Elephone S8実機レビュー WQHD液晶が美しい中華製ベゼルレススマホ
- 2018-02-16
- 2018-03-03
去年の12月、Elephone S8のファーストインプレッションをお届けしましたが、あれから早くも2ヶ月ほどが経ってしまいましたね。
なかなか詳細なレビュー記事を投稿出来ずにいましたが、パフォーマンステストや使用感チェックを一通り終えたので、各項目に分けてご紹介します。
目次
GearBestが8月に実施していたプリセールに飛び乗った!2ヶ月間気長に待ってたよ
今回筆者は、中華ガジェットを幅広く取り扱うGearBest.comで購入しました。8月にプリセール(前売り)が実施されていたのでポチってみましたが、出荷予定日がどんどん伸びてゆき、手元に届いた時には注文から2ヶ月ほど経っていました。
流れをまとめると、こんな感じ↓
- 8月22日:注文
- 10月16日:出荷完了のメールが届く
- 10月21日:大阪の営業所へ届く
- 10月22日:配達完了
開封の様子
では早速、開封の様子から。パッケージは真っ白で、水色のElephoneロゴラベルがアクセントとして効いています。
裏面には主なスペックや対応周波数帯などが英語で記載されています。SoCはMediaTek Helio X25、4GBの実行用メモリと64GBのストレージというスペック構成です。
付属品はかなり充実していました。充電・データ転送ケーブルやUSB充電器、それにSIMトレイ取り出しピンなどはお馴染みですが、ソフトタイプの背面保護ケースや、USB-C端子をオーディオジャックへ変換するアダプターも付いています。
USB充電器は最大5V/2Aとそこそこ高出力ですが、残念ながらEUプラグのため、日本のコンセントには差し込めません。変換プラグをかませれば使えますが、他のスマホに付いているような一般的なUSB充電器で問題なく充電できるので、これは箱の中へ戻しておきます。
一世代前のElephone S7の充電端子はMicro USBでしたが、S8ではリバースブルな形状の「USB Type-C」が採用されています。ケーブルは片方がUSB-C、充電器へ繋ぐ側がフルサイズのUSB。
今回購入したのはブルーモデルですが、ケーブルの端子部分も青色に塗装されていて、統一感がありますね。
最後に、画面に貼られている保護フィルムを剥がします。表面のフィルムは傷防止のためのものですが、それを剥がしてもまたフィルムが貼られており、「このまま使って下さい」というメーカー側からのサービスでしょう。
せっかくなので貼ったまま使おうと思いましたが、色のにじみが見られたので、結局剥がしてしまいました…。
本体外観をじっくり眺める
Elephone S8最大のアピールポイントは、やはり何と言っても6インチの大画面と狭いベゼル。下の画像を見て頂ければ分かるとおり、本体全面の大部分を画面が占めます。
一つ前のモデルにあたる「Elephone S7」は、Samsung Galaxy Edgeシリーズみたいなデュアルエッジスクリーンを取り入れた機種でしたが、今作S8はXiaomi Mi MIXやAQUOS CRYSTAL Xを意識させる3辺ベゼルレスを実現しています。
解像度はフルHDよりも大きな縦2,560 x 横1,440ピクセルで、WQHDという規格になります。一般的なパソコンモニターよりも高解像度で、それが対角6インチというスペースに凝縮されている訳ですから、どんなに小さな文字やアイコンでも実に滑らかに表示されます。
ディスプレイの上をよく見ると、近接センサーや環境光センサー、そして小さな受話口が見受けられます。
ベゼルの幅を測ってみると、左右が3mm、上部が4mmでした。iPhone XやXiaomi Mi MIX 2は4〜5mmなので、3万円以下というお値段でありながら「ベゼルレス度」は高級機に負けていません。ただ、Elephone S7では左右のベゼルが極限まで削られていたため、もっと突き詰められた気はします。
ディスプレイの下には、角丸四角のホームボタンが備わっており、指紋認証センサーも兼ねています。
S7では物理的に押し込むことでホームへ戻る事が出来ましたが、今回のS8はタッチ操作のみになりました。「ホーム」はダブルタップ、「戻る」はワンタップ、「タスク」は長押しというかなり特殊な操作方法に変わったので、使い慣れないと戸惑います。
続いて背面をチェック。背面はガラス製とのことですが、力を入れて押し込むとほんの僅かに凹むので、硬度はプラスチック並と思われます。地面へ落としてしまえば、ほぼ間違いなく割れるでしょう。
S7はこれよりもっと柔らかくて、レビュー記事を書いた当時「ガラスとは思えない」とのご指摘を頂くほどでしたが、それに比べると随分と改善されています。
周りの景色が映り込み、見る角度によって反射模様が変わる特殊な加工が施されているので、目を引くデザインに仕上がっています。
がしかし、色合いがかなり派手派手しく、残念ながら「美しい」とは思えませんでした。デザインに関しては個人個人の好みもあるので、否定するつもりはありませんが、公式サイトを目にして抱いたイメージよりも現物はチープでした。Huawei honorシリーズ、ZenFone 3のような“深み”が足らないのでしょう。
また、ガラスの性質上致し方ないことですが、指紋や手の脂はかなり目立ちます。おそらく、今回手にした明るい色合いのブルーモデルはまだ目立たないほうで、ブラックだと見るに堪えない酷い有様になりそうです…。
底面にはUSB Type-Cポートが備わっており、その右側にスピーカー、ポート挟んで左側にはマイクがあります。フレームはマットな質感の合金ですが、さり気なく横切る黒い帯はアンテナバンドで、電波を通しやすくするために樹脂で作られています。
音量調節と電源ボタンは前面から見て右側面にあり、電源ボタンには表面にドット状の凹凸が刻まれていて、周囲が赤く塗装されているので、Huawei P10を連想させるデザイン。
2つとも素材はフレームと同じ金属製なので、確かな押し心地とクリック音が得られます。こういった細部の仕上がりは良い感じ。
左側面に設けられたSIMカードスロットは、2つのSIMを装着できるデュアルSIM構成で、両方ともNano-SIMとなっています。なお、Micro SDカードは使えません。
本体重量は190.4gありました。スマホとしてはヘビー級ですが、なにせ6インチの大型ファブレットなので、ボディサイズを考えれば妥当なところでしょう。
外観をチェックする短い動画も作ってみたので、反射具合をチェックしてみて下さい↓
WQHDディスプレイの圧倒的解像感!動画視聴にはもってこい
Elephone S8には、縦2,560 x 横1,440ピクセル = WQHDという超高解像度なディスプレイが備えられており、どんなに細かな文字でさえクッキリと表示されますし、綺麗な映像を綺麗なまま楽しめます。このスマホの真価はコレでしょうか。
正直、「スマホにおいてはフルHD(1,920 x 1,080)くらいが丁度よい」と考える筆者ですが、WQHDの圧倒的な解像感を見せつけられてしまうと、ぐうの音も出ません。
下の画像は、左がElephone S8で右がiPhone 8。同じ画像を同倍率で表示させたものですが、S8の方が明らかに滑らか。
YouTubeのアプリでは1080pよりも更にハイクオリティな1440pを選べます。最近流行りの縦長画面ではなく、一般的なアスペクト比16:9を採用するS8ですが、WQHDの動画をそっくりドットバイドット表示できるのは魅力↓ (縦長な機種だと、左右に黒帯が出てしまうので…)
6インチ大画面のパワーは、Webブラウジングや電子書籍においても発揮され、より多くの情報をより読みやすい文字サイズで得られます。
下の画像は、左からXiaomi Redmi 5 Plus(5.99型)、Elephone S8、iPhone 8(4.7型)を並べて、同じWebページを表示させた様子です。縦長なRedmi 5 Plusの圧勝…と思いきや、Elephone S8は画面下部にタッチボタンが表示されないため、より多く文字を表示できていますね。
また、シャープ製のディスプレイユニットを用いているとのことで、色温度や発色のチューニングは申し分ありません。有機ELに比べるとコントラストに欠ける印象はありますが、それでもスマホとしてはかなりレベルの高い映像を映し出してくれます。
パフォーマンス・各種ベンチマークスコア
Helio X25はデカコア(10コア)のCPUを内蔵する点が売りですが、8コアのSnapdragon 800シリーズには到底及ばない性能で、現状ではミドルレンジ〜ミドルハイの立ち位置。
とはいえ、Helio PシリーズやSnapdragon 625よりかはワンランク上のパワーを持っているので、日常用途において困ることはありません。3D描写の多いゲーム(デレステなど)も、設定次第では何ら支障なく遊べます。
では、各種ベンチマークのスコアを一気に公表します。バラツキ具合を把握するため、3回連続でテストしました。
Antutu Benchmark v6
まずは、最もポピュラーなAntutu Benchmark v6。総合スコアは8万点後半、3Dスコアは1万点台、CPUスコアは2万点前半をマーク。
ナンバリングから分かるとおりX25はX20の増強版ですが、性能差は微々たるもの。
Antutu Benchmark v7
続いて、リリースから間もないAntutu Benchmark v7でテスト。v6に比べスコアが高くなる傾向があるようですが、Elephone S8の場合はむしろその逆で、総合スコアは1万点ほど落ちてしまいました。
内訳を見てみると、GPUのスコアが著しく上がった一方で、実際の使い勝手を示すUXスコアはガタ落ちしているので、v6では過大評価されていたということでしょうか。
Geekbench 4
CPUの処理能力を測るGeekbench 4のスコアは、シングルが1,700点台、マルチコアは4,000〜4,500点で推移しました。
3DMark
最後に、グラフィックの描写能力を調べる3DMark。Sling Shot Extremeは、最初のテストでは1,015点を記録しましたが、発熱が足を引っ張ったためか2回目817点→3回目800点と大きく落ち込んでしまいました。
相変わらずバッテリーは弱点
PCMarkのバッテリーテスト機能「Work 2.0 battery life」を用いて、バッテリー残量100%の状態から20%に至るまでの駆動時間を調べたところ、結果は5時間25分となりました。(画面輝度は50%で自動調節なし、Wi-Fiオン、Bluetoothオフに設定)
Elephone S8には4,000mAhのわりかし大容量なバッテリーが内蔵されているものの、同容量のHuawei Mate 9に比べると消耗が激しく、Snapdragon 625搭載機(Huawei novaやRedmi 5 Plus)と比べようものならその差は歴然。S7に比べれば改善されていますが、それでもなお、設定を工面しても一日使い込むのはかなり厳しいのが実情です。
カメラはイマイチ…というかお値段相応
Elephone S8はカメラを売りにした機種という訳ではないので、そもそも期待していませんでした。フォーカスは遅めで実際の写りは暗く、おまけに純正のカメラアプリは最低限の撮影モードしか備わっていないので、“カメラスマホ”として活用できるレベルではありませんが、値段が値段ですからね…。
とはいえ、2,100万画素という高解像度センサーを搭載するので、ピントさえあえばクッキリとした写真が撮れます。試し撮りしたものをいくつか貼っておきますね↓ (各写真をクリックすると原寸大表示できますが、スマホの方はデータ量にご注意下さい)
ソフトウェアについて
OSとしてはAndroid 7.1.1が搭載されており、殆どカスタマイズされておらず、見た目も操作も限りなく素のAndroidに近いです。また、初期設定の段階で「日本語」を選べば一部機能除いて日本語表示されますし、Gboardの日本語キーボードも標準搭載されているので、Xiaomi端末のような戸惑いはありません。
ホーム画面のランチャーは「Launcher3」が導入されていました。






Elephone S8の仕様表
最後にElephone S8の主な仕様をまとめておきます。
OS | Android 7.1.1 |
---|---|
プロセッサー | MediaTek Helio X25 10コア 2.5GHzx2 + 2.0GHzx4 + 1.4GHzx4 |
ストレージ | 64GB |
メモリ | 4GB |
ディスプレイ | 6インチ 2,560 x 1,440ピクセル(WQHD解像度) |
内側カメラ | 800万画素 |
外側カメラ | 2,100万画素 |
バッテリー容量 | 4,000mAh |
拡張 | USB Type-C x1 |
SDカード | 無し |
センサー | GPS、指紋認証、周囲光、重力、ジャイロ、ホール、近接 |
SIMカード | Nano-SIMカード x2 |
幅 x 厚さ x 高さ | 80.7 x 8.6 x 152mm |
本体重量 | 195g |
カラー | ブラック、ブルー、レッド、ゴールド(現状未発売) |
そして、対応周波数帯は以下のとおり↓ LTEはB1とB3、3GはB1に対応しているので、ドコモ回線であればギリギリ掴みますが、Wi-Fi運用が好ましいですね。
- GSM:850/900/1,800/1,900MHz
- WCDMA:B1/B8
- FDD-LTE:B1/B3/B7/B20
- TDD-LTE:B38/B40
記事を書いている2018年2月17日現在の価格は200ドル前半=約2万円半ばと格安ですが、国内で売られている同価格帯のSIMフリースマホに比べると段違いに性能が良いので、コストパフォマンスの良さは流石中国メーカー。
ただし、電波法に則った「技適マーク」は付いていないので、購入および使用は自己責任でお願いしますね。
気になる方は、下のリンクより各業者の販売ページをご覧下さい↓