2016年版Fire HD 8、一ヶ月使い込んでみて感じた魅力と改善点
- 2016-10-20
- 2017-12-25
先月アマゾンより発売開始された8インチタブレット「Fire HD 8」2016年モデル、筆者も実物を手にとって開封の様子と簡単なレビューをまとめた記事「アマゾン発売のFire HD 8 2016年モデルを開封&軽くレビュー」を書きましたが、使い始めてから約一ヶ月が経ちました。
2016年版Fire HD 8を一ヶ月みっちりと使い込んでみて、徐々に分かってきた魅力や今後出来れば改善して欲しいポイントなど、率直な感想を皆さんにお伝えできればと思います。この製品は果たして”買い”なのか、総評レビューします。
これから購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
前回の記事は↓
Amazon Fire HD 8 タブレット
- 16GBモデル
- amazon.co.jpで見る
- 32GBモデル
- amazon.co.jpで見る
OS | Fire OS |
---|---|
プロセッサー | MediaTek MT8163 4コア 1.3GHz |
ストレージ | 16GB、32GB |
メモリ | 1.5GB |
ディスプレイ | 8インチIPS液晶 1,280 x 800ピクセル |
グラフィック | Mali-T720 MP2 |
内側カメラ | VGAフロントカメラ |
外側カメラ | 200万画素 HDリアカメラ |
通信 | Wi-Fi デュアルバンドa/b/g/n、Bluetooth 4.0 |
バッテリー | 4,750 mAh 最大12時間駆動 |
拡張 | microUSB x1、オーディオ端子 x1、microSDスロット(最大200GB) |
サイズ | 214 x 9.2 x 128mm |
本体重量 | 341g |
カラーバリエーション | ブラック |
目次
筆者にとって初めてのFireタブレット「Fire HD 8」
筆者はこれまでに幾つかのタブレット端末を触ってきましたが、アマゾンが販売するFireタブレットを手にしたのは、このFire HD 8が初めてです。
Fire OSの知識は持ち合わせていませんし、旧機種からの変化やKindleシリーズとの使用感の違いも分かりませんが、Fire HD 8を純粋に”タブレット”として使ってみた感想をお届けします。
Fire HD 8を使ってみて、コレは良い!と感じたポイント
まず何よりも安い。そしてコスパ良すぎる
7インチのFireやFire HD 8は、コレ本当に使えるの!?と不安になるほど安いです。
今回購入したFire HD 8 16GBモデルは通常12,980円、そこから更にプライム会員限定4,000円割り引きで8,980円という低価格っぷり。「タブレット」といえば安くても2〜3万円前後のものを思い浮かべますが、1万円以下という破格で買えてしまった事には驚きました。
旧モデルからストレージ容量が倍になりつつも大幅に値下げされたため、かなりお買い得感を感じますし、コスパはめちゃくちゃ高いと思います。
【2017年6月9日追記】Fire HD 8が1,000円値下げされ、16GBモデルが11,980円、32GBモデルが13,980円で買えるようになりました!
低スペックなのに驚くほど動作が快適
決して優秀とは言えないプロセッサや1.5GBのメモリなど、カタログスペックを見るに正直安かろう悪かろうだと諦めていました。が、しかし、いざ使ってみると、低スペックタブレットとは思えないほど動作が軽快です。「ありとあらゆる動作がサックサク」は言い過ぎかもしれませんが、「安い割にはよく動いてくれる」といった印象です。
Fireタブレットには、Androidをベースとしたアマゾン製カスタムOS「Fire OS」がインストールされており、余計な機能を省いてミニマムに仕上げたためか、一般的なAndroidと比べ要求スペックが低いのでしょう。また、調べてみたところ、2016年版のFire HD 8はより高価なFire HD 10よりも高性能なプロセッサを搭載しているとか…。
標準のブラウザー「Silk」はタブを複数開いてもサックサク動きますし、Twitter等のSNSアプリやOneNote等のメモ・ノートアプリも快適に使えます。
更には割りと動作の重い3Dカーレースゲーム「Asphalt 8」もややコマ落ち等は見受けられますが、問題なくプレイ出来てしまい、スペックに関しては良い意味で裏切られました。
【2017年3月8日追記】Fire HD 8の処理性能や電池の持ちをベンチマークアプリで測りました。具体的な数値でスペックを知りたい方は「Fire HD 8 2016の性能と電池持ちをベンチマークで測ってみた」をお読み下さい。
アマゾン独自の「Fire OS」、操作感はAndroidとほぼ変わらず使いやすい
先程も説明したように、Fireタブレットにはアマゾンが開発した「Fire OS」が搭載されています。スマホ・タブレットでお馴染みの「Android」をベースとし、アマゾンサービスに特化した作りに手を加えたものがFire OSになります。例えば、AndroidではGoogleアカウントでログインしますがFire OSではアマゾンアカウント、Androidではプレイストア経由でアプリを入手しますがFire OSではAmazonアプリストアなど、様々な面においてアマゾン色が強調されています。
AndroidでもありAndroidではない、ガラパゴスなOSに対して不安感を抱いていましたが、実際使ってみるとAndroidとほぼ変わらない操作感で安心しました。ホーム画面の作りはアマゾン色強めですが分かりやすく、Silkブラウザーやメールアプリ、ファイルの管理など、全ての機能を戸惑う事無く使えました。




思っていたよりも液晶ディスプレイが綺麗、視野角も広い
Fire HD 8の液晶ディスプレイは想像していたよりも発色が綺麗で、IPS方式を採用しているためか視野角は広いです。あいにく、8インチという大きさの割に解像度は1,280 x 800と低く、画素ピッチは189ppiと決して高精細ではありません。しかし、ネットブラウジングでの文字の視認性は悪くはありませんし、意外と画素の粗さも目立たないため、十分実用域に達していると思いました。
画面アスペクト16:10=8:5の恩恵なのか、スリムな横幅でグリップ感があって持ちやすい
画面アスペクト比3:2や4:3のタブレットが多い中、Fire HD 8は16:10=8:5。
横幅が引き締まっているため、グリップ感があって片手でも持ちやすいです。以前、アスペクト比が4:3のiPad miniを使っていまして、画面サイズが0.9インチ小さい上に横幅がスリムなFire HD 8はより持ちやすく感じました。
本体はちょうど単行本(B6判)と同じようなサイズ感で、電子書籍を読むには丁度良いサイズとなっています。
今後、アマゾンが提供する読み放題サービス「Kindle unlimited」を試してみたいと考えており、そのときにもFire HD 8は大活躍してくれそうです。
今後出来れば改善して欲しい、Fire HD 8の残念なポイント
かなりメジャーなアプリがストアで配信されていない
これは全てのFireタブレットに当てはまるデメリット。Fire OSに最適化されたアマゾンのアプリストアは、AppStoreやGoogle Playストアに比べ、配信されているアプリの数がかなり少ないです。マイナーなアプリは致し方無いものの、かなりメジャーなアプリでも配信されていない場合があります。
これからFireタブレットを購入する方は、自身の使いたいアプリはあるか、もし無い場合は代用アプリが存在するのか確かめましょう。
YouTube

Fire HD 8を買って一番痛かった点、それはYouTubeアプリが配信されていないこと。
Amazonアプリストアで「YouTube」と検索すると「YouTube.com」というアプリが引っ掛かりますが、あれ実は公式版のアプリでは無いんですね。開発元がイマイチよく分からないアプリは、セキュリティ性の低下や思わぬトラブルを引き起こす可能性があるため、インストールしてはいけません!
おそらく国内のスマホユーザーの2、3人に1人はYouTubeアプリを使っていると思うので、いくらアマゾン専用端末とは言えどYouTubeアプリくらいは欲しいところです。
LINE

これまた困りました!
Fire版のTwitterやFaceBookはあるのに、日本国内ではめちゃくちゃメジャーなSNS「LINE」のアプリが無いのです。一先ずYouTubeはブラウザーから利用できますが、LINEはアプリ限定ですので、現状FireタブレットでLINEを使うことは出来ません。
スマートニュース

最後にスマートニュースですが、これまたFire版アプリが存在しません。
幅広いジャンルに分けられたニュース情報や、著名なウェブメディアから発信される記事をまとめて読むことが出来るため、このブログのネタ探しツールの一つでもあります。代わりになるRSSリーダーやその他のニュースアプリをいろいろ探しましたが、やはり操作感はスマートニュースが断トツで快適です。
カメラの画質は悪い。全く期待しない方が良い
これは購入前から重々承知していた事ですが、カメラの画質は悪い、というか値段相応ですね。コストダウンを図ったためか旧モデルより性能が落ちているようで、フロントカメラは30万画素バックカメラでさえも200万画素と、最近のスマホ・タブレットと比べると明らかに画質の悪さが目立ちます。
カメラテストを兼ねて、Fire HD 8を片手に近所の公園へ行ってきました。200万画素のバックカメラで何枚か静止画を撮影しましたので、下に貼っておきます。クリックすると拡大画像が表示されます。
液晶面の周囲光反射はかなり激しい。屋外での使用はアンチグレアフィルム必須かも
Fire HD 8の液晶面はアンチグレアではありませんので、周囲光をもろに反射します。屋外で使うと視認性は極めて悪く、おまけに指紋が目立ちやすいため、サラサラとしたアンチグレアフィルムが欲しくなりました。
スピーカーの音質はチープ。イヤホンまたはスピーカー必須と言っても良い
Fire HD 8を動画や音楽を再生する「メディアプレイヤー」として活用される方は多いかと思います。ただしその場合、外部のオーディオ機器はもはや必須といっても過言ではなく、本体内蔵のスピーカーは安さ相応のチープな仕上がりです。
左右に設置されるステレオ式ではあるものの、臨場感や音圧はまるでありません。音そのものはスカスカとしていて、一昔前のラジオを聞いているかのよう。
アマゾンが提供している「プライムビデオ」や「プライムミュージック」などと併せて利用したいデバイスですが、それにしてはスピーカーがあまりにも貧弱だなと感じました。今後ぜひとも改善して欲しい点です。
一ヶ月使ってみて、ざくっと総評!
随所からにじみ出るアマゾン色と、一般的なAndroidとの違いを受け入れられる方であれば、Fireタブレットは買いだなと思いました。
ブラウジングやTwitterは何ら不自由なく快適に楽しめますし、電子書籍やビデオ視聴などのオフライン使用にはもってこいなデバイスです。近いうちにMicro SDカードを購入し、動画をたくさん詰め込んで楽しもうかなと思っています。
ただし、YouTubeで画質が選べなかったり、FireOSに対応していないアプリが多いなどの問題から、万人受けするかと聞かれればYESとは言えません。また、iPad miniなどに比べるとクオリティは明らかに劣るため、ある程度の割り切りも必要です。
万能タブレットでは無いものの、用途を考えればかなりコストパフォマンスの高い一台。これがFire HD 8を一ヶ月使ってみての感想です。
Fire HD 8は、下のAmazonリンクから購入できます。

Amazon Fire HD 8 タブレット
- 16GBモデル
- amazon.co.jpで見る
- 32GBモデル
- amazon.co.jpで見る
ちょうど今Fire HD8を買おうか迷っていたため、大変参考になりました!!
一つお聞きしたいことがあります。fireOSはアンドロイドを基に作られているとの事ですが、アプリのapkファイルを入れることは出来ますか?
youtubeの公式アプリがないのは痛いので….
コメントありがとうございます。
はい、確かにFireOSはAndroidのカスタムROM的なもので、基本的な構造はAndroidと変わりません。なので、apkファイルからアプリをインストールすることは可能で、私も以前にベンチマークアプリをapkで入手したことがあります。
ただし、YouTubeアプリの場合、併せてGoogle関連のプログラムをインストールする必要がありますので、少々面倒です。また、これはあくまでも非正規の方法なので、実行される際は自己責任でお願いしますね。
具体的な手順に関しては、Androidの専門ブログandroidlover.net様による解説記事が大変参考になりますので、勝手ながら下にリンクを貼ります↓
http://androidlover.net/tablet/amazon-kindle-fire-hd/install-youtube.html
いくらガラパゴスなFireOSといえど、YouTubeの公式アプリは配布して欲しいものですね…。