レビュー

現状最有力の格安タブレットFire HD 10(2017)を一ヶ月半使った感想

  • 2017-11-27
  • 2017-12-09
8/10
  • MacBook Pro並に精細な10.1インチの大画面
  • 他のFireタブレットとは比にならないほどサクサクと動作し、ベンチマークスコアも高水準
  • 電池持ちも良好で、12時間の連続動画再生が可能(当ブログの検証)
  • 1万円後半という安さ
  • 充電時間が遅い
  • カメラの画質が悪い
  • ディスプレイがテカリすぎ・指紋目立ちすぎ
  • Fire OSによって、せっかくの性能が活かしきれていない

アマゾンが今年10月に発売した10.1インチのタブレット「Fire HD 10」。当ブログでは発売と同時に実機レビュー記事を書きましたが、その時は開封の様子やベンチマークテスト等をざっくりまとめた簡素な内容でした。

使い始めてから一ヶ月半が経ちましたので、詳しい使用感や良いところ・悪いところを総まとめしようと思います。

Amazon Fire HD 10 タブレット (2017年モデル)

画面がデカく、なおかつ綺麗でとても見やすい

Fireタブレットで「HD」を冠する機種は、Fire HD 10とHD 8の2つ。Fire 7にはHDの文字が無いので、すなわち画面の解像度が高いことを示していると察しますが、HD 8は縦1,280 x 横800ピクセルに対し、HD 10はそれよりも解像度の高い1,920 x 1,200のディスプレイを備えています。

いくら画面が大きくても、解像度が低くて映像が荒くては使い物になりませんよね。Fire HD 10の場合、1ピクセルあたりの画素数を示すppi(ピクセルパーインチ)は224で、これはAppleのMacBook Pro Retinaと同水準。最近のスマホはもっと高精細ですが、目を遠ざけて見るタブレットであれば十分な密度で、小さな文字や写真の輪郭が実に滑らかに映し出されます。

プライムビデオでは「1080p」が選択可能で、これはつまり原寸大表示=ドットバイドット表示が出来るということ。画面がフルHDに満たないHD 8では、例えフルHDの動画を持っていたとしても、表示される段階で画質が劣化してしまうので、フルHDをそのまま楽しめるのはHD 10の特権。

また、IPS方式のディスプレイを採用しているため、発色や視野角なども非常に良好です。

サクサクと動作。Fire 7やHD 8のような“我慢”はいらない

ネットブラウジングやKindle本を読むならFire 7やHD 8ほどの処理能力でも耐えられますが、動画のストリーミング再生やアプリを切り替えながら使う場面ではどうしてもモタツキを感じてしまいます。「使えないわけではないものの我慢が絶えない」というのが、7とHD 8を使い続けてきた正直な感想でしょうか。

しかし、Fire HD 10はそれらとは一線を画していて、どんな作業においても明らかにワンテンポ速いのです。iPadみたいなクリエイティブな使い方を想定したタブレットではないので、「高性能」を求めるのは間違っていますが、動画視聴や2Dグラフィックのゲーム(パズドラなど)であればかなり軽快に動いてくれます。

アプリの同時起動にも強くて、タスクボタンをタップ→アプリ切り替えも俊敏にこなしてくれますし、処理が追いつかなくて強制終了!なんて事態にも未だ出くわしていません。

それもそのはず。先日、Fire HD 10の実性能を明らかにすべく、Antutu Benchmarkをはじめとする各種ベンチマークテストを行いましたが、Antutuや3DMarkはあの人気SIMフリースマホ「Huawei nova」に匹敵するスコアを記録したのです。

3機種中最も優れていたのは総合スコア約6.1万点のFire HD 10で、Fire 7やHD 8の2倍ほどの数字を叩き出しました。参考までに、約3万円のSIMフリースマートフォン「Huawei nova」は6.3万点なので、2万円以下でここまで食らいつくとは驚きです。

2017年版 Fire7/HD8/HD10 ベンチマークや電池持ち、充電時間を比較

1万円後半のタブレットが3万円半ばのスマホに食らいつく訳ですから、性能面でのコストパフォーマンスは抜群。

実際の電池の持ちはHD 8を上回った!十分なスタミナ

アマゾンの販売ページを見ると、Fire HD 10が「最大10時間駆動」に対してHD 8はそれよりも更に長い「最大12時間駆動」と書かれていますが、先日バッテリーテストを実施したところ、なんと立場が逆転してしまいました。

つまり、Fire HD 10が最もハイスタミナなFireタブレットということです。

YouTubeの動画を流しっぱなしの状態で放置し、「Battery Mix」というアプリを用いて残量を逐一ログとして残すという方法です。画面の明るさ半分の状態で周囲光に合わせる自動調節機能はオフ、音量は3分の1程度、そして通信はWi-Fiのみに設定し、限りなく平等な条件のもと測りました。

バッテリー残量100%から0%に至るまで、Fire 7は約7.5時間、Fire HD 8は約10.5時間、そしてFire HD 10は12時間という結果に。

2017年版 Fire7/HD8/HD10 ベンチマークや電池持ち、充電時間を比較

一般的なスマートフォンと同等かそれ以上の駆動時間なので、自宅に据え置いて動画を楽しんだり、雑誌・漫画リーダーとして活用するなら全く不満を感じません。

ノートパソコンの半分ほどの重さで、持ち運びも現実的

大きいが故にネックとなるのが、モバイル性ですよね。

スマホユーザーからは「こんなに大きなデバイス、どう持ち歩くの?」と敬遠されてしまいそうですが、本体の重さは500g程度なので、薄型ノートパソコンの半分ほど、それにスマホ3台分と考えれば大したこと無いと感じるはず。

本体の面積は、長辺が262mm で短辺が159mmで、これに最も近いのがB5サイズのプリント紙。ノートパソコンをしまうような鞄やショルダーバッグがあれば、難なく持ち運べます。ただ、よほど手の大きい方でなければ片手でがっつりホールドするのは難しいので、持ち運びやすさを最優先するならFire 7あたりがベストですね。

肝心の用途は?Fire HD 10はどんな使い方に向いているのか

プライムビデオをはじめとする動画再生

先ほどもお伝えしたとおりFire HD 10の画面は高精細で発色も良いので、動画視聴にはもってこいのデバイスです。

アマゾンプライムビデオやNetflixなどの動画サービスはもちろんのこと、ちょっとした裏技を使ってGooglePlayストアを導入(後述します)すれば、YouTubeやニコニコ動画それにAbema TVも快適に楽しめます。

それに、Fire HD 10では最大256GBの大容量Micro SDカードに対応しているので、ダウンロードした動画の保管庫としても最適かと。

スマホとは段違いの迫力で映像を楽しみたい方には、ぜひともこのFire HD 10を薦めたいですね。

「大きなスマホ」感覚でWebブラウジングや調べもの

パソコンやiPadのような生産性は無いので、基本的にコンテンツを“受ける”ためのタブレットになりますが、「大きなスマホ」感覚でコンテンツを楽しむならFire HD 10はベストチョイスだと思います。

動画視聴もそうですが、Webでニュースやレシピを調べたり、ニュースアプリをインストールして情報収集する場面では、小さな画面のスマホよりも大画面を備えるFire HD 10の方が圧倒的に効率が良いです。流し読みが出来るわけですね。

本“も”読めるオールインなタブレットとして

従来のFire HD 10では画面解像度が足りず、雑誌の細かな文字が潰れてしまいましたが、進化した2017年モデルならそんな心配は無用。

読書に特化したデバイスが欲しいなら、電子ペーパーで目に優しい「Kindle」を選ぶのが無難ですが、本“も”読めるFire HD 10なら単行本だけでなく雑誌や漫画をカラー表示で読めます。アマゾンコンテンツを一通り楽しめるオールインワンなタブレットとして、Fire HD 10はベストチョイスだと思います。

HD 10に関していえば、GooglePlayストア導入で最強の格安タブレットへと変身する

Fireタブレットには、Android OSを基にアマゾンが独自の機能を盛り込んだ「Fire OS」が搭載されていますが、残念ながらGoogle系サービスは一切使えません。(GmailやGoogle検索はブラウザーから利用できます)

Google系サービスが使えないということは、YouTubeアプリも使えないので、知らずに購入してしまうとかなりの痛手を被ることになるでしょう。

その代わり、プライムビデオやPrime Music、Kindle本といったアマゾンコンテンツにはホーム画面から直行出来るようになっており、とにかくアマゾン一緒に染め上げられたOSです。アマゾンさんが用意した豊富なコンテンツがお財布を刺激してくるので、ある意味かなり危険なデバイスです(笑)

そういったアマゾンの策略を含めてFireタブレットの面白みだと思うので、筆者は基本的に「FireタブレットはFire OSのまま使うべき」と考えています。しかしFire HD 10に関して言えば、せっかくの性能がFire OSの制限によって活かしきれていない!と感じたため、思い切ってGooglePlayストアをはじめとするGoogle系サービスを導入しちゃいました。

それはもう快適で、YouTubeやニコ動、Abema TVなどお馴染みの動画サービスを大画面で楽しめますし、Google Chromeや日本語入力を導入することで通常のAndroidタブレットと変わらぬ利便性を手に入れられます。

その時の様子は「Fire HD 10にGoogle Playストア入れちゃったので方法を解説します」の記事にまとめましたので、興味のある方は覗いてみて下さい。

Fire HD 10の悪いところ

充電時間が遅い

電池の持ちはなかなか優秀なFire HD 10ですが、充電はダメ。

Fire 7やHD 8よりも出力の高い9W(5.2V / 1.8A)充電器が同梱されますが、それをもってしてもフル充電には4時間半ほど掛かってしまいます。最近のスマホなら、2時間経たないうちに満タンになる機種も珍しくないので、Fire HD 10の充電の遅さはなんとかしてほしいものです。

最も速く充電できるのは、3機種のうち最もバッテリーの小さなFire 7で、掛かった時間は3時間40分。Fire HD 10は付属の9W急速充電器を使った場合で4時間20分掛かり、最も時間を要するのは5時間10分のFire HD 8です。

2017年版 Fire7/HD8/HD10 ベンチマークや電池持ち、充電時間を比較

2Aや2.4Aの急速充電器、それにAnkerのPowerIQ、ダメ元でQuickCharge等も試してみましたが、どれも尽く5W(5V 1A)ほどで頭打ちとなってしまいました。タブレット側が受け付けてくれないんですよ。

カメラの画質が悪い

Fireタブレット全てにいえることですが、本体の前面と背面に備えられているカメラは画質が非常に悪く、実用的とは程遠いです。おまけに、ズームしていないのにも関わらず画角がめちゃくちゃ狭くて、被写体を上手く画面に収めることさえ困難。

QRコードを読み取ったりメモする程度であれば問題ありませんが、風景や食べ物を撮ったり、セルフィーには全く向きません。

ディスプレイがテカリすぎ・指紋目立ちすぎ→解決策あり

ディスプレイの映りは素晴らしいFire HD 10ですが、表面はツルツルテカテカのグレア仕上げのため、周囲光をもろに反射するので、昼の屋外では視認性が下がります。

また、指紋を防ぐコーティングなども省かれているとみられ、少し操作するだけで指紋で汚れてしまうので、周囲光反射と指紋・アブラまみれのダブルパンチを食らうわけです。

これを解決すべく、筆者はPDA工房さんのアンチグレアフィルム「Perfect Shield Fire HD 10」を購入。フィルム表面はマットな質感のため、これを装着すれば反射が抑えられて画面は汚れにくくなり、なおかつ指がスムーズに滑るようになるので、視認性と操作性共にかなり改善されます。

PDA工房 反射低減保護フィルム「Perfect Shield」 Fire HD 10 2017年モデル用

Fire HD 10の主なスペック

最後に、今回レビューしたFire HD 10のスペックをまとめておきます↓

OSAndroidベースのFire OS
プロセッサーMT8173 クアッド(4)コア 1.8GHz x2 + 1.4GHz x2
ストレージ32GB
メモリ2GB
ディスプレイ10.1インチ 1,920 x 1,200ピクセル(224ppi) IPSディスプレイ
グラフィックPowerVR GX6250
内側カメラVGA(30万画素)
外側カメラ200万画素
通信Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac対応、Bluetooth対応
バッテリー最大10時間駆動(公称値) 容量は不明
拡張Micro USB(2.0) x1、3.5mmオーディオジャック x1
サイズ縦262 x 横幅159 x 厚み9.8mm
本体重量500g
カラーバリエーションブラック

Amazon Fire HD 10 タブレット (2017年モデル)

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