レビュー

Mate 10が登場した17年秋、本当に“買い”なのは型落ちのMate 9かも

  • 2017-10-21
  • 2017-10-26
9/10
  • P10/P10 Plusやhonor 9よりも安くてコスパ抜群
  • イヤホンジャックとMicroSDカードスロットを装備
  • 他のHuaweiスマホよりも電池持ちが良い
  • 高性能でも使い易いカメラ
  • 5.9インチの広々とした大画面
  • au VoLTE非対応
  • 持ち慣れるには時間を要する
  • ストレージ規格の混在問題

honor 9にMate 10 Proなど、今年の秋も新製品を続々発表しているHuaweiですが、どれもなかなかのお値段ですね。日本では「格安でコスパ抜群なHuawei」で勢力を伸ばしてきた訳ですが、ここにきて高級路線へシフトし、徐々に割高になってきたので、お買い得感が薄れつつあります。(ASUSもそうですが…)

1年前を振り返ってみると「Mate 9」の存在を思い出しますが、新機種が注目を浴びる一方で、この機種は着々と値下がりしており、今や5万円を切っています。

Mate 10が登場した2017年秋、本当に“買い”なのはP10やhonor 9よりも安いMate 9かもしれませんね。型落ちではあるものの、その全貌や魅力について再確認してみましょう。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

Huawei Mate 9が“買い”である3つの理由

そろそろ登場から1年が経過しようとしているHuawei Mate 9。後継機として「Mate 10」と「Mate 10 Pro」がデビューしたことで、型落ちとなったこの機種ですが、それでも“買い”といえる3つの理由があります。

実勢価格はP10/P10 Plusやhonor 9よりも安い

まず注目したいのは、実勢価格。Huaweiが提示する定価は65,664円で、国内投入された当初もこの価格で売られていましたが、あれから1年経ったことで実勢価格は値下がりする一方です。

アマゾンの「OCN SIMセット」なら、OCNモバイルONEの申し込みパッケージ(契約は任意)が付属して、そのお値段47,800円(2017年10月21日現在)。1.8万円ほど値下がりしていますね。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

ついでに、Mate 9とスペックが似通った「P10」と「P10 Plus」もチェックしてみましょう。P10はMate 9よりも1.7万円ほど高い64,575円、P10 Plusは1.9万円ほど割高な66,800円で、比べるとやはりMate 9のお買い得感が際立ちます。(いずれも10月21日現在の価格)

つい先日登場した、廉価モデル「honor」(オナー)シリーズの最新作「honor 9」の定価は58,104円で、やはりMate 9よりも割高。

最新機種には劣るが、実用上何ら困らないスペック

スマホのスペックは日進月歩で、「型落ちのMate 9ってちゃんと使えるの?」と心配に思われる方も居られるかと思いますが、実のところ現行のP10やP10 Plus、それにhonor 9と性能はほぼ同じ。

性能の核となるのが、Huawei独自開発のSoC「Kirin 960」で、iPhone 8に載っているA11 Bionicや、最新Androidスマホ(Galaxy S8やHTC U11など)に載っているSnapdragon 835には届かぬものの、実用上は何ら困らないパワーを備えています。

3Dを多用するゲームでもそれなりにサクサク動いてくれますし、SNSやYouTubeの動画視聴などのライトユースであれば、文句なしのスピードで応えてくれます。

ちなみに、近々日本での販売も予定されている「Mate 10 Pro」には、この後継型である「Kirin 970」が搭載されていますが、劇的な進化とは言い難いです。AI処理に特化した「NPU」が新設されているものの、現時点でその用途は限られますし、処理性能も20%ほどの向上に留まっているようなので、実際の使い心地はあまり変わらないのかなと。

国内発売予定のMate 10 Proには無い、イヤホンジャックとSDカードスロットを装備

Mate 10 Proは、iPhone 8同等の防水能力(IP67)を持ちますが、それを実現するため3.5mmイヤホンジャックは廃されました。なので、同梱のUSB-CイヤホンかBluetooth接続のものを使わなければならず、従来のものを繋ぐ場合はアダプターを挟まなければなりません。

更には、Micro SDカードスロットまでもが省かれてしまったため、容量の拡張が出来ません。

対するMate 9は、イヤホンジャックもMicro SDカードスロットもしっかり装備しているため、痒いところに手が届く一台です。

他の機種よりも電池持ちが良い

Mate 9の大きなボディには、それに相応しい大容量バッテリーが内蔵されているため、他の機種に比べて電池持ちが良いのも魅力です。P10やhonor 9が3,200mAh、P10 Plusが3,750mAhに対し、Mate 9は4,000mAhを積んでいるので、現行のHuaweiスマホの中でもトップクラスの電池持ちを誇ります。

P10は小柄なボディが魅力的ですが、それと引き替えにバッテリー容量が失われています。事実、筆者が所持する全てのHuaweiスマホの中でP10の駆動時間は最も短く、一日使い込むには心もとないと感じました。(以前投稿したP10のレビュー記事より、電池持ちのデータを転載します↓)

筆者が所持する全てのHuaweiスマホの中でもP10の駆動時間は最も短く、むしろスペック控えめなnovaシリーズの方が長持ちです。こうしてグラフにしてみると微々たる差にも思えますが、実のところMate 9との持ち具合の違いは明らかに体感できるレベル。

ただ、Mate 9もスマホ全体として見れば別段持ちが良いわけでは無く、SoCのKirin 960が無駄に電力を食っているような気がしますね。実際、スナドラ835搭載のXiaomi Mi6やOnePlus 5は3,000mAh台のバッテリーですが、Mate 9よりも長持ちなので…。

Huawei P10買ってみたけど、結局Mate 9使い続ける事にしたよ

他機種と比べなくても分かる!Mate 9の魅力

高機能・高性能なのに使い易いカメラ

2016年春にデビューした「P9」から、ドイツのカメラメーカーLeica(ライカ)との共同開発によって生み出されたデュアルカメラが組み込まれるようになり、Mate 9には初代よりも画素数をアップさせた「第2世代Leicaカメラ」がいち早く搭載されました。

メインの1,200万画素カメラ(IMX286センサー)でカラー映像を捉え、そこへサブの2,000万画素カメラ(IMX350センサー)で捉えたモノクロ映像を組み合わせることにより、ディテールや明暗を見事に再現します。

更に素晴らしいのは、デュアルカメラの特性を最大限活かす数々の機能を、とても簡単な操作で使いこなせてしまうこと。Mate 9標準のカメラアプリは、高機能ながらも操作方法はシンプルかつ直感的なので、戸惑うことはありません。

筆者のお気に入りは「プロモード」。ISO感度やシャッタースピードなどを自由自在に調節できるので、まるで本物のカメラを触っているかのような感覚で愉しめます。

説明ばかりでもつまらないので、実際にMate 9を使って撮った写真をご覧いただきましょう。各写真をクリックorタップすると原寸大表示できますが、容量が数MBもあるので、スマホの方は通信量にご注意を!

モノクロモードで撮影↓

ライトペインティングモードで撮影↓

動画レビューもどうぞ↓

Mate 9のカメラについて更に詳しく知りたい方は、過去に投稿した「夜景もボケもお任せ!Huawei Mate 9のカメラを心ゆくまで愉しむ」の記事をお読み下さい。

ちなみに、当ブログのレビュー記事に貼り込んでいる写真は、ほぼ全てMate 9で撮影してますよ!

指紋の付きにくいマットな質感のメタルボディ

メタルボディorガラスボディは好みの分かれるポイントですが、Mate 9の背面はアルミ特有のサラサラとした質感が心地よく、プラスチックやガラスに比べて指紋が目立ちにくいのはメリットと言えるでしょう。

背面のマットな質感に対し、本体を一周するエッジ部分やカメラユニット周りは光沢仕上げとなっており、この対比が絶妙な高級感を演出しています。

スピーカーの穴やUSB-Cポート周辺の処理など、細部に至るまで完璧な作り込みです。

5.9インチの大画面

Mate 9の象徴とも言える大きな画面は対角5.9インチ。iPhone 7や8が4.7インチ、Huawei P10が5.1インチなので、ずば抜けたサイズですね。下の比較画像を見て頂ければ分かるとおり、一度に得られる情報量も増えるので、Webブラジングや文書作成が大変捗ります。

大画面を最大限生かせるのが、Android 7.0から新たに実装された「マルチウィンドウ」で、画面を2つに分割して異なるアプリを同時に使える機能です。

例えば、YouTubeの動画を観ながらWebページを見たりやメモをしたり、地図を見ながら周辺の情報を調べたりなど、2つの作業を1つの画面でこなせます。これを小さなスマホで行うと、とても窮屈で操作しづらいですが、Mate 9の大きな画面であればそこそこ快適です。

4,000mAhの大容量バッテリーを1時間半で充電できる「Huaweiスーパーチャージ」

先ほども書いたとおり、Mate 9には4,000mAhもの大容量なバッテリーが内蔵されていますが、それを速く充電すべく「Huaweiスーパーチャージ」に対応しています。

付属のUSB充電器とUSB-Cケーブルを組み合わせて充電することで、最大22.5Wで出力され(一般的な充電器は5W〜10W)、残量が殆ど残っていない状態からでも1時間半ほどで満タンになります。もし「1時間半も待てない!」という状況でも、30分ほど充電すれば0%から50%前後までは貯まるので、忙しい時は助かりますね。

上下部に設置されたデュアルスピーカー

底面のスピーカーに加え、受話口もスピーカーを兼ねているので、Mate 9本体を横に向けて使うとステレオスピーカーとして機能します。シングルスピーカーのP10に比べると、その迫力は段違いで、動画視聴やゲームにはもってこいです。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

デメリットもある。Mate 9を買う前に知っておきたいポイント

ここまで、Huawei Mate 9の良いところに着目してご紹介してきましたが、弱みや注意点に関してもチェックしておきましょう。

au系MVNOでは使えない

P10 liteやnovaなど、au VoLTEに対応しau回線のMVNO(UQmobileなど)に対応する機種も増えてきた中、Mate 9は残念ながら非対応。楽天モバイルやLINEモバイルなど、ドコモ回線のMVNOに絞られてしまうのはデメリットですね。

本体はそれなりに大きいため、持ち慣れるには時間を要する

筆者の場合、5.5インチクラスが当たり前の中華スマホに慣れ親しんでいるため、Mate 9の大きさは何ら苦ではありません。しかし、iPhone SEみたいなコンパクトな機種に慣れている方にとって、Mate 9は「スマホ」というより「タブレット」に近い感覚だと思うので、持ち慣れるには時間を要するはずです。

とはいえ、本体の横幅はiPhone 8 Plusとほぼ同じで、重量も若干軽いので、「5.9インチ」という数字を前に尻込みしてしまうのは勿体無いかなと。

ストレージ規格の混在が一部で問題視されている

実際の使い心地に大きく影響するような話ではありませんが、スペックに拘る方は要注意です。

Huaweiの公式サイトでは、「新しいUFS 2.1フラッシュメモリにより、eMMC 5.1と比較し、データ転送速度が100%高速化。」としていますが、ネット上には「速度の劣るUFS 2.0が入っていた!」との報告が多数挙がっています。かくいう筆者のMate 9もUFS 2.0でした…。(シーケンシャル読み込みが600MB/s以上であればUFS 2.1、それ以下であれば2.0みたいです)

せっかく物は良いのに、目に見えない部分で信頼性を損なってしまうのは勿体無い!いっそのこと、規格に関してはノータッチで売れば良かったと思うのですが…。

更に詳しいレビュー記事もあります

型落ちではあるものの、まだまだ現役で使えるコスパの高いHuawei Mate 9。「もっと詳しく知りたくなった!」という方は、ぜひ過去に投稿したレビュー記事をお読みいただければと思います。

Huawei Mate 9 SIMフリースマートフォン

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