページが現れました。発売開始は当分先になると思われ、記載されている価格も当てになりませんが、「Arrival Notice」に登録すると入荷をメールで知らせてくれるようです。

後日、実機レビューを行いました!

【2017年9月25日追記】この記事を書いてから半年ほどが経ちましたが、通販サイトGeekbuying様よりGPD Pocketの実機をお借り出来ましたので、レビュー記事を投稿しました。

詳しい使用感やベンチマークなどまとめていますので、購入を検討されている方は、ぜひ『モバイラー御用達のUMPC「GPD Pocket」レビュー!性能や使い心地』をお読み頂ければと思います。

コメントお待ちしています

記事に関係あることでしたら、なんでもお書き下さい!頂いたコメントは公開前に管理人が一読し、問題がなければ承認します。

誠にお恥ずかしながら、たまに記事の誤記などを指摘して頂くことがあり、とても助かっております。どんなに小さなミスでも構いませんので、もし誤記や誤報を見つけましたらぜひお知らせ下さい。

批判には誠意をもって対応致しますが、アンチはスルーします。スパムはシステムのフィルターに引っ掛かるため、確認すらしていません。スパムは嫌いです。