レビュー

某H社のアレに似てる激安ノッチスマホ「CUBOT P20」を試してみた

  • 2018-08-16
  • 2018-08-17
6/10
  • 大きいうえに発色・視野角良好で見やすいディスプレイ
  • Micro SDカードスロットとイヤホンジャックを装備
  • 昼間なら案外よく撮れるカメラ
  • 余計なアプリ無く素に近いAndroid 8.0 Oreoを搭載
  • 性能控えめな割に電池持ちが悪い
  • デュアルカメラの醍醐味「背景ぼかし」の詰めが甘い
  • リバーシブルなUSB-Cではなく、表裏区別のあるMicro USB端子

通販サイトGearBest.comさんより、中国の新興スマホメーカーCUBOTの最新機種「P20」をご提供頂きました。

某H社が誇るカメラスマホ「P20」に名前も見た目も似せた一台で、切り欠け(ノッチ)の付いたフルHD+ディスプレイを備えるほか、100ドル台の格安機ながらデュアルレンズカメラを背面に装備。軽くではありますが実機レビューを執り行いたいと思います。

ところで、CUBOT←これ「ク~ボット」でしょうか?それとも「キュ~ボット」でしょか?筆者はク~ボットって呼んでますけど。

今回レビュー用として「CUBOT P20」の実機をGearBest様より提供頂いたため、タイアップ記事となっています。決してステルスマーケティングではありませんし、中立なレビューをお約束致します。

CUBOT P20のスペック表

レビューへ入る前に、CUBOT P20のスペックを確認しておきましょう↓

OSAndroid 8.0 Oreo 日本語対応 Googleサービス導入済み
プロセッサーMediaTek MT6750T
CPU:オクタコア 4x Cortex-A53@1.5GHz + 4x Cortex-A53@1.0GHz
GPU:Mali-T860 MP2@650MHz
ストレージ64GB
メモリ4GB
ディスプレイ対角6.18インチ 2,246 x 1,080ピクセル IPS液晶ディスプレイ
内側カメラ1,300万画素
外側カメラ2,000万画素 f/2.0 + 200万画素
バッテリー容量4,000mAh 5V/2Aの充電に対応
拡張Micro USB x1、3.5mmオーディオジャック x1
SDカード最大128GBのMicro SDカードに対応
センサーGPS、AGPS、環境光、近接、加速度、指紋認証センサー
SIMカードNano-SIM x2
幅 x 厚さ x 高さ75.25 x 8.5 x 156.25mm
本体重量174.6g (実測値)
カラーBlack、Denim Dark Blue、Twilight Black

パッケージと付属品

最近の中華スマホは価格帯問わずパッケージに工夫が凝らされているので、手にするたびワクワクさせられますね。フォルムと「P20」の文字が金色で描かれています。

CUBOT P20 パッケージ

裏面には主な仕様がずら~っと。

CUBOT P20 パッケージ

開封した様子↓ 梱包状態も大変よろしい。

CUBOT P20 開封

付属品はこんな感じ↓ EUプラグのUSB充電器とMicro USBケーブル、説明書類、SIMスロット取り出しピンなどはお馴染みの内容ですが、背面ケースまでオマケしてくれています。こういう心配りは嬉しいものです。

CUBOT P20 同梱物

ボディのつくり

前面には、CUBOT P20の“顔”ともいえるノッチ(切り欠け)付きのディスプレイが備えられており、1,920 x 1,080ピクセル = フルHD解像度よりも縦長な2,246 x 1,080ピクセル。

ディスプレイサイズは対角6.18インチと大型でありながら、16:9や18:9よりも更に縦長な18.7:9という比率のおかげで本体幅は案外とスリムで、iPhone 8 Plus(78.1mm)よりも3mmほど細い75.25mm。片手でもしっかりグリップできるサイズ感です。参考までに、本家本元の某P20は70.8mm、P20 Proは73.9mm。

ベゼルレスは言い過ぎかもしれませんが、上部と左右のベゼル幅はiPhone X並に狭まっているので、前面を見る限り野暮ったさは感じません。

CUBOT P20 ディスプレイ

裏返して背面をチェック。遠目で見ればガラスにも思えますが、コストカットのためかプラスチックカバーで覆われており、お値段相応のチープな質感です。CUBOTロゴは良しとして、その下に並んだ認証マークたちが実にブサイク…。

CUBOT P20 背面

銀のリングで囲まれた丸い凹みは指紋認証センサー。予め自身の指紋を登録しておけば、指をあてるだけでスピーディーなロック解除が可能になります。

左上には2,000万画素 + 200万画素のデュアルカメラが設けられており、両レンズの間にはフラッシュライトが。解像度や画質はさておき、フォルムや配置はiPhone Xそっくりです。

フレームもプラスチックで、高級感など微塵たりとも感じませんが、細部の作り込みはなかなかしっかりしています。デュアルカメラ周りのリングも綺麗です。

CUBOT P20 音量調節ボタンと電源ボタン

底面には、充電とデータ転送に対応したMicro USB端子が設けられていて、その右隣にスピーカー、左隣にマイクが付いています。

CUBOT P20 底面のMicro USB端子

反対側の天面には、有線イヤホンを挿すための3.5mmジャックがあります。

CUBOT P20 天面の3.5mmイヤホンジャック

カードスロットはNano-SIMを2枚、もしくはNano-SIMとMicro SDカードを1枚ずつ装着できる構造です。この機種であえてDSDS試みる方は居ないと思われるので、スロット埋めるとすればSIM + SDの組み合わせでしょうか。

CUBOT P20 Nano-SIM & Micro SDカードスロット

カラバリは計3色展開。今回ご紹介しているブラック(Black)モデルの他にも、艷やかな紺色「Denim Dark Blue」と黒+紫のグラデーション「Twilight Black」がラインナップされています。

格安機なのに液晶ディスプレイがとても綺麗

色温度がおかしかったり視野角が狭かったり、タッチ感度がよろしくなかったり…。安いスマホ買ったもののディスプレイの質にがっかり!なんてことは別段珍しくないのですが、CUBOT P20は違いましたよ。Redmi 5 Plusよりも明るく鮮明で、視野角も全く問題なく、これまで手にしてきた同価格帯のスマホのなかではトップレベルの画質だと感じました。

格安機にありがちなHD(720p)ではなく、しっかりフルHD(1080p)を採用しているので、フルHD動画(1,920 x 1,080)をドットバイドットで再生できるのは嬉しいポイント。Webページの小さな文字も滑らかクッキリです。

パフォーマンス

スマホの処理能力を握るのはずばりSoC(システム・オン・チップ)で、人間でいえば頭脳にあたる部分。CUBOT P20にはMediaTekの「MT6750T」というチップが搭載されていて、国内で売られている機種だと「FREETEL雷神」や「Covia g07+」などが同チップを積んでいます。

手っ取り早く性能を測るため、毎回おなじみのベンチマークテスト。まずはAntutu Benchmark v7のスコア↓ (3回連続で測定)

CUBOT P20 Antutu Benchmark v7のスコア

  • CPUスコア
  • GPUスコア
  • UXスコア
  • MEMスコア
  • Xiaomi Mi MIX 2 (6GB RAM)Snapdragon 835
    207256
  • Huawei Mate 9HiSilicon Kirin 960
    156852
  • Elephone U ProSnapdragon 660
    141339
  • Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 659
    88782
  • Ulefone Power 3MediaTek Helio P23
    76576
  • Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 625
    76427
  • Elephone S8MediaTek Helio X20
    75558
  • CUBOT P20MediaTek MT6750T
    56573

続いてCPUの処理能力を調べる「Geekbench 4」のスコア↓ (3回連続で測定)

CUBOT P20 Geekbench 4のスコア

  • マルチコアスコア
  • シングルコアスコア
  • OnePlus 6 (8GB RAM)Snapdragon 845
    9090 2476
  • Xiaomi Mi MIX 2Snapdragon 835
    6674 1938
  • Huawei Mate 9HiSilicon Kirin 960
    6258 1928
  • Elephone U ProSnapdragon 660
    5831 1630
  • Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 625
    4282 867
  • Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 659
    3747 940
  • MAZE AlphaMediaTek Helio P25
    3140 796
  • CUBOT P20MediaTek MT6750T
    2724 679
  • Amazon Fire HD 10 (2017)MediaTek MT8173
    2237 1233
  • Amazon Fire HD 8 (2016)MediaTek MT8163V/B
    1583 601

上2つの比較グラフをご覧頂ければ分かるとおり、性能はお世辞にも良いとはいえず、ミドルレンジの代名詞ともいえるSnapdragon 625チップやHelio P23にも及びません。

Android 8.0側のバックグラウンドタスク制御が上手く効いているおかげか、基本的なレスポンスはサクサク軽快で、YouTube観たりSNSやWebブラウジングする程度であれば何ら問題なく使えます。ただ、グラフィック性能音ゲーやバトロワゲーといった俊敏さを求められるゲームは絶望的といってよいでしょう。

メモリとストレージは4GB + 64GBという構成で、この機種に見合ったライトユースであれば全く不満ありませんね。一応、最大128GBのMicro SDカードにも対応しているので、音楽や動画を楽しむメディアプレイヤーとしては丁度よいかもしれません。

バッテリーは弱点

ゲーム除けばそこそこ動いてくれるMT6750Tチップですが、いかんせん電力をモリモリ食っちゃうので、電力効率は最悪。控えめな性能の割には電力消費が激しく、4,000mAhの大容量バッテリーもってしても丸一日働かせることは難しいです。

「PCMark」というベンチマークアプリに備わっているバッテリーテスト「Work 2.0 battery life」は、Webページ閲覧や写真編集といった日常的な作業を繰り返し、バッテリー残量が100%から20%へ至るまでの所要時間を測るというもの。カタログスペック見ただけでは分からない“リアルな駆動時間”が浮き彫りとなります。

CUBOT P20が残した結果は6時間37分↓

CUBOT P20のバッテリーテスト結果

他のスマホと比較してみました↓ Vernee ApolloとMAZE Alphaよりも優秀ではあるものの大多数のスマホに負けていて、同価格帯でSnapdragon 625搭載するRedmi 5 Plusとの差は歴然。

  • Xiaomi Redmi 5 PlusSnapdragon 625 / 4000mAh
    12:16
  • Xiaomi Mi MIX 2SSnapdragon 845 / 3400mAh
    9:48
  • Huawei novaSnapdragon 625 / 3020mAh
    9:07
  • Huawei Mate 9HiSilicon Kirin 960 / 4000mAh
    9:05
  • OnePlus 6Snapdragon 845 / 3300mAh
    8:45
  • Elephone U ProSnapdragon 660 / 3550mAh
    8:28
  • Huawei P10HiSilicon Kirin 960 / 3200mAh
    7:23
  • Huawei nova lite 2HiSilicon Kirin 659 / 3000mAh
    6:50
  • CUBOT P20MediaTek MT6750T / 4000mAh
    6:37
  • MAZE AlphaMediaTek Helio P25 / 4000mAh
    6:09
  • Vernee ApolloMediaTek Helio X25 / 3180mAh
    4:21

カメラは結局オートモードが最良

続いてカメラについて。

CUBOT P20の背面にはメイン2,000万画素 + サブ200万画素のデュアルレンズカメラが備わっていますが、サブカメラが活きるのは背景をぼかす「Blur」モードのみなので、2眼の恩恵は大して受けられません。

メインカメラそのものは予想していたよりも遥かに優秀で、明るい屋内や昼間の風景はノイズ目立たぬ綺麗な仕上がりになりました。ダイナミックレンジが狭いため白飛びしやすいのは難点ですが、HDR撮影でそこそこ補正できます。

以下、左側がCUBOT P20、右側がiPhone Xで撮った写真です↓

肝心のBlurモードは作りが甘く、“合成感”を隠しきれていません。結局のところ、オートモードがいちばんよく撮れます。

手前にピント↓

奥にピント↓

GearBest.comにて169.99ドル

今回ざっとご紹介した「CUBOT P20」は現在GearBest.comにて販売中で、気になるお値段は169.99ドル = 約18,800円。

発売直後は129.99ドルのセールを行っていたので、その時に比べるとやや割高感目立つ価格設定ですが、100ドル台のエントリー級スマホも着実に歩みを重ねているのだな!と実感させられる一台でした。

最新の販売状況は製品ページをご確認願います↓

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