2017年秋版:Fire 7、Fire HD 8、Fire HD 10の特徴やスペックを比較
- 2017-09-20
- 2018-03-18
去年の10月、アマゾンのFireタブレットシリーズをそれぞれ比較する記事を投稿しましたが、全モデル共に2017年の新型が登場したので、新たな記事を書き起こすことにしました。今回比較するのは、「Fire 7」「Fire HD 8」の2017年版、「Fire HD 10」の2017年版の3機種です。
7インチディスプレイを備える「Fire 7」は最も安価なモデルで、無印版Fireの後継機として5月18日にデビュー。それよりも一回り大きい8インチの「Fire HD 8」の2017年版は、2016年版とほぼ同仕様ですが、従来より16GBは1,000円・32GBは2,000円安くなっています。
最も大型な「Fire HD 10」は2017年9月19日に新型が登場し、フルHD超えの高解像度ディスプレイの搭載と処理性能の向上が施されて大幅な進化を遂げつつも、以前よりも1万円ほど値下げされています。
では、3機種それぞれの特徴や違いについてチェックしていきましょう。
目次
Fire 7、Fire HD 8 (2017)、Fire HD 10 (2017)の比較表
3機種を比較するにあたって、最も注目すべきはスペックだと思いますので、見やすい比較表を作ってみました。
ディスプレイ |
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プロセッサ |
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メモリ・ストレージ・SDカード |
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バッテリー |
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カメラ |
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オーディオ |
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Wi-Fi |
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サイズ・重量 |
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カラー |
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販売価格 | |
ボディとディスプレイの大きさ、解像度の比較
持ちやすさを求めれば画面が小さくなることで情報量が減り、その逆も然りなわけですが、「最適解」は人それぞれの用途とスタイルによりけりです。Fire 7、HD 8、HD 10のボディとディスプレイの大きさ・解像度を比較してみましょう。
モデル | ボディ | 画面サイズ | 解像度とピクセル密度 |
---|---|---|---|
Fire 7 | 192 x 115 x 9.6mm / 295g | 7インチ | 1,024 x 600 (171ppi) |
Fire HD 8 | 214 x 128 x 9.7mm / 369g | 8インチ | 1,280 x 800 (189ppi) |
Fire HD 10 | 262 x 159 x 9.8mm / 500g | 10.1インチ | 1,920 x 1,200 (224ppi) |
大きさも解像度もちょうどよいFire HD 8
ディスプレイ | 8インチ 1,280 x 800 (189ppi) |
ボディ | 縦214 x 横幅128 x 厚み9.7mm 重量369g |
「Fire HD 8」は、ボディとディスプレイ共に程よい大きさとなっています。
画面サイズは8インチ、解像度は1,280 x 800ピクセルで、この数字だけ見ると窮屈そうに感じるかもしれませんが、実際の表示領域はそこそこ広くて余裕があるため、Webページや電子書籍など細かな文字が並ぶ場面でもストレス無く使えます。
参考までに、初代の非Retina iPad miniは1,024 x 768でこれよりも若干高精細なため、別段「汚い!」と感じることはありませんし、十分実用的な解像度だと言えます。
本体は9.7mmと最近のタブレットにしては厚めですが、横幅はiPad miniよりスリム(128mm)で、重量もスマホ2台分程度(369g)に抑えているため、持ちやすく運びやすいです。
Amazon Fire HD 8 タブレット (2017年モデル)
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“HD”ではないFire 7は低解像度だがモバイル性抜群
ディスプレイ | 7インチ 1,024 x 600 (171ppi) |
ボディ | 縦192 x 横幅115 x 厚み9.6mm 重量265g |
Fire HD 8よりもほんの少し小さい7インチディスプレイを備える「Fire 7」は、画面の解像度は1,024 x 600と控えめな替わりに、モバイル性抜群なコンパクトボディを実現しています。
重量は最新のiPad miniよりも軽い295gで、横幅はFire HD 8よりも13mmほど狭まった115mm。面積は新書判を一回り大きくした程度で、手の小さい方でも確実にグリップできるはず。モバイル性重視なら、このFire 7がお薦めです。

Amazon Fire 7 タブレット
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迫力ある10.1インチ画面を備えるFire HD 10。解像度はフルHD超え
ディスプレイ | 10.1インチ 1,920 x 1,200 (224ppi) |
ボディ | 縦262 x 横幅159 x 厚み9.8mm 重量500g |
プライムビデオやゲームを大画面で楽しみたいなら、最も大きな「Fire HD 10」が良いでしょう。
10.1インチの大画面を備え、2017年モデルでは従来よりも解像度が増した1,920 x 1,200ピクセル = WUXGAとなっています。
ピクセル密度224ppiは、Appleのノートパソコン「MacBook Pro」に匹敵するほど。動画や写真をよりきめ細かに映し出せるほか、小さな文字でも輪郭が滑らかに見えるなど、Fire 7やHD 8には無い精細感を得られます。

Amazon Fire HD 10 タブレット (2017年モデル)
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CPU能力とメモリ・ストレージ容量の違い
安いにはそれなりの訳があり、端的に言うとスペックが低いFireタブレットですが、その中でも差別化が図られています。性能が低い順にFire 7 < HD 8 < HD 10という並びなので、価格と性能はぴったり比例しています。
モデル | SoC(チップ) | ストレージ(ROM) | 実行用メモリ(RAM) |
---|---|---|---|
Fire 7 | MT8127B (Antutu 2.3万点) | 8GB、16GB | 1GB |
Fire HD 8 | MT8163V (Antutu 3万点) | 16GB、32GB | 1.5GB |
Fire HD 10 | MT8173 (Antutu 6.1万点) | 32GB、64GB | 2GB |
性能も容量も削りに削ったFire 7。読書なら問題なし
SoC | MediaTek MT8127B 1.3GHz クアッドコア |
実行用メモリ(RAM) | 1GB |
ストレージ(ROM) | 8GB、16GB |
Fire 7は最も安価なFireタブレットですが、安いにはそれなりの理由があります。特に、内部のスペックおいては削りに削った感じで、CPUの処理性能や実行用メモリ、ストレージ容量などが抑えられています。
ストレージ不足はMicro SDカードによる拡張で解決しますが、メモリやCPUに関しては換装出来ないので、初めから割り切って使いましょう。2Dのゲームも場合によってはぎこちないので、音楽視聴や読書に特化して活用するのが好ましいです。

Amazon Fire 7 タブレット
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動画視聴や2Dゲームも現実的なFire HD 8
SoC | MediaTek MT8163V 1.3GHz クアッドコア |
実行用メモリ(RAM) | 1.5GB |
ストレージ(ROM) | 16GB、32GB |
Fire HD 8は7よりも性能が少しばかり底上げされています。実行用メモリは500MB多い1.5GBを積むので、アプリを数個立ち上げる程度であれば快適に動きますし、ストレージ容量も16GBまたは32GBと、用途によっては十分満足できるレベルです。
SoCは「MT8163V」を搭載し、CPUはクアッドコア。以前、当ブログではFire HD 8でAntutu Benchmarkのスコアを測りましたが、結果は3万点を超えていたため、同価格帯のエントリー向けスマホに並ぶ処理能力を持っていると言えます。(詳しくは下の記事を参照↓)

Amazon Fire HD 8 タブレット (2017年モデル)
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そこそこ余裕のある2GBメモリを搭載するFire HD 10
SoC | MediaTek MT8173 1.8GHzx2 + 1.4GHzx2 クアッドコア |
実行用メモリ(RAM) | 2GB |
ストレージ(ROM) | 32GB、64GB |
3機種のうち、最もスペックが高いのはFire HD 10。従来よりもクロックアップしたクアッドコアCPUと、そこそこ余裕のある2GBメモリを搭載し、物によっては3D系のゲームもそれなりに動いてくれるでしょう。
【2017年10月30日追記】先日のレビュー記事にて、Fire HD 10に載っているSoCの型番とベンチマークスコアが判明しました。型番はMediaTekのMT8173、Antutuスコアは約6.1万点、Geekbench 4のマルチコアスコアは約2,200点という結果で、2~3万円の格安スマホに並ぶほどのなかなかの性能を持っています。
ストレージ容量も32GBもしくは64GBと余裕があるので、アプリを沢山入れつつ動画や音楽はクラウドのコンテンツを利用すれば、容量不足に悩まされる心配は無さそうです。

Amazon Fire HD 10 タブレット (2017年モデル)
- 32GBモデル
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全機種共に最大256GBのMicro SDカードに対応
Fire 7と2017年版のFire HD 8およびHD 10は、いずれもMicro SDカードによるストレージ拡張が可能です。最大容量は256GBなので、動画・音楽専用のタブレットとしても大いに活用出来ますね。
電池持ちの違い
最も電池持ちが良いのは大柄なHD 10と思いきや、12時間駆動(公称値)のFire HD 8が一位。それに次ぐのが、10時間駆動のFire HD 10で、最も短いのは8時間駆動のFire 7です。
なので、家でも外でも使い込みたい方には、大きさも性能もバランスが良くて尚且つ電池持ちの良いFire HD 8をお薦めします。
Wi-Fi 802.11ac対応のFire HD 10と非対応の7 / HD 8
自宅専用のタブレットとして使うなら、ぜひとも確認しておきたいWi-Fiの性能ですが、Fire HD 10と7 / HD 8は仕様に違いがあります。
Fire 7とHD 8は802.11a/b/g/nでのデュアルバンド通信が可能ですが、それに加えてFire HD 10は「802.11ac」という接続方式に対応しており、802.11acのWi-Fiルーターがあれば高速なネット接続が可能です。
Webブラウジングや通信の少ないゲーム等であれば、その違いを体感する機会は少ないのですが、動画視聴となると話は別で、ac対応は大きな強みと言えます。自宅で快適に動画を観たいと望む方は、大画面を備えて高速なWi-Fi接続も可能なFire HD 10を選ぶと良いでしょう。
価格はFire 7 < HD 8 < HD 10
Fireタブレットはどの機種も格安でコストパフォーマンスに長けていますが、中でも安さを極めているのがFire 7とFire HD 8の2機種で、それぞれ8,980円〜、11,980円〜という低価格っぷり。
基本的にゲームを想定せず、安さを重視するならこの両機種が候補となり、画面の質を求めるならFire HD 8、モバイル性に重きを置くならFire 7といった選び方になるでしょう。
それらに比べると1万円ほどお高いFire HD 10ですが、HD 8や7に比べると画面の質やスペックが格段に向上しているため、ビデオや読書を楽しむのみならず、Webブラウジングや表・文書作成もストレスなくこなせます。
以前は最安モデルでも3万円ほどだったFire HD 10ですが、2017年9月にデビューした新モデルは実に1万円以上安くなった18,980円〜で売り出され、コスパの良さも際立っています。

Amazon Fire 7 タブレット
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Amazon Fire HD 8 タブレット (2017年モデル)
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Amazon Fire HD 10 タブレット (2017年モデル)
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後日、ベンチマークスコアや電池持ち・充電時間を比較する記事を書きました
この記事を書いてから2ヶ月ほど経ちましたが、筆者の手元にFire 7、HD 8、HD 10の3機種が勢揃いしたので、パフォーマンスやバッテリーに着目した比較記事「2017年版 Fire7/HD8/HD10 ベンチマークや電池持ち、充電時間を比較」を新たに投稿しました。
ベンチマークスコアだけでなく、実際の電池の持ち具合や充電に要する時間まで徹底的に調べましたので、どの機種にしようかと迷っている方はぜひ参考にして頂ければと思います↓
お聞きしたいことがあります。Fire hd 8の2017型と2016型はGhzが同じなのですが、同一CPUでしょうか?
そうですね。2016年版と2017年版の両方を所持していますが、CPUの型番は同じで、MediaTekというメーカーのMT8163Vが搭載されています。
実行用メモリも全く同じなので、実際の動作=サクサク具合も変わりません。